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新しい商品の開発-水族館の既成概念をぶち壊す②
皆さん、こんにちは!
JCEL株式会社 代表の三坂です。
前回の私の記事では、「新しいマーケットの創出」と題して、非日常を日常に、水族館の公園化計画についてご紹介しました。
今回も続きのnoteになります。
まだご覧になっていない方は、前回の記事も併せてご覧ください!
興味のない人に、価値を届ける
「水族館の公園化」の方向性は決めたものの、具体的なテーマが必要です。
普通の人に水族館に来て欲しい。
「魚に興味がない人が水族館に足を運ぶ」というのはどういうことか?
水族館というのは一応「魚の展示」がメインコンテンツ。
自分自身の日常でメインコンテンツに興味がないのに足を運ぶ場所は…
「ミッキーマウスは別に好きではないけど、ディズニーランドは何だか楽しいなぁ」
「珈琲は飲めないのにスターバックスは良く行くなぁ」
特段意識していなかったのですが、どうやら私にとってこれらの施設の共通点は「居心地の良い空間」だったのです。
極論を言うと、私にとって「ミッキーマウスの居ないディズニーランド」も「珈琲が飲めないスターバックス」もまったく問題ありません。
きちんと空間とサービスがデザインされていて、そこに居ること自体が心地良いことに価値を見出していたのです。
ここからは、プランニングを進めながら常に
「そのサービスはディズニーランドだったら実施する?」
「その空間デザインはスターバックスで採用する?」
といった具合に自問自答していきました。
開業へのカウントダウン
最早、水族館を創っているという感覚は無くなっていました。
でも、ディズニーランドやスターバックスを創っているわけでもない。
「自分は何を創りたいのだろう?」「新水族館のテーマは何だろう?」を問い始めました。
明確な答えは見つからないまま、開業へのカウントダウンは進んでいきます。
サービスとデザインの方向性は見えたものの、そのことを言語化することが出来ないのはとてもストレスです。そもそも、そのことが「年間入場者数180万人」に繋がるかはまったく確信がないわけですが、共通言語化しないことには組織全体に浸透させることは到底不可能です。
水族館の本当の魅力
そんな悶々とした中、施設の工事は着々と進み現場責任者の私は毎日の業務終了後(日によっては真夜中)に工事の進捗を見て廻るのが日課でした。
開業数ヶ月前のある日、大水槽が完成し水と展示生物が入れられました。
私はその日も業務終了後に館内を巡回…特に意識してなかったのですが水の満ちた大水槽の前で立ち止まっていたようです。魚名版も未設置なので泳いでいる魚が何なのか知る由もなく(恐らく魚名版があっても見ないでしょうが)。
気が付くと1時間余りが経過していました。その日は慌てて事務所に帰りましたが、翌日も大水槽の前で気が付くと1時間余り。
「これ、水を見てるんだ!」と気付きました。
水族館の魅力は「水」。「水のある空間」を提供することを心に決めました!
(続く…)
JCEL株式会社 代表取締役 三坂伸也
三坂伸也の略歴
一級建築士
早稲田大学理工学部を卒業。
1985年大成建設(株)入社。
1989年オリックス(株)入社。
オリックス不動産(株)水族館事業部長、オリックス水族館(株)常務執行役員を経て、2014年12月オリックス水族館(株)代表取締役に就任。
京都水族館(京都市下京区)、すみだ水族館(東京都墨田区)の開発・運営責任者として陣頭指揮を執る。
2019年 2月JCEL(株)設立、代表取締役社長に就任
JCEL株式会社
国内で常に新たな水族館の形に挑戦をしてきた三坂伸也が代表を務めるJCEL株式会社。満を持して海外へ進出、「水族館の公園化」