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ゲイバーで上司とハチ合わせ😱

その昔、日本で働いていた時、ファッション業界で働いていたこともあり、若干派手目な人は幾人かいた。

その中でT係長は若干奇抜さと(親近感のある)毒を持ち合わせた人だったが、仕事はバリバリこなす人だったし、仕事での付き合いしかなかったので特にそれ以上もそれ以下も意識することはなく。

が、

その頃、ノンケ社会で不貞腐れていたワタクシは、上司や同僚からは露骨に嫌われていたと思われる中、色々気にかけ、仕事を教えてくれたりアドバイスをくれる上司だった。

ある日の金曜日、たまたま外出が一緒だった際「今日金曜日だし、なんか予定あるの?」と聞かれ、まさか

「夜はゲイバーで働いてます」

などと言えるわけもなく、「あ、、あの友人と…飲みに行きます」と咄嗟にウソ。

「ふぅ~ん・・・」

と含みを持たせた反応をされてそのまま終了。

そのまま直帰となり、ワタクシは自宅へ帰りシャワーを浴びて、衣装(私服)に着替え「夜の出勤」。

その数時間後、金曜日も夜更け近く、アタシもお客さんもホロホロ酔っ払ってきたとき、「カランカラン」と音を立て開く扉へ目をやり「いらっしゃいませ~」とご挨拶をすると、

見覚えがあるはずなのに「絶対その場所で会うわけがない」という前提のもと、どうしても認識できないその顔は、まぎれもなくT係長!

ぬぁ!!ぬぅぁぜここに!!!(;Д)

お互い一瞬その「見覚えはあるはずなのに、絶対ここで会うはずないと思っているがゆえに若干パニックを起こして誰だか認識できない」状態に陥る。

ワタクシはゲイバーで副業してるっていう事がバレるなんてヤバイ!

と思ったのだけれど、T係長はT係長で、ワタクシなんかよりも会社で立場が上なのに「ゲイバーに飲みに来てるなんてバレてヤバイ」と思った様子

・・・そんな・・・

・・・第三者から見たらバレッバレなのに

でもお互いにそれを利用して何かしてやろうという気持ちがあるわけではなかったので、楽しく飲み、そして、その日を境に上司・部下から、姉・妹へと距離が縮まり仲良くなったワタクシ達。

平日に店番をしていることもあり、露骨に二日酔いな顔をしながら給湯室でお茶を入れていたりすると、

「あんた、飲み過ぎよ、程々になさーい」

などと、サラリとオネェを吐いて、さりげなく液キャベを渡し去って行くようになる。(…どこから出したのかしら…

常連さんで気になる人がいたら「あの人アタシの事どう思ってるか、さり気なく探りを入れなさい」などと、しばしワタクシにもOL友達が出来たのであった。

プライベートで時間を割いて飲みに行くことはあまりなかったけれど、ワタクシが店番をしている日には遊びに来てくれるようになり、それからワタクシが海外移住をするようになるまでの1年間くらいは、そのような関係が続くのであった。

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