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映画を観るときに考えること

『犬も食わねどチャーリーは笑う』を観てからというものの、岸井ゆきのが気になる日々だ。
(結婚前に観て序盤でめちゃくちゃマリッジブルーにさせられ、そのあと最終的には結婚って良さげじゃん?と思わせてくれた大好きな映画です、おすすめ!)

そんな岸井ゆきのが、映画は自分が何者でもないことを改めて実感させてくれるから好きだと言っていた。
それはきっと映画は映画の話で、自分はこんなドラマチックに上下する物語の中にはない、日常をなんでもなくこなしているだけ、とかそういうような意味なのかなあと想像した。

私は映画でもドラマでも音楽でも、自分との共通点を探すのが好きだ
たとえ到底現実で起こり得ないような物語でも、私も主人公と同じように考えるなあと思えるのが気持ちいいし、失恋していない時の失恋ソングで、失恋したような気持ちになるのが好きだ。

それによって私は、私の人生もきっとこのくらいドラマチックで、私はいつも物語の中を生きているのだ!と思い上がるのが好きなのだ

現実、ドラマチックな出来事は起こらないわけではないけど、たまーにのことで、シーンが変わるごとに大事な出来事が起きるなんてことはないし、伏線だってそんなに張られていない。

ときどき「私今めっちゃ主人公!」ってときがあると思うんだよね、それでも。
仲のいい女友達とほんのり涼しい夜にカラオケではしゃいだ帰り道とか、とてつもなく天気のいい日のヒールを履いて会社に向かう朝とか、ちょっと嫌なことがあってしんみり帰る夜とか。

ほんとは私だってドンブラザーズの一員になりたかったし、大好きな伊藤健太郎とちょっといい感じになってみたりしたかったし、そうじゃなければスーパー弁護士みたいなのになりたかった。あと探偵とか。

でも、実際はみごとに平凡な日常を送っている。

でもでも、平凡な日常を送っているところから始まらない物語なんてないじゃん?

平凡だからこそ何かがはじまる気がする。
たぶんまだ始まってないだけ。
本気出してないだけ。

そんなふうにとにかくポジティブに、大好きな映画やドラマはわたしの未来だって思っていたいんですよね

もちろん、いい意味で自分の人生のありきたりさに安心する岸井ゆきののような楽しみ方のほうが、オシャレだなあと思っちゃうけど。

今夜はブラッシュアップライフの最終話をみながら、ワカサギの唐揚げをたべるのです、こんな夜もなんだかスッゴイ未来の予感に満ちているはず。

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