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羊肉をつまみにビールを飲む【中央アジア旅行記⑥】

 ウズベキスタンをはじめ中央アジアの国々は、イスラム教徒が多数派。イスラム教と言えば、お酒が禁忌。ところが、ウズベキスタンでもどこでも、容易に酒を飲むことができる。イスラム教と言ってもさまざまらしい。以前、インドネシアに行ったときは酒が売っていなくて難儀した。インドネシアの料理はとてもおいしいのだが「これでビールを飲みたいのに…」となることがしばしばあった。その点、中央アジアは、レストランはもちろんコンビニやスーパーでも売っているし、飲むことに後ろめたい思いをしなくてよいのがいい。

 気に入ったのは金属製の串に肉を刺して焼くシャシリクをつまみにビールをやることだ。動物性たんぱく質はやはりどうしようもない快感を舌に与えるもので、それとともにやるビールは最高である。とはいえ、ビールはオッケーでも豚肉は出てこないので、羊肉や鶏肉でやることになる。レバーなんかもあって、それがまたよい。冒頭の写真はビール2本、シャシリク4本、サラダ、パンで計60000ソム、約690円。


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 ショールバというスープにサラダ、マンティというシューマイの親玉みたいな料理。マンティはマント―、饅頭と同じ語源であろう。右上の皿、ヨーグルトが出てくるのが中央アジアか旧ソ連圏っぽい。これはお昼だったのでビールはなしで。昼酒をやると眠くなってしまってかなわんから、昼は飲まない。コーヒーは頼んで28000ソム、約320円。


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 これは晩ごはん、具沢山のスープがビールのつまみにもなる。ツーリストインフォで教えてもらった店だった。いろいろ注文したら60000ソム、約690円にもなってしまった。店を出たら、夜気が急に涼しい。気温の日較差が激しい。昼間の暑さはどこへ行ったのか。観光名所のレギスタン広場も夕涼みの人であふれ、昼間よりも夜のほうが人通りが多い気がする。


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 安宿の朝飯。日本にいるときほとんど食べないパン。味の濃いバターをつけて食べたらうまい。チーズ、ソーセージ、スイカ、メロンも美味。朝からもりもり食べてしまう。そういえばどこの宿も朝食はだいたい午前8時からということが多かった。私は朝寝坊なのでこれでいいのだけど、日本の感覚で言うと少し遅い。気温が下がってから動き出す人々は宵っ張りなので朝も遅めなのかもしれない。


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 炊き込みご飯のプロフ。何度でも食べたい。サラダ、お茶と合わせて19700ソムだったところを19500ソム、約220円にまけてもらった。お釣りの小銭を探すのが面倒だったのだろう。


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 これがシャシリク。一番手前のものはこんがり焼いたパン。注文していなかったのだが、間違えて出てきたのかサービスだったのか今となっては不明である。ビールと畜肉はよく合う。実は冒頭の写真と同じ店に、2日連続で行った。この日はビール1本でつまみも控えめだったので27000ソム、約310円。


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 サマルカンドには3泊した。3泊目で宿を変えてこれはその写真。最初の宿は従業員の感じがよく1泊15ドルと値段も安くて悪くなかったのだが、どうも水回りがあまりきれいでないのが気にくわなかった。
 そこで今回、私が開眼したのが「予約サイトで空室を確認した上で宿に赴いて直接チェックインする」という方法である。予約サイトを経由するより宿で聞いたほうが安いのだ。仮に予約サイト以上の料金を提示されたらサイトの画面を示して交渉すればよい。
 予約サイトでは明示されていないが、表示される金額には当然、サイト側の取り分も含まれているはずである。当たり前の話で、なぜ今までこの方法に気付かなかったのか。
 このときも、サイトで近所のよさそうな宿を探し、27ドルだったのが宿で聞くと25ドルだった。しかも午前11時くらいでもうチェックインさせてくれた。さすがに25ドルの宿は極めて快適。ばんざい。


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 サマルカンドのシヨブ・バザール。観光の中心、レギスタン広場から徒歩10分くらい。広場の周りには宿や食堂、商店も並び、サマルカンドは全体にコンパクトにできていて便利だ。


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 場所柄、観光客も多いが地元の人も多い。規模もそれなりで、見ていて飽きない。


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 ウズベキスタンの人もなかなか人懐こい。カメラをぶら下げて歩いていたら写真撮ってけ、と言われることもある。肉屋のおじさんにカメラを向けると、このポーズ。


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 右側の少年の顔は、私がいつも写真を撮られるときにやる変顔である。少年がカメラを使ってみたい、というので渡して撮り合っているうち、表情をまねされてしまった。


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 市場の近くの丘から夕陽を眺める。乾燥していて、雲がひとつもない。圧倒的な下降気流場である。こういうとき、世界は美しいのではないか、と思う。


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 市場の門と、モスクの夕暮れ。このくらいの時間からぐっと涼しくなる。そろそろビールを飲みに行くかな。


<中央アジア旅行記⑦へ続く>

※2019年8月の旅行です。通貨はかなり大雑把に換算しています。
※全ての写真は筆者撮影です。一切の無断使用や転載を禁じます。






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