ドストエフスキー著 「死の家の記憶」を読んで

著者の獄中体験記、のような本。
実際に体験したことをもとに書いているだけあって、人物描写は非常にリアルで生々しい。獄中に行ったことはないが、そうだよな、そうなるよな、と何故だか妙に納得してしまう。

内容は主に、出会った人々と起きた出来事が綴られているだけだが、あまりに非日常的なので、普通の感覚からするとそれが既に面白い、癖が強い人が集まりすぎているというか…。そもそも各地で癖が強すぎて爪弾きにされてる人たちが集まっているのだから、面白くないわけないのだが。(だからと言って、実際に行きたいわけでは無いが)

著者は仲間のいない孤独と、自由の無さが辛いと描いている。それは監獄によっても違うだろうが(作業がひたすらに辛い所もあるだろう)。仲間のいない孤独は監獄の外でも同じだし、自由の無さという点でも、相互監視社会では同じではないだろうか?だとしても監獄の外では一人きりになれるわけだから、それだけでも全然違うんでしょうけどね。

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