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メタバースとは?

皆さんおはこんばんにちは!
(4209文字/約5分で読めると思います)

オリンピックが着々と進んでいる日々ですが、ほとんどテレビを見ないので、たまに流れてくるTwitterの速報なり、インスタストーリーから情報を得ているんですが、外出しても何かしらの競技に出くわすこともないので、あれ本当に自国開催してるんだっけ・・?と懐疑的になってきた今日この頃です。(実は全部ファンタジー説)

そんな感じで、TLを眺めていると、下記プレスリリース(って言ってみたかった)が流れてきました。

GREEが子会社「REALITY」を中心として「メタバース」事業に参入し、グローバルで100億円の投資、数億ユーザーを目指すという発表です。FBも先月辺りに今後5年以内にソーシャルメディア企業から「メタバース企業」へ移行すると述べた矢先の出来事です。


個人的には超胸熱な展開なんですが、周りの人はへーっと言った感じだったので、頑張って説明しようとしたものの「ほら、もう一つの世界みたいな、Ready Player One みたいな世界観が日本発で実現されるんだよ。。!」程度のことしか言えず、なんだかんだ自分もメタバースのことを分かっていないので、これを機にしっかりと理解しようと思い立ち、書いてみようと思います。

ちなみに書く前の理解としては、現実世界とは別に、自分が理想通り振る舞えるアバターが現実世界と同じ規模感で展開されている仮想空間で自由に行動できる世界、、くらいのイメージなので、元々の成り立ちや、今後の展開なども見てみようと思います。

メタバースとは何なのか?

「メタバース」という言葉がどこからできたのかというと、SF作家であるニール・スティーブンスン氏が1992年に出版した小説「スノウ・クラッシュ」がそのオリジナルと言われています。

この小説内における電脳空間は現実世界とは別に存在し、全長が地球の円周よりも長い65,365kmで、NYCの人口(約850万人)の倍の人数がアクセスしています。そこに主人公たちがゴーグルとイヤフォンを装着してアクセスするという設定なのですが、この空間が作中で「メタバース」と呼ばれていました。

題名にもある「スノウ・クラッシュ」というのは、電脳空間に現れた新種のコンピュータウィルスであり、使用すると電脳空間内だけでなく、現実世界での肉体にもダメージを与える危険なドラッグなので、このウィルスからメタバースを守るために主人公が奮闘する、というのが主なストーリー展開です。

1992年というと自分が生まれる3年前ですから、インターネットもまだ整備しきれてない時代にここまでの世界観を想像できているニール・スティーブンスン氏の先見の明もさることながら、この世界観がそう遠くない未来ではないというのも興奮してしまいますね。

この「スノウ・クラッシュ」を元として構想が練られたのがあの「セカンド・ライフ」だったと言われると合点が合うと言いますか、そりゃそうだよな感があります。

「セカンド・ライフ」というのは、Linden Lab社より2003年からスタートした、仮想空間内での交流を目的としたサービスで、ユーザの仮想空間内の姿であるアバター同士で物品やサービスの売買がゲーム内の通貨で行われるのが特徴といえます。

セカンド・ライフ内で稼いだ通貨を現実の通貨に換金できることから大きく話題になり、サービス自体は今でも継続中らしいですが、(調べてみると衰退、クローズなどネガティブな記事も多くありました汗)アクションゲームなどと違って、ミッションもなければ、倒す敵も指定されていないので、特に目的がなく自由に過ごせるというのがメタバースの一つの特徴と言えそうです。

こうしてみると語源は1992年の「スノウ・クラッシュ」で、その概念を実現したサービスは2003年「セカンドライフ」で形にはなっているので、全くもって新しい考え方が到来してきた!というわけではなさそうです。ではなぜ今になってここまで盛り上がりを見せているのでしょうか?(個人的には大盛り上がりですが温度差はあると思います笑)

価値観の転換期

大きな理由の一つに、デジタルに対する価値観の転換が進んできたという点が挙げられそうです。

自分のnoteでも度々言及していることかもしれませんが、NFTでデジタルスニーカーが140万円で売れたり、フォートナイトで、トラヴィス・スコット、アリアナ・グランデらがバーチャルライブを敢行したりと、人類の価値基準がフィジカルなものから、どんどんデジタルへと拡張していっている気がします。

目に見える形の絵画しか売れない時代から、Beepleという作家(75億円でデジタルアートが売れた人)が誕生し、本は物質的に手にとれないと売れない時代から有料noteが誕生し、本当に価値があればそれがフィジカルかデジタルかというのはさほど関係ない時代にじわりじわりと入っているのではないでしょうか。

スマホが普及したことや、インターネットの整備といった技術進化の側面もありますが、加えてコロナによってデジタルに移行せざる負えなくなったサービスや商品が増えたことも、この価値観転換に拍車を掛けていると思います。

これらの転換期というのが、どのタイミングで、どれくらいの速さで浸透するかは分かりませんが、iPhoneがリリースされたのが2007年とすると、ほんの十数年でここまできており、名だたるIT企業がメタバース事業への参入を表明しているこの現状を鑑みればそお遠くない未来ということが言えそうです。

現状どんな感じ?

