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年間平均消費額は16万円超え!|趣味投資に熱心なコアファン獲得につながるBLコンテンツビジネスの「正解」とは?
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年間平均消費額は16万円超え!|趣味投資に熱心なコアファン獲得につながるBLコンテンツビジネスの「正解」とは?

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BL(ボーイズラブ)とは、男性同士の恋愛を題材にした小説や漫画などのジャンルのことで、その市場規模は200億円以上といわれるほど。そこに突如訪れた「タイ沼」なるタイBLドラマの一大ブーム。だが、プロの目からすればこの流れは当然のことで、歯痒さすら覚えるものだった。
女性向けBL情報サイト「ちるちる」を運営する株式会社サンディアスの井出洋さんに、日本のBLコンテンツの現状とコアファン獲得につながる「正解」と「間違い」を聞いた。

──タイのBLドラマ「2gether」が日本でも大ヒットし、「タイ沼」と呼ばれるほどのブームになっています。この状況を井出さんはどのように見ていますか?

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2016年の「SOTUS/ソータス」というドラマがタイBLのはしりでした。この作品はYouTube で発信されていて、「ちるちる」ユーザーからも「タイBLのイベントを企画してほしい」という声が挙がるほど話題になりました。「SOTUS/ソータス」以降、数多くのタイBLドラマが生まれましたが、「2gether」のクオリティは圧倒的ですね。主役の2人とも、ビジュアルが良く演技もうまい。彼らのピュアな雰囲気も相まって、BLファンの心を掴んだことがヒットの要因だと思います。

最近では日本でもBLのドラマや映画が増えてきましたが、いちばん見たい部分が描かれなかったり、逆に過剰に描いてしまうなど、腐女子が求めるものとマッチしないことが多いですよね。タイBLはそれを抜け抜けとやり通す。日本のBLコンテンツでは満たされない腐女子たちが反応するのは当然のことと言えますし、歯痒さも感じています。

──日本ではドラマ「おっさんずラブ」(2018年)が予想以上の反響で、社会的な話題にもなりました。

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「おっさんずラブ」のラストで、田中圭さんと林遣都さんのキスシーンがあります。制作者としては「お茶の間的にヤバいかな」と思ってしまうところですが、腐女子の多くはそこを求めている。結局、田中さんと林さんの熱演のおかげで腐女子の思いが成就し、大きな反響につながりました。ラストシーンの描き方によってはそれまでの過程が全て台無しになってしまい、反発を受ける結果になっていたでしょう。

「おっさんずラブ」のヒットによって、潜在的なBLファンがいることは明らかになりました。リアルタイムの視聴率は決して高くはないとしても、イベントやグッズなどの展開でコアなファンが集まることは間違いありません。つまり、ビジネスとしての大きな可能性を秘めているジャンルなのです。制作者のこだわりも大切ですが、それ以上に、ファンが「求めるもの」を届けるというビジネス観点での作り手の覚悟が重要になります。まだまだ競合が少ない今だからこそトライする価値は大いにあると思います。

──今後、日本のBLコンテンツからヒットが生まれるために必要なことは何でしょうか?

腐女子の多くが見たい、イケメン同士のイチャイチャをいかに描くか。出し惜しみせず、行き過ぎない、絶妙なバランスがあり、言語化するのは容易ではありません。アニメ業界だとアニメファンの制作スタッフが必ず参加していますよね。BLコンテンツも同様に、腐女子の感覚やオタク的感性を理解できる人が制作陣にいないと成功は難しいと思います。前述の「2gether」のほか、中国の大人気BLドラマ「山河令」や「陳情令」など、腐女子が見たいところをよく理解して作られている作品から学んで、良い部分を取り入れていくという姿勢も必要でしょう。

腐女子の熱量は他ジャンルのファンとは一線を画していて、一人当たりの消費額もずば抜けています。「ちるちる」ユーザーへのアンケートで、BL関連の消費額を聞いてみたところ、1ヶ月平均消費額13,992円、年間では平均162,266円を消費していることが分かりました。

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参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000022111.html

一方で、デリケートなジャンルゆえ、世間の目を気にしていて、誤解されることを恐れている。BLマーケティングがいまだ確立できていないのは、「ユーザーの姿が捉えにくい」「リサーチしにくい」といった要因が影響しています。

私たちはそういった要因も踏まえつつ、「ちるちる」でのアンケートなどをもとにユーザーの姿を的確に捉える努力を続けています。最近はBLコンテンツのニーズに比例して、アドバイザーとして関わる案件も増えてきました。今後もニーズに応えられるコンテンツづくりの一助となれたらと思っています。

本記事のTIPS

・タイBLドラマ「2gether」のクオリティは圧倒的。日本のBLコンテンツでは満たされない腐女子たちが反応するのは当然
・腐女子の感覚やオタク的感性を理解できる人を制作陣に入れ、演出の絶妙なラインをすり合わせることが重要
・腐女子の熱量は他ジャンルのファンとは一線を画していて、一人当たりの消費額もずば抜けている

■PROFILE■
井出洋(いで ひろし)
長野県出身。2007年に株式会社サンディアスを設立し、2008年に女性向けBL情報サイト「ちるちる」をスタート。
商業BLのマーケティング、イベント企画のほか、オタク女性を対象としたサービス・事業のアドバイスを行うコンサルティング事業やウェビナーにも注力している。7月24日(土)、25日(日)にはBLファンのためのイベント「ちるちるフェスティバル2021」を開催。
https://sandias.jp/
https://chill2fes.com/

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Writer:龍輪剛
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