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読書記録「蜜蜂と遠雷」

▼読んだ本
「蜜蜂と遠雷」
・恩田陸 さん
・幻冬舎
・2016年

簡単なあらすじ

国際ピアノコンクールに関わる人々のお話。
音楽やピアノ、コンクールを通して、お互いに刺激を与え合い、前に進んでいく。

感想

 私もピアノを習っていたことがあり、弾くのが楽しい、とは思うが、ピアノの演奏を聴いて様々なことを感じる、という経験はしたことがない。小説では実際にピアノの演奏を聴くことはできないが、言葉で音楽を表現してある部分がとても豊かで、音楽も言葉も”人に何かを伝える”という点では同じなのだと思った。

 ピアノコンクールでは、コンクールに出る人々、審査員、メディア、関わる多くの人々がいる。特に、コンクールに出る人々が、お互いの演奏から影響を与え合い、コンクール中にも成長していく姿が印象的だった。ピアノは一人で弾くものだが、それぞれが音楽に対する想いを持ちながらも、人と人とが刺激を与え合い、それぞれの演奏に昇華させていく。これはピアノや音楽だけではなく、人生など様々なことにも言えるのではないかと思った。

 そして、このコンクールでおしまいではなく、一つの通過点であり、はじまりである、というのがとても好きだった。この小説に出てくる人々が、この先どんな人生を歩んでいくのか楽しみであり、この物語に出会えて良かったと思う。

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