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現代アートと水族館-都市型水族館への挑戦 #05

皆さん、こんにちは!
JCEL株式会社 代表の三坂です。

前回の私の記事では、「絶対に諦めないチーム」と題して、都市型水族館の理想と現実の壁についてお話しました。

まだご覧になっていない方は、前回の記事も併せてご覧ください!

理想のコンセプトと現実のコンテンツ

東京スカイツリータウンの水族館のキーコンテンツであるペンギンプールのデザインは関係者のご尽力により私のイメージ通りに進捗していきました。

メインが固まってきたことによって全体のプランニングも順調に整理されていきました。ただ一つを除いて…。

私は、従来の大型水族館は「百貨店」、今回の水族館は「セレクトショップ」と定義付けしていました。

そこに行けば何でも揃っている「百貨店」に対して、少ない品揃えだけど明確なコンセプトを打ち出しアプローチする「セレクトショップ」

なので、今回の水族館に於いて最初の展示はとても重要だと考えていました。単なるプロローグではなく、この施設のコンセプトを象徴するものに仕上げたいという思いでいっぱいでした。

最初の展示ゾーンを検討するために世の中の水族館での展示すべてを当てはめてみましたがどれもピンときません。

試行錯誤が数か月続き、遂にスタッフからは、
「もうこれ以上の展示コンテンツは存在しません。」(もういい加減にしてください!というオーラを放っていました)

私はスタッフの意見を素直(?)に受け入れ「既存の水族館では扱わないコンテンツにしよう!」と決めました。

現代アートと水族館

最初の展示は「現代アート」にすることを検討しました。コンセプトを表現するには「アート」が適していると考えたからです。

しかし、いろんなアーティストと協議していても新江ノ島水族館の大水槽で感じた感覚を表現するイメージには至りませんでした。

「美しい水、その水に引き込まれるような世界観」

そんな表現を探し続けました。

ある日、スタッフから
「美しい水を小さな『水草水槽』で表現する人が新潟にいるようです。その人はアクアデザインアマノの天野さんと言って、水草水槽の人気が高い東南アジアでは『AMANO』は『HONDA』と同じくらい有名だそうです。」
との情報を入手しました。

水草水槽って、熱帯魚屋さんの片隅にあるやつ?
ちょっとオタクっぽいけど検討材料のひとつとしては面白いかも。

興味本位で新潟までその人物に会いに行くことにしました。(つづく)


JCEL株式会社 代表取締役 三坂伸也

三坂伸也の略歴

一級建築士

早稲田大学理工学部を卒業。
1985年大成建設(株)入社。
1989年オリックス(株)入社。

オリックス不動産(株)水族館事業部長、オリックス水族館(株)常務執行役員を経て、2014年12月オリックス水族館(株)代表取締役に就任。

京都水族館(京都市下京区)、すみだ水族館(東京都墨田区)の開発・運営責任者として陣頭指揮を執る。

2019年 2月JCEL(株)設立、代表取締役社長に就任
JCEL株式会社
国内で常に新たな水族館の形に挑戦をしてきた三坂伸也が代表を務めるJCEL株式会社。満を持して海外へ進出、「水族館の公園化」