では、今の技術レベルではどこまで実現できるのか?という話ですが、フォートナイトやマインクラフトもある種の仮想空間を提供しているという点においてはメタバースに近いかも知れません。しかし、”相互運用性"性おいてはまだまだ真のメタバースとは程遠いという言い方になってしまいそうです。

下記記事がとても分かりやすかったのですが、メタバースについて以下のように説明されていました。

 メタバースでは、ユーザーは自分でコンテンツを作成し、広くアクセス可能なデジタル世界で自由に配信できるのです。現代のインターネットとは異なり、メタバースのユーザーは、すべてのユーザーによる変更をリアルタイムに経験することになります。
 ユーザーがメタバースに何らかの変更を加えた場合、その変更は永続的なものとなり、ほかのすべてのユーザーがすぐに見ることができます。

このように、誰かが加えた変更は全てのプレイヤーに影響し、永続的なものになるというのがメタバースの特徴ですが、マインクラフトで作成したものをフォートナイトの世界に持っていくことはできませんし、フォートナイトのキャラクターをマインクラフトのの世界で戦わせることもできません。このような各プラットフォームの相互運用性というのが課題の一つとして大きいそうです。

ソニーはプレステ以外のゲーム機を使用しているプレイヤーともゲームを楽しめる、クロスプレイ対応のタイトルを増やす方向に動いており、これからはゲームタイトルを保持しているプラットフォーム側がコンテンツ周りの権利を解放するのかどうかが鍵になってきそうです。

技術的視点では、GPSやセンサー精度の向上を受けて、仮想世界にいながらもリアルな情報や体験を共有しやすくなっていたり、ブロックチェーン技術の発達によって、仮想世界内でも使用できる通貨ができたりと前向きな側面もありますが、現時点のネットワークとコンピュータの能力では、何百万人ものユーザが同時にリアルタイムで体験できる永続的なメタバース世界を運用するということはまだまだ現実的ではなさそうです。

とはいえ、技術は後々追いついてくることを考えると、絶対に実現しないと断言することはできなさそうですし、グラデーションのように気付いたらメタバースの世界観が現実と共生しているかもしれません。

先程のDIGI DAYの記事では、メタバース誕生について以下のように触れていますが、未来のユーザーは単にそれをインターネットの延長線上として理解するかもしれないとも述べており、まさにこの瞬間というよりも気付いたらみんな当たり前のように現実とメタバースを行き来しているようになるかもしれません。(気付いたらみんな磁気定期券ではなくPASMO・SUICAを使うようになっていたような感覚)

インターネットが、決められた順序で各部屋を簡単に見ることができるアパートの動画ツアーだとすれば、メタバースはアパートそのものです。まだそこには住んでいないかもしれないですが、私たちはすでに賃貸契約を結んでいるのです。

デジタル価値への比重は重くなっていく

メタバースの語源からこれまでの成り行き、今後の可能性についてざらっと見てきましたが、メタバースそのものの実現時期・可能性はまだ見えにくくても、人々の価値観がデジタルへと拡がっていくということは不可避のように思えます。

コロナウィルスによって人類全体がデジタル・オンライン化を余儀なくされた結果、「あれ これデジタルでも面白いし価値があるくない?」という気付きも増えて、気づけばデジタルデータがフィジカルの物の値段と同じような感覚で扱われ、取引されています。

「いやいや、とはいえいきなり世界は変わらないでしょ。」という感覚もどこかにあるとは思いますが、スマホが出る前に公衆電話がなくなることや、電話番号を持っていなくてもLINE通話ができるということは、実現前には誰も考えられなかったわけで、往々にして変わってから気付くものなのかもしれません。

個人的にはReady Player Oneみたいな世界観がもしできるとしたら、それはそれでワクワクするので、とってもウェルカムなのですが、何事も先行者利益というのはありますし、全く関わることのできない職種という訳でもないので、ここら辺には今後もアンテナを張っておきたいところです。

知らないことは背傷反射的に否定するのが人間ということで、NFTやらメタバースやらと色々調べてはいますが、言葉として理解していても、手触り感を持って体験しないとなかなか自分事として捉えにくいなぁと書きながら思ったので、少しずつ自分も体験しようと思います。とりあえずやってみよう精神でいこうと思うので、やってみてあれなんか違うかもってなったらまた共有させて下さい!笑 ではまた!


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