労働力は恋愛、セックス、出産をしないと思ってる、混血児は日本人じゃ無いと思ってる、クローンにマジ同情する


※上記動画は2010年、強制送還されて3年経ったフングを訪ねルポした記録。当時彼は教会の一室を間借りし、朝から晩まで働きづめで、どこに行ったってどん詰まっていたのである。


※こんなオールドファッションマンいるんですか

11月30日
韓国から弟分のフングが日本に来た

2002年当時
中学生だった彼は
親に無理やり日本に連れてこられて
川崎に放り込まれた

川崎は労働者の街で
もともと九州、沖縄からの人が多かったが
80年代以降
日系、南米、フィリピン、コリアン、チャイニーズ
外国人労働者が爆発的に増えた

彼もその労働力に帯同してきた
家庭内で彼の年齢では発言権もないだろうし
家の外では日本語がままならなかったが

なんとか日本語もマスターして
桜美林大学に合格した

しかし
親の不法滞在がバレて
強制送還

2007年に日本での生活を強制終了させられ
進学を諦め韓国で生活を始めた

この時点で俺ならメンタル崩壊している
自分ではどうにもできない宿命をひたすら呪っただろう

同じコミューンを共有した
俺とはまた別の文脈の異邦人

俺の周りはオーバーステイだらけ
観光ビザで日本に入国して
帰りのチケットはゴミ箱に捨てた人たちばかり

今軍隊に行っている俺の従兄弟だって
日本での記憶は消し難くこっち大学に入学することをずっと夢見てる

この前の相談は
兄さん
親が不法滞在してた経緯まで面接で聞かれるとまずいから
初めて日本に来たことにしようと思うんだけど
どう思う?

うーむ
切ない
でも優先順位と臨機応変で切り返さなければならない

時間を戻すことは出来ないけれど
運命は変えられないとして
奪われたものを自分の中でどう受け
どう決着をしていくかなんだ
人は関係なく

奪われたことがある
その自覚が財産だよ

なぜなら
俺たちはタフになったろ?
ファイトクラブだよ

着せ替えや
バリエーションを消費するのでなく
無いからそのキャラクターさえ創造してみせたろ?

一番怖いのは
奪われてる自覚も無く
褒められることがつい嬉しくて
誰でもない記号になってしまうことだよ

俺たちはずっと一緒にいられないよ
でも
離れても
寂しく思うことはないよ

たとい
運命が決まってたとしても
それを受け入れた上で
抗わなければならない

皆さんは
大切なものを奪われた経験がありますか?

1980の入管法が変わって
多くの外国人労働者が川崎に来た

日本は入り口を作ったけど
出口は作らなかった
だから呼んだくせに
不法滞在でたくさん身内が捕まった
それについて回る子どもたちは
人生振り回されてマジ大変だ

問題はその子供たちは
あまりニュースにはならない
なぜなら既に日本にはいないから
もう見えない
忘れられてるというか
最初から居なかったんじゃないか

でも
日本語で育った彼らは
いつか日本に帰るんだという呪いに近い願いがある

1980年の因果が
2018年の今可視化されたわけだ

こんな想いを抱えた青年を増やしてはいけないのに

見えない存在として
強制送還され
日本呪縛にあう
子供たちは
凄まじく再生産されるだろう

ユンジやシフンにもまた会えるだろうか...
去年技能実習生済みのカンボジアに帰った女性たちを取材してたけど

ニホンホシイ
ニホンホシイの連呼だったなー

しかも
日本は給料やすくても
カンボジアでは大金で
家ローンでたてて
技能実習生期間終わって
カンボジア帰ったら
安月給ばからしくてはたらけなくて
みんなプータローだよー
生活水準下げれねーキャバ嬢的な

俺の課題は
日本における外国人問題だけじゃない
強制送還後も日本呪縛に苦しむ実態も当然セットで考えなければならない

使い捨てる
労働力が恋愛しないと思ってる
労働力がセックスしないと思ってる
混血児は日本人じゃないと思ってる

俺たちは
労働力じゃなくて
まず人間なの

馬鹿のケツ拭くために生まれたわけじゃねーのよ

マジでクローンに同情するよ


みなさんのサポートでより一層ぶっ飛んだ行動ができます。一片の悔いも残らない程ぶっ飛ばしていただければ幸いです。