【小説】『嬢ちゃん/22歳元風俗嬢、底辺高校の教師やります 』8
アキという名の風俗嬢であったころ、あたしは客が県庁の職員だとわかると、その帰り際に名刺をねだった。
あたしは現役大学生の風俗嬢だったし、教職課程を取っていた。当初、あまり本気で教員を目指すつもりはなかったのだが、もし自分の気が変わって教員採用試験を受けるようなとき、県庁の役人にコネクションがあれば有利かも知れないと思ったのがきっかけだ。
しかし、名刺を使うということは、自分が風俗嬢であることも明らかにするということでもある。それは諸刃の剣だと気付いて、採用試験に使うとい