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シン・ニホンとPRINCIPLESを読んで

外出自粛もあったので土日に比較的時間がとりやすくなり、重めの本を読む時間が少し増えました。この1ヶ月で読みたいなと思っていたシンニホンとレイダリオのPRINCIPLESを読みました。(正確にいうと、アレクサの読み上げメインで図表の振り返りだけ読む感じ。長編はこれだと気楽に読めますね。)

いかにして戦い方を変えていくべきか

安宅さんの文章はすごく骨太で壮大なテーマで、内容の濃い仕上がりなんですが、端々にポジティブで優しさに溢れる方向づけが多くて、じゃあ翻って自分にできることは何か、どんな問いに向き合っていくべきかを前向きに考えさせてくれるものでした、非常に幅広いテーマにおいて、戦い方のルールが変わった中でどのように戦い方を変えるか、そのためにどのように人を育てていくべきなのかということが問いだての中心であったかと思います。

データxAI時代に求められる働き方

データx AIの時代において、付加価値の出し方が変わるという話の中で、この次に読んだレイダリオのPRINCIPLESで描かれている仕事や組織の原理原則についてがとてもヒントになるなと感じました。これからの時代に求められる話にもかかわらず、40年前から積み上げてきたこの原理原則がすごく当てはまるなと感じたのがとても面白いところです。レイダリオは本書で、アイディア本位主義、マシーンと人のクリエイティビティによって成果を出すという話を終始しています。イシューからはじめよで安宅さんがおっしゃっていたことと、レイダリオがこの本で述べていることの共通項がとても重なるように感じるのです。

ピラミッド型の上位下達組織からサッカー型の連動性の高いクリエイティブ組織への転換

大量生産、大量消費の時代の価値の生み方から、よりデータとAIを連動させてクリエイティブな思考から付加価値を生むことに戦いの舞台が変わってきた中で、組織や個人に求められるアウトプットも変わってきています。これまではある程度答えが決まっている中から上位層で物事を決め、それを実行する部隊が実現していくという組織構造のもとに人々の育成も考えられてきましたが、新しい付加価値を生むためには、実行する人々が現場の状況を見据えながら柔軟にアイディアとクリエイティビティを発揮して構造をデザインしていく必要があります。それに伴って、マネジメントのあり方や求められる個々人の能力も変わってきたのですが、このあるべき姿を体現しているのがレイダリオが作ってきたブリッジウォーターの組織のあり方や原理原則なのかなと読んでいて感じました。よくいうピラミット型から個々人にクリエイティビティが求められるサッカー型組織を体現したあり方なのではないかと思います。

ボトムアップでオープン・フラットな組織がダイナミックな環境の競争優位になる

正解がダイナミックに変わっていく中で必要なのは、現場が柔軟かつクリエイティブに活躍できる組織構造です。そのためには、誰でも臆することなくオープンかつインタラクティブにコミュニケーションができ、アイディアをぶつけることができる組織と、それを事実(データ)に基づいてスピーディに判断していく組織マネジメントが重要になってきます。DXが叫ばれる昨今ですが、日本の企業はこの組織構造へのトランスフォーメーションもまた不足しているのではないでしょうか。意思決定をする人間と作業をする人間という関係ではなく、誰しもがその持ち場に対して責任を持ち、柔軟に意思決定しながら状況を打開していくというあり方でなければ競争優位の高い付加価値は出せない時代入っていると言えるでしょう。

ファクトに基づきマシンと協働して付加価値を生む

現場に裁量を持って柔軟に高い付加価値をもたらすためには、その構造のデザインが優れていないと上手く機能しないはずです。データxAIの時代に入り、人間が構造デザインをし、機械に接続してアウトプットを出させるという役割分担にどんどん変わってきていますが、組織の現場ではまだまだ作業をすること=付加価値と認識しているケースが非常に多いです。AIプラットフォームが急速に民主化し、付加価値は人間のクリエイティビティxAIによる実行の組み合わせに移行しています。このスピードは線形の変化ではなく、指数関数的な非連続な変化となります。気付いたら全く想像もしないスピードで物事が変化していて付加価値を出せないという状況になってしまうのです。私はこれが安宅さんのいう競争のあり方の変化だと思います。

オープンでフラット、データドリブンな組織を作ろう

安宅さん、レイダリオがいう通り、人間が問いを立て、デザインし、夢を描きながら情熱的に人を巻き込み、ファクトに基づいてアルゴリズムと学習データを集め、機械にインプットして高速かつダイナミックにアウトプットを出していく。これが新しい競争環境での付加価値の出し方だと考えています。そういう中での組織のマネジメントのあり方はオープン・フラット・インタラクティブであり、データドリブンにチャレンジを解決していく構造でないといけないと思います。現場がどうしたいか、透明かつ率直にぶつけ合い、常日頃からファクトに基づいて議論できる組織がこの前提になるのではないでしょうか。そして、ここで議論したデザインをもとにAIと共同してどのようなアウトプットを出す装置を作り上げていくかがとても重要になってくると思います。事業をやっていく中で、自分のチームではそういう方向にどうやって導いていけばいいかな、方向付けていけばいいかなと、色々と思いを馳せるための材料になりました。お二人の骨太な著書にたくさんのこれからのヒントをいただけた気がします。両書を読んだ方がいましたらぜひご意見を伺えれば嬉しいです。

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