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2月の最近のコンテンツをまとめた感想

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ポケットモンスター ココ


・ド名作だった

 見ていて何度も泣けてきてしまった。歴代の中でもトップクラスかもしれない。
テレビ版サトシとは繋がりがないタイプでピカチュウ単持ち。
サトシの役割は引っ張り回すと言うより伝説を目撃する観測者という立ち位置。
もちろん作中でいろんな影響は与えていく。
主人公はポケモンに育てられ人の言葉はわからずポケモンとしか話せない少年、ココだ。

・ポケモンにしては珍しく、真正面から投げかけてくる映画

 人とポケモン、そして親と子について語るもので、仮想なものを通しながら現実の物に対してドデカイストレートを叩きつけてくるような王道物語で、割とポケモンにしては珍しいタイプ。
愛されたということや愛されなかったということ。それに自分は何なのかという認識の定義。揺れる多くの登場キャラたちの点と点が1つに繋がっていってカタチになる様は普遍的かつ心の奥を打ち響くようなものだった。
簡単に言うと、そんなに親子とかつながりとか詳しくないけど震えるような名演で心も震えた!

・ポケモン好きとしては考察もはかどった

 基本的にポケモンとはだけ知っていれば楽しめる作品なのは大事な点だけれど、だからといってポケモンである必要がなくなっているかといえばそうはなっていない。
まずこの映画は意図的にポケモンと人との差異を揺るがしてくる。
そこだけでも考えることはあるもののきれいに蒔いた話の種がちゃんと芽吹いていく中で、つまりどういう大仕掛けがあったのかをポケモン的に考える必要もある。
ポケモン世界の軍事兵器能力についても考えられて良い。
そしてサトシが自身のパパに触れた! これは激レア演出である。正直深掘りしてほしい。

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デス・ストランディング

・難解な物語とつい夢中になるファームのようなプレイ感

 話がめちゃくちゃ難しい!
なぜかというとわかる話が時系列が整っていなかったりわざと断片的なのだ。
あとなんちゃって科学ファンタジーをこねくりまわしてたくさんの用語を使い、世界中のいろんな言語をチョイスして専門用語化するので飲み込むのに時間がかかる。
特に、少しだけデス・ストランディングから離れ違うゲームをやって戻るとわりとパニクる。
この世界の人間はハー(肉体)とカー(魂)を使って会話するのは当たり前なので最低限そこを把握しておく必要がある。
なんで全員独特な言い回しが共通認識になってんだろう。
やはりカッコいいからなのかな。
それはそれとして「運ぶ、戦う、(機材が)増える、そして食べられる」をひたすら作業的にしっかりこなしていく独特の感覚は非常に良くできていると思った。
面白いというより黙々やり続けてしまう感じ。
やっていくことで少しずつ世界が繋がって、出来上がって、ついでにテメーとはつながんねーよ! と敵を殴り倒しアイテムを強奪していくのはとくに楽しい。
オススメは出来上がってきている国道に主観視点で走ること。
脳が溶ける。
調子に乗って落ちるところまでがセット。


・主人公とプレイヤーの知識剥離が大きかったから起こる悲劇

 とにかくやってて思うことは割とプレイヤーに対しての情報提示量がすごい。
やりこめばやりこむほどドキュメントというテキストデータベースが解放されていくのだがこれがやっかい。
つまり「主人公気づくの今そこ!?」か、「いや主人公ちゃんと理解した話聞かせて!?」ってのが合わさる。
ドキュメントややりこみで明かされる情報とストーリー上開示タイミングとストーリーが噛み合ってない。
あと、推測可能範囲を周囲はわかってて主人公だけがわかってなくて歯がゆかったり。
最悪主人公と周囲はわかってるがプレイヤーにはよくわからない情報だけが曖昧に提示されたりする。
ある程度好みはあるもののなんとも気持ちの悪い部分があった。
神の視点で「サム後ろー!」ってするタイプの情報差異じゃなくて単にコントロール不足なのがつらい気分。
それとこれが1番きついのだが、複数いるヒロインの中でトップクラス目標としての花形ヒロイン、助けに行かねばならない相手にぜんっぜん愛着わかなかった。
主人公はその相手を本気で好んでいるもののそういう背景を楽しむ回がほぼなく、なるなら初見から最後までプレイヤーにはどんどん気味の悪さしか積もらないのに主人公は盲目的に進んでいくので、プレイ体験の剥離がつらい。他のヒロインは普通に愛着あるがゆえに、事故だ。

・なんでもやりたかったが故に賛否両論を自分の中で感じ取れる1本

 作品内でやれることはまあ多い。
多いからこそどれもこれも互いに要素の食い合いが悪くなったりして、プレイヤーのやりたいことと一致しなかったり。
運びたい人は気色の悪い化け物との強制戦闘は困ったり、戦闘バリバリしたい人は普段のもの運びや難解なストーリーが作業感強まったり、ステルスしたい人は……とどうも難しい。
かなり人を選ぶ。
なんとなく全部楽しめるタイプじゃないと厳しい。
自分もまあまあ広いものの「今そういう気分じゃない!」となるシーンも少なくはなかった。
ただ体験は独特で一度味わってほしいものではある。しかし他者に気軽な勧めはできないゲームだ。

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メギド72イベントストーリー 恋は拷問、愛は処刑

・何……なに……?

