冷たい空気に肌は引き締められ、柔らかい光に心は溶ける

2020年12月末、日本に帰省いたしました。

台湾南部は、その頃すでに日本で言う5月の暖かさで、

すっかり冬がどんなものかなんて私は忘れていたと思います。

見栄を切ってお気に入りの分厚いパーカー1枚で帰国しましたものの、     寒さでくしゃみが止まらない。

1週間ばかし経った今でも少し寒いと感じます。               けれど、この冷たい空気をどれほど恋しがっていたことか。

ニットの隙間から肌が冬を感じ、実家の周りを見渡すと            冬ならではの柔らかい光が、収穫されてしばらく経ちみずみずしさを失った稲までもきらきらと輝かせている。

四季と共に姿を変える、一年経てばまたそれを繰り返す、           いつだってそんな風景が待つ場所に帰ることができる私は恵まれています。

幾つかの国に足を運び、台湾も一周し、どれだけ荘厳な風景を見ても、     実家を囲む田には敵わないとすら思っています、少しおこがましいでしょうか。

私は経営学を専攻しています、それゆえか周りの友人には大きな野望を持ちキャリアを積みお金を稼ぐことが人生の成功と捉え日々努力を重ねている方々も少なからずいます。

しかし、こんな素敵な景色に毎日癒され青春を送り、それを一緒に享受してくれる家族がいるだけで私は満足してしまうのです、果たして私はビジネスに向いていないのでしょうか。そうかもしれないです。心と共に、野心まで柔らかい光に溶かされていた。

欲を持ち続けたって疲れてしまうから、本当に自分に必要なものだけを見極める、そんな能力が人生の成功に導いてくれる鍵なのかもしれない、と私は思っています。





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