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ニュージーランド最年少女性首相の「広報力」がすごい

広報に携わる方にぜひ注目していただきたい方は、ニュージーランドの最年少女性首相のジャシンダ・アーダーンさん。

最近もオンライン演説中に、3歳の娘ちゃんが眠れずに”乱入” 笑。
演説を切り上げて寝かしつけに行ったことで世界じゅうでニュースとなっていました。

最初に私が感銘を受けたのは昨年20年の3月、まだコロナが得体の知れない未知のウイルスだった頃のこと。

ニュージーランドがロックダウンの措置を発表した日の夜、ジャシンダ・アーダーン首相はSNSを通じて動画を発信していました。

「カジュアルな格好でごめんなさい、子どもを寝かしつけていました」

そう前置きをしながら、ロックダウンをした背景、国民に共通して持って欲しい心構えなどを発表していました。

内容には数字や統計、科学的な根拠も含まれており、自分の言葉で、国民に対し、不安を持つ気持ちに寄り添い、明確に「ともに闘いましょう」というメッセージを届けていました。

もちろん、彼女の言葉には力がありましたし、論理的にも正しい。
だけど、あんなにも人の心を打つ理由はいったい何なのだろう、と考えてみたくなったのです。

色々考えられるけれど、大きくはおそらく2つに集約されるのかな、と思いました。

1.ありのままで、一般の国民と同じ目線で

首相が大事な発表をする時、日本の場合は必ず「スーツ」です。

大きな災害などが起こると、首相は夜中だろうが朝方だろうが飛び起きてスーツを着て、記者のぶら下がり取材に対応したり、発表をしたりします。

だけど、よく考えてみると、そんな真夜中に
髪を整え、バリっと高級そうなスーツに身を包んで話をされても、
現実感がありません。

「一般人とはかけ離れた、大変なお仕事なのね」
そう思って、決して自分たちの生活を守ってくれる、分かってくれる、などという期待は持ちません。

その点、アーダーン首相は非常にカジュアルな出立ちいでたちで、「子どもを寝かしつけていた」などと表現。

もちろん、私も広報のはしくれですから、
アーダーン首相のそうした行動は、ある程度”狙って”やっている部分は大きいと思います。
(彼女は特に大学でコミュニケーション専攻ですし)

だけど、そうした「演じる」部分も含めて、首相の器がみられ、支持率にも反映されてくるのです。

どんな非常事態でも、似たようなダークスーツに身を包み、落ち着いて、人ごとのように話をするという首相に
国民はシンパシーを感じるでしょうか・・・?

(個人的には、首相が肩のあたりがフケだらけで現れるのが非常に気になりますが…今回の話では関係ないので割愛しますw)


2.自分の言葉で語る

特に日本の首相にありがちなのが、「役人の作った資料の棒読み」

一体、自民党の広報PRを担当している会社は何をしているのだろう、と毎回思うのですが、見事に

「人の作った原稿読んでます」感 全開です。

もちろん首相もスーパーマンではありませんから、
原稿についてはブレーンがしっかり作成するのは当然です。

だけどそれはアーダーン首相だって同じこと。

彼女はスーパーウーマンな部分もあるけれど、別に全ての分野の専門家ではありません。

ブレーンの作った原稿を、
まるで自分が長年考えてきたことのように語り、
仲の良い隣人のように語りかける。

だからこそ彼女の言葉は人の心を打つのでしょう。



もともと、しゃべることが大の苦手だった私。
それが、広報という仕事柄、人前でしゃべる機会が増え、
色んな方に「これでもか!」と愛のあるダメ出しを受けて育ってきました。

あんなにしゃべることが苦手だったというのに、今では人前でしゃべることは何も苦ではありません。
敢えて「演じる」ということもできるようになりました。

もともと喋るのが苦手だった私ですら、ここまで話せて、伝えられるようになったのです。
だからこそ、ほんの少し工夫するだけでも、伝わり方は天と地ほども違うのに…と残念に思うのです。

これは首相だけに限った話ではなく、
ありとあらゆる人に通じる話かなと思います。

決算発表で、資料に目を落としたまま棒読み。
苦労して作ったプレゼンなのに、スクリプトを棒読み。
聴衆は眠くなる。。。

こんなシーンをよく、よく見かけます。


毎日想像もできないほどの情報が発信される現代。
実際多くの場合、聞き手はプレゼンの内容の細かい部分なんて覚えていません(残念ながら)

だけど
「なんかチョー感動した」
「なんかすごい」

こんな感覚だけは強烈に聞き手に残ります。

アーダーン首相の広報手法、そんなに難しいことをやっているわけではありません。
だからこそ、取り入れられるところをしっかりと取り入れて、日本の首相や会社の代表などに、もっともっと輝いて欲しいな、と思ったのでした。


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