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文章力の低さを気にするあなたへ。

うわっ…私の文章力、低すぎ…?

……古いね。
いきなり冒頭に書いといてなんだけど、知らないんじゃない? 今の若い人。
俺ですら古いって思うぐらいだから。これ流行ったのだいぶ前だよ。

念のため説明しておくと「うわっ…私の年収、低すぎ…?」っていう見出しの転職広告が昔流行ったんだよ。まあ改変ネタがしやすいっていう意味では悪くない広告だったんじゃないかな。知らんけど。

というわけで(何がというわけなんだ?)
文章力の低さを気にする人向けに講座みたいなことをしたいと思います。
良かったら読んでね。

説明過剰 or 説明欠乏

説明が多すぎるか、もしくは少なすぎる。
文章力が低いと悩んでる人の多くはこの2つのどちらかに属すると思う。
なぜならこの2つのタイプを実際によく見かけるから。
まあ他にも色々とあるんだけど、とりあえずこの2つについて今回は書いていこうと思う。

説明過剰とは?

執筆初心者にありがちなんだけど、とにかく文章を細かく書こうとし過ぎてしまう……。
まず風景描写。天気だとか場所だとかの情報を多めに書きがち。
次にキャラクターの一挙手一投足。身振り手振りを事細かに書いちゃう。
あとはモノローグとかかな。長いものはあまり見ないけど、しつこいくらいにセリフとセリフの間に緩衝材のごとく詰め込まれやすい印象。
もうこの時点でぶっ刺さる人、いるんじゃないだろうか。
まあ作家でも書くけどさ、こういうの。

「作家を参考にして書いてんだからこれでいいだろうが!? おおん!?」

とか言われそう。
なので、次はどうして過剰なのかを説明するよ。

優先度の低い情報

上記で挙げたものは説明の優先度が低いことが多い。
あまり読者が読みたい・知りたい情報ではないから。
しかし初心者はこういった優先度の低い情報から先に描写してしまう傾向にある。
これにはいくつかの原因があって、一つは「不安」だから。
なるべく当たり障りのない文章を書くことで、安定を得ようとしてしまう。
文字を書けば書くだけページが先に進むので、これで「話が進んでいる」と誤解してしまう。
でも「ページが進む=話が進む」ではないので、これで安心してしまうとドツボに嵌まる。
(まあ実際に話が進んでいるかいないかの判断も結構難しいんだけど「その部分の文章」を無くしたとしても支障がないかどうかが目安になると思う)
読者からすると不要な情報を書き手の都合で読ませていることになるので、多少不安でも優先度の低い文章は削らないといけない。

あと似たような理由で、順序立てて説明したいという心理がある。
前提となる情報を先に提示し、その前提を元に描写をしたいという心情。
「順序立てて説明することの何が悪いのか」と思うかもしれない。
しかし人というのは先に結論を知りたがる生き物なので、まず最初に結果を書くように心がける。(これは話のオチから書け、という意味ではない)
文章というのはある程度前後の文章とつながっていて、いくらかの文章がまとまって一つの塊になっている場合が多い。
この塊で説明したい出来事が大抵あるはずなんだけど、それ先頭に持ってくる。(これが先ほどの「優先度の高い情報」となる)
こうすることによって、順序立てて説明するよりもかえって読者が文章を理解しやすくなるという効果がある。
更に「先に結論を言ってしまっているので説明のいくらかを省略することが可能」という場合があって、優先度の低い情報をより多く削れるという効果もあったりする。

注意点

話の流れで、下記の情報の優先度が高い場合、というのが当然ある。

まず風景描写。天気だとか場所だとかの情報を多めに書きがち。
次にキャラクターの一挙手一投足。身振り手振りを事細かに書いちゃう。
あとはモノローグとかかな。長いものはあまり見ないけど、しつこいくらいにセリフとセリフの間に緩衝材のごとく詰め込まれやすい印象。

この例は優先度が低いにも関わらず描写されることが多いので挙げたものであって、注意すべきなのは、参考にした作品では必要だった描写が、今書いているこの作品のこのシーンにおいては不要な描写になりうるということ。
仮に必要な内容の描写だったとしても「事細かな描写」は不要、という場合もかなりある。余計な修飾や丁寧過ぎる表現も説明過剰に含まれるので注意して欲しい。

そろそろ説明過剰についてはいいだろうか。
次は説明欠乏について。

説明欠乏とは?

書き手の頭の中では文章の意味が通っているんだけど、読者の視点では意味が通っていない文章というのが結構ある。
これは書き手が読者に提示した情報と、まだ提示していない情報が混同している時に起きる。

あとはただ単に推敲(読み直し)が足りていない場合。
むしろこっちのほうが理由としては多い。
「ちゃんと推敲しなさいよ」で終わっては講座の意味がなくなってしまうので、とりあえず情報の提示ついて書いてみることにする。
(重ねて書くが、マジで推敲はちゃんとしよう)

提示する情報の量

先ほどの問題で、提示した情報と提示してない情報を整理してメモにすれば混同は起きない、などと安易に考えてはいけない。
というかメモに起こさなくては整理できない情報を作品に使用するべきではない。(というのが俺の考え)
読者はあまり大量の情報を正確には記憶していられないし、記憶することを書き手が強要するものでもない。
ただ普通に読む読者と、考えに考えて書く作者とでは記憶の定着率が異なることも注意しておきたい。

読者も書き手もメモなしで十分に憶えられる程度の情報量に抑えるのが一番いいと思う。
話が複雑になりすぎないし、設定のミスもかなり減る。
実際シンプルな話なほど説明欠乏を見る回数が少ないし、仮に文章に欠けがあったとしても、脳内で補完が利くので致命傷にならない。

終わりに

思ったよりもためになる話が書けなかった気がする……。
でも少しぐらいは誰かの文章力の足しになってくれると信じてこのまま投稿する。

ノシ

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