 やってるときもやり終わったときもこの感情になる珍しすぎる回。
しかもただのうろんな回ならば、ギャグだー! って感情を走らせられるのだけど真面目なのがつらい。
読んだあと面白かったんだけれど、面白かったんだけれど何を読まされたのかがわからない。
これはすごい。
話は、アラストールとフルカスの女性2名による恋バナです。
ただこれだけ書くと誤解しかないのでもう少し詰めます。
ある日フルカスが突然恋をしたということで軍を抜けどこかへ行きアラストールたちと追ったらその先は拷問卿と呼ばれる領主の館で……という物語。
アラストールはアラストールでメギド時代共に仕事をして、そして処刑しそこねた相手が未だ忘れられず、その相手は拷問が得意なことから、拷問卿の話に心がざわついていきます。
やがてとんでもないことが明らかになって……という話なのですが。
詳細に語られる拷問話!
恋愛に例えられる拷問や処刑!
興奮しまくっているフルカス!

とまあ、ちょっと難しい話が全てトンチキにより押し流されるパワフルな話でした。

・イイ話だったのかなぁ

 よく途中まではいい話だったのにオチでギャグ世界に転げ落ちるというパターンはあるのですが、これは全体的に頭に疑問符をうかべながら話を進めるのに、オチが綺麗すぎてまるで全体的にいい話だったかのように錯覚するパターンです。
ぶっちゃけ話としては、暴走! フルカス!! なんですけれど。
最後にきれいな感じで恋とは愛とは、そしてさよならとはみたいな事を語るのでめちゃくちゃいい感じの話だと錯覚しそう。
いやいい話ではあったんですが。
道中のトンチキっぷりがあまりに凄まじすぎた……

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・深読みはできるがしたくない

 他にもコルソンが重要なキーパーソンとして出てくる。
コルソンは拷問や処刑といった物騒な単語からは程遠い立ち回りをしているが、拷問卿と人形という意外な接点によって立ち回っていく。
拷問とは、そして人形とは……マイナスイメージとプラスイメージの反復がとても面白い。
そんな感じで色々考えさせられはするんだけれど、中身が「フルカスがノロケながら拷問について嬉々として話し続ける」みたいな内容なの出真面目に考察したら負けな気がする! なのでおしまい!

ニセモノの錬金術師

・チョー面白い

 読後感が「これを読めてよかった! やったあ!」となる1本。
あ、ちなみにまだ第1部完で話自体は続くんだとか。(これを書いた後続きました)
インディー作品(といえばいいのかな)でこんな面白い漫画に立ち会えるとは思っていなかった。
あとでもうちょっと詳しくまとめようと思う。

・ニセモノとホンモノ 

 まるでネーム段階のような絵ですがそれでもかきわけや雰囲気が伝わるようになっている。絵が苦手な方もいるかとおもうが、スルスル入ってきて好き。
今度書籍化するさい作画担当さんがついてストーリー再編するらしいからそちらで見ても良いかもしれない。
まだわからないけれど。

 お話は主人公が異世界に飛ばされてしまいその世界で生き抜こうとするお話。
ただし主人公の能力は非常に貧弱だし世界は非常に危険。
チートスキルという名の念能力みたいなのを2つ持たされているが、片方は錬金術のレシピと作り方がわかり、これを使って錬金すれば完璧にできあがるけれど材料を用意して自分が作らなくてはならないしつくらない限り枠が埋まり続け合計5枠。
もう片方は最新1つだけセーブできるけどロードにはわざわざ割る必要があり、戻ったらそれまでの時あったことと自身の一番大切な記憶が消えてしまうという使いにくさが半端ではないもの。
他にも実はある主人公は持っていない念能……チートスキルも似たように一長一短になっている。
この世界の仕組み、戦いは地球のそれとはまったくことなるしチートスキルとも法則性が違うので多種多様な能力が見どころでも有る。

けどなによりもそれらの能力でぶつかり合うキャラたちの魅力が凄まじい!
全員やばいやつら。
ネタバレ少なくかける範囲は少ないので、これにピンときたらオススメ。
「設定厨とかSFとか言われるみたいに世界観や独自の仕組みそして成り立ちを深掘りしていくのが好き」
「ヒロイン属性主人公」
「やべーやつらとやべーやつらがお互いに絶対曲げない信念を持って能力バトル」
「女の子がかわいいしかっこいい」
「現代っこではありえない倫理観持ちのウルトラやべーやつらが破壊や死の力を持ったら?」
「スライムがすき」
「爆弾、錬金術といえば爆弾」

そして

「ホンモノとニセモノ」


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