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花束みたいな恋をした

イオンのワンデーパスで観ました。

これは恋人と観に行ったらダメなヤツです。
私は4年目の恋人と行って、終わってからトイレ行くまでなんとも言えない空気になりました。

“男の子は女の子から花の名前を教わると、その花を見るたびにその子のことを思い出す”

“花(思い出)”が集まりすぎて花束みたいになってしまった2人の話でした。
“花束”を持っている(持っていた)人には絶対刺さると思います。

ここが好き、って
好きになった頃、付き合い始めた頃はそこだけなんですけど、月日が経つにつれて“ここが”って部分が外れて“好き”になるじゃないですか。
好きというか。愛というか、情というか。
好きが部分部分だったのが、全体にまわっていって、たとえ好きだった部分が変わってしまっても手放し辛くなるんですよね。

そうすると、どうやって別れたらいいのかわからなくなる。
このまま惰性で付き合っていていいのか、別れたいのか、どうしたいのかすらわからなくなる。

このまま付き合っているのも苦しい、でも相手を傷つけたく無い、という想いが積み重なって、平行に続いてたはずの線が段々と交差して離れていってしまう。

元々似たモノ同士だから、考えていることもリンクしていて、何も言わずともお互いの息苦しさがわかってしまう。
これはこの作品のある意味で要になっている部分だなと思っていて、
最初は、
考えていることがリンクする=私たちめちゃくちゃ気が合うじゃん!!
と喜ぶポイントなんですが、これはつまりマイナスなこともリンクしてしまうわけで、、、

この変化の描き方がめちゃくちゃ上手いなと思いました。
序盤で嫌というほど見せつけられて、それぞれのナレーションでも印象付けられて、そして別れる原因に持ってきている。

リアリティとフィクションのバランスが良いからわかりやすく、入り込みやすいんだなと。
終電で出会う、とか、別れ際いつもの席に昔の自分たちみたいなカップルが座ってる、とか。
現実じゃそうそうあり得ないことだけど、演出として違和感なく組み込めるように、計算されている感じがしました。

ぜひ没入感ある映画館で観てください。

最後に、メインキャストが菅田将暉と有村架純ということで、映画好きが敬遠する実写版映画だと思われそう(私は思ってた)ですが、完全オリジナルだそうで。
菅田将暉も有村架純もめちゃくちゃ良い演技してたので、ナイスキャスティングだけど、マーケティング的にはもう少しオリジナルというところを推していただけると、映画マニア的な人も見てくれるんじゃないかなあと思いました。

今年のベスト映画です。

追記
数日この映画のマーケティングについて考えてたのですが、いままで“映画好き”にしか届かなかったサブカル映画をマスに売り込んでヒットさせたってことで、かなり大成功なんじゃ……?と思えてきました。

“映画好き”としてはなんだか悔しいけど、今まで売れないとされていた、“映画好きのための映画”をヒットさせたのが敏腕だなあと。

しゅごい。
観てください。

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