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YouTuber・よゐこに聞く!|YouTube文化が創り出すテレビとエンタメの今後[後編]

2020年2月「好きなYouTuberランキング」(ORICON NEWS)で5位を獲得したよゐこ。毎週木曜日の生配信を続け、現在約30万人の登録者数を誇る。多くの芸能人がYouTubeで活躍し始めているが、YouTubeがあることで「テレビ」や「エンタメ」の未来はどうなっていくのか。YouTuber・よゐこに直撃した「後編」!

──カジサック(梶原雄太)さん、ヒロシさん、本田翼さんなど認知の高い芸能人がYouTubeで人気になる事例が増えてきています。ズバリ、芸能人はYouTubeで活躍できますか?


有野:人によるんじゃないですかね。その人に合ったものがあるかどうか。本田翼さんには「ゲームが好き」という合う武器があった。

濱口:そういう意味でも僕らはラッキーやったね。

有野:好きなことをやっているということが大きいんちゃう? たとえばあっちゃん(中田敦彦)は勉強が好きだからなのか、勉強を教えるあのスタイルがハマったでしょ。一方で僕らは相方が好きだから (笑)。それが合ったのかな。

濱口:10分ぐらいにまとめて編集してたらハマらなかったということはあるかも。言われてたんですよ、YouTubeって2分とか3分とか短くしないと見てくれないって。でも僕らは「再生数とかどうでもいいから長くダラダラやらせてくれ」と。よゐこはダラダラしてるのが合いますしね。

有野:2〜30分がスタンダードなところ、2〜3時間の配信。ダラダラが合うコンビってなかなかいないでしょ。編集してテンポ上げてたら無理だったと思いますね。僕らが黙って、(ハロウイーンの仮装で)ずーっと顔を白く塗っていたりすると「何を今、見せられているんだ!?」と、見ている人は書き込みながらも見てる(笑)。そのハラハラ感がいいのかもしれません。地上波じゃ絶対ないじゃないですか。「この後こんなことが!?」ってCM前にテロップが入るような展開にしますし。そうじゃない生配信ってことも良かったのかも。僕らの強みと好きなことがネット見てる人らに合わさって、それが結果、うまく回ったのかもしれませんね。

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──すでにテレビで有名になっている芸能人がYouTubeを始めるうえで大切なこととは?

濱口:僕らが大切にしたのは、背負わずにやろう、ということですかね。「芸人がやるなら」とか「作品が(YouTube上に)残るから」とかそこまで重く考えたくなくて。機材があって電波飛んで、編集とかいらないからテーブル一個ぽんと置いて、オレと有野が挟んで…だけでいいからって。

有野:テレビのスタジオみたいに奥行きも派手さもいらなくって。「ちょっとYouTubeにいさせてもらいますね」ぐらいな感じ。

濱口:ラジオで長らくダラダラやるのが好きだったので、「ちょっとそのスタイルでやらせてもらいます」みたいな感じやったんで。

有野:YouTuberからしたら「あれはYouTubeじゃない」って言われてるかもしれない。

濱口:どこでもそうやなオレらは。若手のころは「あれは漫才じゃない、あれはコントじゃない」って言われて走ってきましたし。何かの形にはめていこうと思ったら、「既存の形」がハマらなくて新しい形を探し続けて…YouTubeでも同じかぁ(笑)。フォーマットをブチ破ろうとか、そんなパワフルな気持ちで決まったわけではなく、自分らがやりやすい形にはめていったらこんな風になった感じです。

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──エンタメを語るうえで外せなくなったYouTube。「テレビ」や「エンタメ」の未来はどのようになると考えますか?

濱口:実は鈴木おさむさんと「テレビって今後どうなるの」って話をしたことがあるんです。今はドラマに出演する俳優さんがバラエティ番組に番宣をしに来ることがあるじゃないですか。あんな形で、それぞれがYouTubeのチャンネルを持ちながら、その宣伝のためにテレビに出演するようになるのでは…なんて話をして。でもお金にするためにはスポンサーも必要になってきます。YouTubeではCMという形ではないので、たとえば僕らがやりたいことをやりながら、ジュースを紹介して感想を言い合い…そこにお金がつく、という形ができる。ボードゲームだったら、紹介してダラダラと遊ぶだけで広告料が入ってくるとか。そうなったら、また次の時代に進んでいくかもしれません。

有野:うん。『よゐこチャンネル』でボードゲームを扱うこともあってもええと思うな。

濱口:あと実は、テレビを見ていて「自分はこの番組に出てない、人気番組にいない。もっと頑張らなきゃ」とか焦ることもあったんです。でもYouTubeを始めてから、そういったことを思わなくなりました。いつかこのチャンネルが認められたら自然にここにも僕らは呼んでもらえるのではないか、と。ゆくゆくは地上波と『よゐこチャンネル』が対等に話せるようになったら面白いですね。バラエティ番組でスタジオから「今、『よゐこチャンネル』とつながってます~!」みたいな。

有野:登録者数はどんどん増やしていきたいですね。いずれ地上波に出なくなっても「こっちがあるからいいか」ってこっちですごい頑張って。ある日、地上波の『あの人は今!?』に出て、「全然知らんやろうけど実はYouTubeですごいんやで」みたいになっているのも面白い(笑)

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■PROFILE■
濱口 優(はまぐち まさる)
1972年、大阪府出身。お笑いコンビ「よゐこ」のツッコミ担当。『いきなり!黄金伝説。』(テレビ朝日系)や、『めちゃ2イケてるッ!』(フジテレビ系)などで人気になり、『よゐこの無人島0円生活』(テレビ朝日系)でも野性味あふれるゆるいキャラクターがうけている。昨年、タレントの南明奈と結婚。今年9月には東京ディズニーシー・ホテルミラコスタで披露宴を行った。

有野 晋哉(ありの しんや)
1972年、大阪府出身。お笑いコンビ「よゐこ」のボケ担当。相方の濱口とともに人気番組に出演するほか、趣味のゲームを生かした仕事でも活躍中。『ゲームセンターCX』(フジテレビONE)は2003年から放送開始され、17年目に突入した。ほか、アニメ、マンガ、アイドルなどにも広く精通し、その知見をメディアで紹介している。YouTubeでは、「Nintendo 公式チャンネル」にも出演中。


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<発行日:2019/12/02>
*本記事は、FIREBUGが発行するメールメディア「JEN」で配信された記事を転載したものです。

Writer:衣輪晋一
Photographer:橋口慶


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