『ドイツ人はなぜ、年290万でも生活が「豊か」なのか』 ③
今回は第3章から。
『お金の奴隷にならない働き方』
キャリアについて色々考えたり、実際に就活をしている身としては、なんだかワクワクするテーマである。
また、自分のキャリアを考える上で、最も大きな影響を与え、実際にそれを軸に就活をするきっかけにもなった興味深い章である。
まず、そもそもの自分の価値観として『お金』というものは特段大きく重視していない。
これはまさに、本によるとドイツ人の考え方にぴったり合うのである。
ここでいうのは、月給が低い方がいいというわけではない。
もちろん、月給が高い方がいいのはドイツ人も同じである。
お金以外のものに価値を置いて生活しているということである。
まず一つの例として挙げられていたのが、静かな環境。
そして自然を満喫すること。
デュッセルドルフに住んでいた時も、日曜に掃除機をかけると怒られるとか、騒音に関しては結構厳しかった印象がある。
そしてフランクフルトに滞在していた時休日に見た光景は、マイン川沿いを散歩したりランニングしたり日光浴をしている人々。
デュッセルドルフも同じで、ライン川沿いで夏にはみんな自転車を漕いだり、BBQをして過ごしているドイツ人をたくさん見かけた。
自分もこのような経験から、都会で休日を過ごすのは全くない。
休日に行きたくないエリアは、渋谷、新宿、池袋と言って、周りの友達から定期を交換してくれと言われたことがあるくらいだ。
実際、プノンペンにいるときは基本的に静かなところへと避難する。
気に入った場所は、Prek Leap とKien Svay。
次に挙げられている例は「自由時間」。
給料を多く得るために、自分の時間を削りたくないと考える人が多いそう。
本の中で素晴らしいメカニズムが紹介されていた。
企業や店は過剰にサービスを提供する必要がないので、労働者や店員は負担が軽くなり自由時間が増える。また、過剰なサービスをなくせば、企業や店は人件費を節約でき、商品やホテルなどの価格も割安にできるので、生活にかかるコストも小さくなる。つまり、サービスをあえて低水準にすることによって、お金に振り回されない生活を可能にするメアニズムがあるのだ。それによって働くものにとっては労働時間が短くなり、消費者にとっては物の値段が格安になるという利点が生まれる。
ということである。
まさにその通りだし、素晴らしいなと感じた。
このようなことに価値を置くことで、お金の奴隷にならずにほどほどの生活で満足している人が多いというのが著者の意見である。
そして、ドイツでは新しい通貨が「自由時間である」という声も上がっているらしい。
「月給が増えなくても、家族と過ごす時間が増えればいい」と考える人が増えてきているということになる。
まさに、自分もそこに価値観を置いていて、生きていく上で大事にしたいと思っている。
また、本の中では長期休暇について書かれていた。
実際に夏にドイツでインターンしていた際も、社員の人たちは何ヶ月も先の休暇をみんなで調整し合っていた。
まとまった休暇を取るのが当たり前のドイツでは、2~3週間単位で休暇を取る人が多い。
インターン先の社員の人も、休暇で2週間の日本旅行に行って最後の挨拶ができなかった人もいた。
そして、これは社員みんながやることであり、休暇を取ることが権利であると考えているため、お互い様であるという意識があるらしい。
そのため、休暇をとっていることへの罪の意識などはほぼないという。
日本ではどうしても、長期で休暇をとったり、帰省するとどこか申し訳ない気持ちをアルバイトの身でも感じる。
さらには、休暇先のお土産を書いて、「お休みありがとうございました」とメモに書いておく習慣が自分のバイト先にはある。正直理解に苦しむ。
さらに筆者は、ライフ・ワーク・バランスが改善され、休養を取れれば「他人にも休む権利がある」と考える心のゆとりが生まれるのではないか、と述べている。
確かにその通りだと感じる。
自分に余裕がないから、他人のことを考えられず、批判したり、文句をいう人が多いと感じる。
自分の心に余裕を持てれば、人のことを良く気にかけることができるようになると思う。
そうすれば、みんなでちょっとの不便も我慢し合って、最終的には自分にも、利益が回ってくる。
だから、ドイツのように自分の時間を確保しながら働きたいと思う。
それが転じて、海外就職も視野に入れ始めたというわけである。
ドイツの働き方は、このようにして自分のキャリア形成にとてつもなく大きな影響を与え続けているのではないかと考える。
次は第4章。
『ドイツ人はお金をかけずに生活を楽しむ達人』
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