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採用面接の工夫と気付き

2018年と2019年は組織変更の影響もあり、結構な人数と面接を行った。その中で、個人的により効果的な面接を目指して取り組んだことを書いてみたい。

<効果があったと思うこと ケース問題>

コンサルで取り入れているケース問題は、面接をする側にとっては本当に便利だということが分かった。僕の場合は、基本的な財務会計・税務の知識を問う問題、ファイナンス系の問題、システム導入のPJTに関する問題等、30分くらいかけて解く問題を作った。

解いてもらった後に回答を見たうえで、改めて職務経歴書を読むと、職務経歴書の内容をどのような視点、どのくらいの信頼度で読めば良いかがクリアになる。例えば、ある程度経験を積んだ人を中途で迎え入れる場合を考える。「M&Aの財務DDに関与していた」と記載があったとして、それを自分一人でこなしたのか、サポートを得ながらやったのか、どのくらいのサポートをもらったのか等、一つ一つの項目を詳細に聞いている時間までは取れない。取っても良いかもしれないが効率性に欠ける。そういった場合に、もしケース問題で財務DDの際の動き方を判断するようなものを組み込んでおけば、本人に説明してもらわずとも判断ができる。

また、もう一点、上記DD等に限らず「動き方」は組織の中ではとても重要だと思う。例えば何か特定のPJTを想定し、どんな準備をしてどんな報告を上司にするのか、といった内容のケース問題を用意しておくと、実際に働いているときの仕事の進め方や考え方等を垣間見ることができる。

自分自身も他社の中途採用面接を何回か受けたことがあるが、コンサルファームは中途でもやはりケース面接が出たし、事業会社ではそういった類のもの出てこなかった。

<学歴による判断>

ケースバイケースだろうが、中途・新卒に限らずとても仕事ができると感じる人は、東京大学出身であるということが多い。数字を扱う部門だから、結構座学と仕事が直結する部分が多いという事も要因のひとつかもしれない。もちろん、勉強ができてプレイヤーとして優秀な人物だからと言って、組織内での昇進や報酬と直結しないこともある。とはいえ、やはりある程度学歴を見てしまう点は否めない。ただ、海外MBAホルダーに関してはなかなか判断が難しいこともあり、今回は敢えて考慮しない。

また、学歴による判断は、一定規模以上の事業会社において、より有効であると思う。結局、既存産業でのビジネスには一定の正解があり、だからこそMBAホルダーのようにビジネスを学んできた人が活躍出来る余地がある。市場を分析し、自社・顧客・競合を分析し、一定の仮定をおいて定量的な判断基準を示して社内でプレゼンしてプロジェクトを進めれば良い。

一方で、スタートアップは必ずしもこれが当てはまらないだろうと思う。新規市場において、どんな商品・サービスが正解かわからない中、品質もミニマムで、どのくらい儲けられるのかもわからない、そういった状況でもスピード感を持って事業を推進しなければならない。つまり正解をいかに素早く正しく導くかの勝負ではないため、必ずしも学校で培ってきたベースで判断できない。

いずれにしても面接をする側も社内での説明責任があるので、学歴のようなわかりやすいアピールポイントがあると進めやすいという事は間違いない。


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