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マスコミ人脈は「数」より「関係の深さ」がずっと重要

広報という仕事をしていると、時々パンパンに詰まった記者の名刺ファイルや、数えきれないほどのメディア記者が登録された名刺管理ツールを眺めて、しばし悦に浸ってしまうことがあります。たくさん活動をしてきた証なので、ぜひぜひ大事にしたいところです。

しかし実際は、マスコミ人脈で最も大事なのは「関係の深さ」です。100人の関係の薄い記者よりも、1人の関係の深い記者です。
広報の仕事を一年も続ければ見えてきますが、マスコミ関係の方はしょっちゅうこちらからの情報提供を「スルー」します笑。超多忙かつ、凄まじい数のリリースが毎日手元に届くので、いちいち「あとXXのような情報があれば記事にできるんですが」とか「来月特集があるので、また話聞かせてください」とか、企業の広報担当に返信している暇がないのです。

1時間かけて渾身のメールを作っても、記者にスルーされればその時間は全くの無駄になってしまいます、悲しいですが…。

ではどうすれば良いのか、その解こそが「関係の深さ」です。

「関係が深い記者=記者の電話帳に登録されている・実名SNSで繋がっている」このような関係です。
そうした関係になることで、「さすがに連絡スルーはマズいな」と思ってもらえる関係性へとレベルアップします。
さらに関係を進化すると、「この人にはいつもお世話になってるから、同僚の記者に繋いでみてあげよう」とか、「業界特集する時は必ず声をかけよう」とか、そういった関係になれます。

では、どうすれば記者と関係性を深められるのでしょうか。色々方法はありますが、王道の2つのステップをご紹介します。


記者と関係を深める方法ステップ①
まずは基本です。縁あって取材されるなどしたら、きちんとお礼の連絡をする。そして、その記者と気が合いそうだな、とか、今後もこの方に取材してほしいな、とか思ったら、思い切ってランチなどに誘ってみましょう。
ランチをする時も、別に高い店でなくて構いません。1,000〜2,000円くらいのランチを囲んで、ざっくばらんに話をしてみましょう。
私の場合は、女性記者さんとランチにいくことが非常に多かったです。20-40代の記者さんの多くは、結婚・出産・子育て・キャリア形成など、自分と似たような環境の中で、色々悩みながらも努力されています。
そんな話を、美味しいランチをしながら…時にはこっそりランチビールを堪能しながらするだけで、自分自身の成長にも繋がりつつ、仕事だけのドライな関係から、どこか同士のような強い繋がりを持てる関係に発展しました。

記者と関係を深める方法ステップ②
記者と広報を繋ぐ共通の利益、それは「情報」です。記者が欲しい有益な情報をきちんと持っていきましょう。
それは、×→「自社の既存サービスの良いところ」ではなく、◎→「業界全体の動向」「自社の新しい取り組み(業界や日本・世界においても新規性のあるもの)」「あなたにだけこっそり教えるマル秘情報」などです。間違っても、「うちの既存サービスがいかに優れているか」を1時間語るようなことだけは避けましょう。

こうして深い関係性を築き、何かあれば「あの人に相談してみよう」と双方が思える記者が何人いるか。それこそが広報の腕の見せ所です。

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