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聖母の青〜12月を彩るラピスラズリ



聖母子像の中でも、もっとも心和むラファエロ

目にも鮮やか、ラピスラズリの青で彩られたボッティチェリのマリア。


レオナルド・ダ・ヴィンチのマリア像は、静かだけれど強さを感じる。そして、いろんな表情に見えてくる。
少し怖いと感じるときもあるのは、何故だろう。


あなたは青い服ばかり選ぶよね、と、ある人に言われ、とても意外に感じたことがある。私は普段、白やベージュや淡いピンクを好んで着ているのに?…と。
思い当たるのは、その人と出会った時期に、濃い青のショールを持っていたことだった。
ラピスラズリによく似た色の。

爽やかな空色でもなく、南の海のような明るい碧でもない、青。
次第に彩りを失っていく冬の風景の中で、ひときわ、映えていたのだろう。色の記憶はその後も長く残るものらしい。


そういえば、かの有名な『真珠の耳飾りの少女』は、『青いターバンの少女』のタイトルでも知られている。
耳飾りに負けないくらい、青い色彩が目を引く。

ラピスラズリは不透明の宝石(鉱物)で、ウルトラマリンという顔料の原料になる。
かつて純金を超えるほどの高額で取引されていたその色を、中世の画家たちはどんな思いをこめて使っていたのだろう。

クリスマスと、12月の誕生石として挙げられることもある宝石ラピスラズリの連想ノート。




※このnoteは過去にShortNoteにて公開した記事に加筆修正したものです。

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