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189 対照的な2つの記事。スナックミーといきなりステーキ。(稲田)2022/8/17

たった1人の「熱量の高い声」を聞き続けて成長、おやつサブスク「スナックミー」が語る「真のユーザー」理論』というnoteがすごく面白かったです。


おやつサブスク『スナックミー』

特に下記が印象的でした。

スナックミーは、ペルソナをつくらずに、市場規模やデータから考えずに、ずっと「熱量の高い方」の声を拾って、方向性を決めてきました。

ユーザーインタビューは初期から続けていて、とくに方向性で迷ったときは、お客様に立ち戻ってめっちゃ話を聞くようにしています。

例えば、方向性を「モノかコトか」で迷った時期があって。このときにも、ユーザーインタビューを続けて、サービスの価値を改めて考えました。

例えば、なぜ使っているのか聞いたとき、「無添加のおかしを探していたんですよ」となれば、モノ自体に価値があることになります。
一方で「遊び場のないところに住んでいて、これが月一の楽しみなんです」となれば、ワクワクするような体験に価値があることになります。

実際のところ「コト」に価値を感じている方が多くて、迷った上で体験のほうに振り切ったことは、大きなターニングポイントになったと思います。

https://markelabo.com/n/naf77043ef89c


ユーザーとの腰の据わった向き合い方には感動してしまいました。信念と勇気と分析がミックスされている。希有なサービス運営だと思います。

たまたま読んだ、『いきなり!ステーキはなぜここまで凋落したのか』の記事と合わせ読むとその特異性が際立つように思えました。


『いきなり!ステーキはなぜここまで凋落したのか』より引用

2018年の既存店売り上げ減少、2019年の赤字転落という逆風の中、ペッパーフードサービスはいきなりステーキ事業の立て直しのためにさまざまな手を打つのですが、その中でも転落を決定づけたのではないかと言われるのが「肉マイレージ制度」の改悪です。

累積グラム数によるランクアップ制度を廃止
2020年12月にいきなりステーキは肉マイレージについてそれまでの累積グラム数によるランクアップ制度を廃止して、半年間の来店回数に応じてランクが決まる新制度へと変更しました。

これによってそれまで上級会員だった層からふたつの不満の声が起きます。ひとつはそれまでは一度ハードルをクリアしたらずっとランクアップされた状態がキープされていたものが、新制度ではランク降格が起きるようになるという不満です。そしてもうひとつ、地味に反対の声が強かったのが累積グラム数制度がなくなることで「チャレンジ感がなくなる」という不満でした。

要するに自分のいきなりステーキ愛を示す累積グラム数という目標がなくなることで、リピーター層のモチベーションが大きく下がってしまったのです。後者の不満を救済するため改悪後わずか半年でプラチナとダイヤモンドについて累積グラム制度を復活させる再改定に踏み切らざるをえなくなりました。

いきなり!ステーキはなぜここまで凋落したのか


「事業」と「ユーザー」の向き合い方、何を大切にするのかという信念、どこを重視してデータを読み解くのかという分析。それらが対照的に思える2つの記事でした。

いきなりステーキの記事はこちらです。これはこれで読み応えのある記事でした。2018年をピークに転げ落ちる営業利益のグラフがめちゃくちゃ怖いです。

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