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いきものがかり・水野良樹に聞く|「すごい!」を語り合う音楽コミュニティ「MUSIC FUN!」って何だ?

2019年10月15日、突如発表された「MUSIC FUN!」の始動。音楽に携わるトップランナーたちが「すごい音楽」や「すごいアーティスト」を語り合うコミュニティだという。コミュニティメンバーである水野良樹に全体像を聞いた。

まずは「MUSIC FUN!」のコンセプトを教えてください。

そもそも日本の音楽界において、ミュージシャン同士が互いに敬意を伝えられる「場」が必要だと考え、音楽プロデューサーや制作スタッフが中心となって対話を続けてきました。ミュージシャン主体で、グラミー賞のようなアワードを開催するイメージを持っていたのですが、さまざまな障壁や時間的な制約もあって、なかなか進められなかったんですね。

そんななかで、アワードではなく、ムーブメントとして広げていこうという声が出てきました。そもそも独立しているミュージシャン同士をひとつの枠に縛ることは無理がありますし、組織化すると全員がポジティブな気持ちで向き合えず、反発が生まれることもある。どこが中心ということではなく、それぞれの立場で、それぞれが声をあげて、ムーブメントとして音楽全体のプロモーションを行っていこうと。それが「MUSIC FUN!」のコンセプトです。

たとえば、独自の視点で新人をピックアップしたり、日本ではあまり知られていない洋楽アーティストを紹介したり…異なるジャンルのミュージシャンが愛する音楽の素晴らしさを互いに解説し合う。そういったことができたら、と考えています。活動の第一弾として、まずはYouTube上に公式チャンネルをつくり、そこから発信することから始めます。

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水野さん自身にも音楽業界の未来への危機感があったのでしょうか?

いろいろな部分で風通しが悪いとは思っていました。これだけリアルタイムで情報を共有できる時代に、海外と日本のマーケットが連動していなくて情報が入ってこない。もちろん、批評家の方々も頑張って伝えてくださっていますが、ミュージシャン側ももっとやらなければいけないと感じています。

制作の現場でいえば、世代ごとに音楽のつくり方も違うので、上の世代が積み上げてきたノウハウを下の世代に伝えなければいけないですし、下の世代も新しい制作方法を上の世代と情報交換しないといけない。そういった世代間の風通しのよさも必要ですよね。

あと、これは日本に限ったことではないのですが、音楽はどうしてもジャンルごとにすみ分けができてしまう。「MUSIC FUN!」を通じて、ジャンルを超えてうごめくように交わっていくアクションを起こし、風通しをよくしていきたいですね。

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水野さん自身もワクワクしているように見えます!

そうですね。誰でも声をあげられる「場」を醸成していくことが重要で、自由な議論、自由な言葉のやり取りが広がっていくようにしたいと思っています。互いに刺激を受けながら、ミュージシャン同士の健全な競争が生まれるといいですよね。

「MUSIC FUN!」を支えるコミュニティメンバーの顔ぶれも多彩で、音楽プロデューサーでagehasprings代表の玉井健二さんのほか、蔦谷好位置さん(プロデューサー)や甲斐俊郎さん(レコーディングエンジニア)は普段の制作でもご一緒していて、おふたりのすごさはよく知っています。トラックメイカーのSASUKEさん、ラッパーのさなりさん、プロデューサーのJin Nakamuraさんは初めてお会いするので楽しみ。これまでは機会がなかったので、ジャンルの違いを超えてお話しできるといいですね。とはいえ、音楽好きだけの会話だとマニアックになりすぎてしまう傾向もあるので、一般の視点も入れて「開いていく」ということが重要だと思っています。


エンタメ界からも注目されるコミュニティになりそうです。JEN読者に一言お願いします。

まずは生温かい目で見守ってください(笑)。音楽業界全体を向上させるためにも、メディアや批評家のみなさんに健全な批評をしてもらうことは不可欠です。それを繰り返すことで、良好な関係を築いていけたらと思います。

音楽の楽しみ方が変化してきて、趣味文化としては大きいのですがエンタメとしては小さくなってしまっていて、このままだと社会に必要とされなくなってしまうかもしれないという危機感もあります。だからこそ、あらためて音楽の魅力を伝えていきたいと思いますし、エンタメとして誰もが楽しめる奥深さと幅広さを持っていることを発信したいですね。音楽は、理解が深まるとより楽しめるようになるので、僕たちの視点と言葉で届けていきます!

■PROFILE■
ソングライター
水野 良樹(みずの よしき)

1982年生まれ、神奈川県出身。いきものがかりのリーダー、ソングライター。2006年3月に1stシングル「SAKURA」でメジャーデビュー。以降、「ありがとう」「YELL」「じょいふる」「風が吹いている」など、数々のヒット曲を生み出してきた。個人としても、幅広いジャンルのアーティストへの楽曲提供のほか、ラジオ・テレビ出演、雑誌・webでの連載執筆など多方面で活躍。2019年4月に、より自由な創作の場を求めてHIROBA( https://hiroba.tokyo )を立ち上げ、小田和正、高橋 優とのコラボレーション楽曲をリリース。さまざまなアーティストやクリエイターとの対談を行うなど、精力的な活動を見せている。

<発行日:2019/10/21>
*本記事は、FIREBUGが発行するメールメディア「JEN」で配信された記事を転載したものです。

Writer:龍輪剛

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