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イラストで見る江戸の園芸

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▪️約200年前、江戸のまち、花と草木のある暮らし。ささやかで華やかな世界をイラストで覗きます。毎月更新予定です。 ▪️執筆者:笹井さゆり/Sayuri Sasai 昔の暮らしや文化…
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#江戸の園芸

第3回 薬にならずともよい植物たちの書

植物に関する書物といえば、長らく中国由来の薬用植物の研究書がメインでした。 しかし、戦乱の世を脱した江戸時代になって初めて、薬などの実用性を持たない園芸植物にも光が当たり始めます。そして時代を通して、競うように多くの「園芸書」が刊行されました。今回はその一端のご紹介です。 ご覧のとおり、園芸書にも「育て方について」「斑入り植物について」など、それぞれ特色があります。また、「朝顔の花」「万年青(オモト)の葉」など、時代によって人々の関心を集める草花も変わっていきました。園芸家

第2回 お気に入りの鉢はどれ?

さて、自分の家でも何か草花を育ててみようかな‥と思い立ったとき、おすすめなのが縁日の露店です。ずらりと並んだ鉢植えの中から、ピンと来るものを選びましょう。 如雨露(じょうろ)の資料はあまり見つけられませんでしたが、園芸アイテムとして、縁日の露店で一緒に売られることもあったかもしれません。 こうした園芸アイテムの豊富さからも、当時、江戸の人々に園芸の趣味が広く浸透していたことが伺い知れます。 【参考文献】 監修・竹内誠『ビジュアル・ワイド江戸時代館第2版』小学館 日野原健司