シドニーの内覧会・住居探し
シドニーへたどり着いたワタクシ。
最初の部屋はFlatmate Finderというサイトで探した。ここでは文字通りアパートや家をシェアする人を探したり、旅行の留守中に部屋を貸したい人たちが部屋の情報を上げている。全く土地勘のないワタクシは最初の部屋をカナリ都心の便利な場所にした。
この街ではルームシェア・フラットシェア・ハウスシェアはかなり一般的らしくカナリ高い確率でシェアしている人たちと出会う。ワタクシも友人もいなければ土地勘もない、情報源も限られていることから、誰かとシェアをしようかなと思っていたのであるが…
…この協調性のない四十路なりたての中二病にシェアなんてできるわけない。
そんなことしようものなら「この扉は決して開けてはなりませぬ・・」と、固く扉を閉ざし部屋から出ない自信しかない。
最初の宿泊先の期間は3週間。この全く右も左も知らない町で、3週間以内に次の部屋を見つけなくてはならない。さもなくば家主が返ってくる!
という事で、次のアパート探しを探すことにしたのであるが、とにかく情報に不慣れすぎて何が何やらわからない。
香港では適当に自分が住みたいエリアへ行き、その街にある不動産屋に行けばそのあたりの部屋を適当にいくつかその日に見せてくれる。
しかし、
ワタクシが得られた限られた情報の中では、シドニーでは内覧会の日が決まっており、その日にランダムに10人くらいの人が一気に一つの部屋を見に来るというスタイルが主流の様子。
しかも、「あ、いいな」と思った部屋は内覧会の次の日くらいにはリストから姿を消す…。
こ、これはウカウカしていると、いい部屋はとっとと消えてしまうのではないか!!
焦ったワタクシは手あたり次第内覧会に申し込もうと画策した。
しかもその多くは平日行われていることが多く、焦りまくるワタクシ。
とりあえず、会社から30分くらいの距離で、近いうちに内覧会がある場所へ片っ端から申し込むワタクシ。
が、
次々に「この内覧会はキャンセルされました」になったり、「成約しました」等の連絡が入り焦る。
そんな中ようやく3件の内覧会にたどり着く。だいたい似たような値段、立地だったので「そうかこの立地でこの値段ならこれくらいなんだな」と見切りをつけ、特にえり好みをするでもなく「じゃ、ここにしよう」と即決で来た。
恐らくこれはワタクシが、世界で一番家賃の高い街にノミネートされた香港で悪条件の酷いアパートを散々見続けてきたせいだからだと思われる。それに比べれば、その値段、その場所でこのクオリティーならアリだろと、割とすんなり納得できたのである。
…納得するのは勝手であるが、申込みが異常に面倒くさかった。
日本や香港でそれ等の申し込みをした際は対面でエージェンシーの人に「あの証明書を下さい、この証明書を下さい」から始まり、ここにサインをだなんだ、色々対面で事が進むが、ワタクシの今回のエージェンシーはすべてオンラインでやることに
「え?この書類でいいんだろうか」というのを逐一悩みながら進めるも、さっさと申し込まないとこの部屋も誰かにとられるかもしれない!!という一抹の不安から必死に登録を進めたのであるが、思わぬ壁にぶち当たる
「オーストラリアでの3か月分の給料明細を提出してください」だの
「月収の手取り(税金天引き後の)金額を教えてください」だの
「今の会社の名前と在籍期間を教えてください」だの
「前の会社の名前と在籍期間を教えてください」だの
「会社の責任者の連絡先を教えてください」だの
「今住んでいる場所の賃貸契約について、誰から借りているか、その人の連絡先をかけ」だの
…は?
先週移住してきたばかりなんだが…
も、、、もしかすると、、、
だ、、、だめかもしれない…
と思いながら、どうしたらいいでしょうかとエージェンシーにメール。
他にあの部屋を借りたいと思う人がいたら、取られるだろうなぁ…と思いつつ。
そりゃそうだ、この国での収入の実績のない、支払い能力においてもなんの証明もできない怪しい外国人に部屋なんて貸したくなかろう…。
ワタクシがオーナーだったら…えぇ、貸すまい。
半ば諦め、契約なんてあってないようなもの位すんなり行けるシェアハウスなどで手を打とうか…などとあきらめていたころ、突然電話がかかってきて何かと思えばエージェンシーの方。
どうやら私がいま働いている会社は香港ですでに6年半働いた会社と同じもので、異動で来たという事で異動のレターと香港での過去三か月の給料明細を出してくれればいいと。また、VISAの証明書だの銀行口座の証明だのを送ったら…
・・・すんなり通ってしまった。
電話越しで「大体皆この申込みで書類に不備があったり証明書を出すのが遅くてなかなかフォローアップにてこずるんだけど、あなたは1発で全部出してくれたし、手付金の支払いも即対応してくれたから仕事が楽で助かった」と褒められるワタクシ。シジュウになってもほめられるのは嬉しいものである。
また、「オーナーが『日本人は綺麗に使ってくれるから歓迎する』って言ってましたよ」と言ってくださった。
これは意地でもきれいに使わなくてはと思った次第である。
とにかく、前途多難と思われたプロセスだったが思いのほかすんなり行ってしまい拍子抜けするワタクシ。なんなら、そのエージェントがそのまま電気もガスもネット回線の開通手続きについてもすべてパッケージで紹介してくれて更にすんなり。あれよあれよという間にとっととアレンジされてしまったのである。
…これが香港だったら…
という、香港で予期していた不便さ、煩わしさ、面倒くささのすべてをことごとくいとも簡単にこなせてしまうこの街…もし、日本から直接ここに移住していたらそれはそれで思う事もあったのかもしれないが、不便が前提、逆ギレ前提、親身になってくれないことが前提の不親切な街で13年も暮らした後にここに来ると一つ一つのプロセス全てが感動でしかないのである…。
…という訳で今週末はついに、待望のシドニーで初めての新居へ入居である。