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【人材コンサルタント向け ITエンジニア採用ノウハウ】プログラミングテスト編

採用活動において、多くの企業が選考フローの中に取り入れている「採用テスト」。

面接前、一次面接の前、最終選考の前など、設けるタイミングは企業それぞれです。
もちろん必須事項ではないため、テストを設けず面接重視の企業もあります。

IT業界でも例に漏れず、プログラミング技術の度合いを測る「プログラミングテスト」を設ける企業があり、課すテスト内容や受験期間などはそれぞれです。

しかし「テスト」と聞くと、転職活動をするITエンジニアの中には
「難しかったらどうしよう…」
「自分の性格や強みなどの内面や人間性を見てもらえないのでは?」
と不安を抱える人も少なくありません。


そこで今回は、各企業でプログラミングテストを設ける理由やテスト事例、人材コンサルタントとしてできることについてお伝えしたいと思います!


(1)そもそもなぜプログラミングテストをやるの?


ITエンジニアはいわゆる「技術職」。プログラミングが出来なければそもそも就くことのできない仕事です。

企業のプロダクトやサービスなどによってプログラミング言語や技術レベルが違うため、候補者に最低限求める技術や能力は募集要項や採用条件に必須スキルとして記載しています(歓迎スキルも習得していると採用が有利になります)。


テストを取り入れる理由としては、

●書類だけはわからない技術レベルを把握するため
●自社に合うか合わないか見極めるため
●ポテンシャルを見るため

など。

履歴書や職務経歴書、ポートフォリオ、実際開発に関わったプロダクトなどがあると、その候補者のプログラミングスキルがどれくらいなのか理解することができそうです。

しかしそれらからわかるのは成果や結果。つまり、その人がその成果や結果を出すまでに

■他の社員とどのように協力したのか
■課題や問題が見つかった時にどのように解決したか
■どのようなコーディングでプロダクトを作成したか

といったプロセスは見えてこない、というわけです。

この候補者を社員として迎え入れた場合、企業側は結果よりこのプロセスの部分を多く目にすることになります。
仕事に向かう姿勢やセンス、課題への向き合い方など、プログラミング実務を通して候補者の仕事力を見る。
その仕事力が自社のカルチャーや開発スタイル、既存社員と親和性があるかを見極めるために、多くの企業はテストを導入しているのです。


(2)各企業で出題するテスト事例


実際にIT企業ではどのようなテストが出題されているのでしょうか?
JELLYFISHから求人募集している企業の中から事例をご紹介します。

1.求人票の必須条件に無い技術をテストする
必須条件の技術があればできることを出題し、取り組み意欲を測ります。
わからないことがあれば自分で調べたり、保有技術を応用したりと、課題解決力や伸びしろを見ることもあります。

2.テスト受験後、コーディングについてディスカッション
まず初めに課題に取り組んでもらい、次に企業側から、なぜそのコーディングを書いたのかなど、候補者のプロセスについて質問します。
論理的に説明できるか、どのようにテストに取り組んだのか、技術力だけでなくコミュニケーション力も測ることができます。

3.ライブコーディング
複数人で同時に画面が見れる状態の中で課題に取り組んでもらいます。
自分の好きな言語で与えられたタスクについてコーディングをしてもらうことがあり、正しくミスが無いコーディングよりも、複雑性や効率性を意識してコーディングできているかを測ります。
アメリカのIT企業ではよく出されるテスト傾向だそうです。

その他、TestDomecodebyteなどのテストサービスを使ったり、新卒採用でも使われるSPIやCABなどのテストを設けるところもあります。


(3)プログラミングテストを課すことのメリット・デメリット


選考でテストを設けるのは必須ではありません。
企業がどのような人を採用したいのか、なぜ採用したいのかなど、採用活動の目的によって課すか課さないかを決めます。

テストを設けることのメリットは「効率の良さ」と「ミスマッチ軽減」
具体的には、

◎自分の技術力をうまく伝えられない候補者の実力を測ることができる
◎候補者の好きなタイミングで受けられるため面接官になる社員の時間を拘束しない
◎実務に近いテスト内容だと、入社後のイメージを持ってもらうことができる
◎ポテンシャル(興味度、取り組み意欲)も見ることができる

など。

一方でデメリットもあります。一番多いのは「候補者の選考辞退」です。
その理由は

■選考工程が増えるため、候補者のその企業への選考意欲が下がる
■アルゴリズムや学生時代に受けたテストと似たような内容が出題されると「なぜこれを解かなければいけないのか?」となり意向が下がる

など。また、自社独自のテストだと企業側で準備しなければいけないため負担になる、という点も上げられます。


(4)コンサルタントとして企業側に提案できること

企業としては入社後のミスマッチや、選考中と入社後のギャップを減らすために取り入れたいテスト。

一方で候補者にテストを受けさせる目的や理由を十二分に説明しきれず、企業にとって有望な候補者を取りこぼすことにも繋がり兼ねません。

候補者側としては、せっかく紹介してもらい、志望度が高まっていた企業を泣く泣くあきらめることになります。
その企業の選考のために費やしてきた時間や労力が無駄になったと感じる人もいるかもしれません。


人材コンサルタントとして、どういう時に何をアドバイスできるのでしょうか?
方法は様々ありますが、ここでいくつか企業側・候補者に提案できる対策例をご紹介します!

【対企業:他社事例の紹介】
他の企業はどのような方法で技術力をチェックしているかを紹介します。
ただ手法を紹介するだけでなく、

●その方法を取り入れたことで選考を継続してくれる候補者が増えた
●そのテストを設けたことで入社後のミスマッチが減った

といった実績も交えると納得感が増し、なぜその手法を取り入れることがその企業の採用活動のメリットになるのかイメージしやすくなります。
その上で、その企業が現状行っているテストの見直しや内容変更を提案してみると良いでしょう。

【対候補者:企業のイメージアップ】
いかにして企業の魅力を伝え、低かった志望度を高く、高まっていた意欲を維持することができるかが、コンサルタントに求められる力量。
候補者が自力では集めきれなかったり、知ることのできなかったポイントを伝えることで、テストを「企業からの挑戦状なのでは!?」と思わせやる気を引き出すことができます。
例えば

●面接後にカジュアル面談の実施をお願いし、企業の魅力付けをする
●求人案内の際、または書類選考に合格したらすぐテストがあることを伝える

など、選考に進む前と後のギャップを少しでも埋めることで、テストを重荷に感じさせなくします。
なぜそのテストを通過する必要があるのか、しっかり理由付けをすることが大切です。


【対企業・候補者両方:テスト対策】
残念ながら落選してしまった候補者からはどういうテスト内容だったのか、
見送りにした企業からはなぜ見送りしたのか、しっかりヒアリングをします。
候補者から聞くことが難しければ、企業側に確認するのもいいでしょう。
テスト内容を踏まえ、技術が足りなかったのか、思考力が足りなったのか、成長の見込みが見えなかったのか…などなど。
できるだけ具体的にヒアリングしてポイントを引き出せば、次回同じ企業に別の候補者を推薦するときに活かすことができます。


まとめ


IT企業においてプログラミングテストは、候補者の技術面や仕事の能力面など、書類だけでは測れない技量を多角的に見るための手法。
記載されたプログラミング言語や求められるコーディングを書けるだけでなく、その候補者の仕事力やコミュニケーション能力など、その企業との親和性を測る目的としても設けられています。


一方で候補者にとっては企業の志望度を下げるきっかけになってしまうなど、転職意欲を削いでしまい、せっかく進んだ選考を辞退してしまうケースも。


コンサルタントとして両社の間に立ち、納得のいく採用活動と転職活動のサポートをするためには、過去の事例や自身の知見を活かしてそれぞれの課題や不安をできるだけ払拭することが重要です。


上記の他に「こんな方法でテストの出題方法を改善しました!」や、「こうしたことで候補者のテスト受験の意欲を高めました!」といった事例がありましたら、ぜひぜひコメントで教えていただけると嬉しいです!

引き続き、エンジニア採用関連のネタの投稿を続けていきますので、よろしくお願いします!

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