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【超長文】「失敗したくない」展示会にしたい皆様へ送る、今日から始める展示会ガイド

こんにちは
入社エントリーからかなり時間が経ってしまいましたが、相変わらずカミナシで楽しく働いております金(きむ)です。

本日のテーマは実は結構前から書きたかった内容でしたが、ライフイベントのアップデートなど様々なことが重なり大変遅くなってしまった「展示会」についてです。ただ、こちらは自分起点の話ではなく、こういうコンテンツもあったら役立つ方々がいるのでは!?というところからまとめてみたnoteです。多少固いと思われるかもしれないのですが、こういう方々に些細ながらお役立ちできればと思っています。

  • まだ展示会に出展したことがなく、出展するべきか迷っている

  • 展示会自体は出たことがあるが失敗を経験し、次に中々手が出ない

  • 常に出展はしているが、成果に繋がっている感覚があまりない

  • その他、きむの思考回路が気になる方や近況が気になる方

それでは始めさせていただきます!

はじめに

この投稿を読んでくださっている皆さんは「カミナシの展示会がすごいって!」ということを耳にしたことがありますでしょうか?実はカミナシは展示会というチャネルがなくてはならないほど重要なリード獲得元となっていて、周りの企業様からカミナシの展示会戦略にご興味を持ってくださるケースが非常に多く、複数の企業様からお問い合わせをいただいて、私たちの戦略を周りのスタートアップの方々に共有させていただいたりしています。

未経験ながら重ねてきた改善なので、本当のプロの方々には至らないところだらけかと思いますが、実際今まで多くいただいた質問を中心に、展示会というチャネルの話からコツまで全開オープンでお届けします!

いきなり結論からで大変申し訳ないのですが、やはりどの施策もそうである様、ごく当たり前のことをどこまで緻密に推進し続けるかの勝負だったなーと本投稿をまとめながら思いました。カミナシのどの部門でもそうですが、愚直に改善し続け、成果に繋げることが大好きな方々は私たちの仕事観・考え方を少し覗いてみる形でお付き合いいただけますと幸いです。

大きく出展関連、準備関連、運用関連の3パーツに分けた長文の記事になりますので、初めて展示会に参加される方、展示会での失敗で悩まれている方々は是非ご参考ください!

出展検討段階

数多くの展示会、どこで探しているの?


カミナシの場合、1年後の展示会の日程まである程度押さえておきながら計画を立てたいと思うところもあり、マニアックな探し方を繰り返しておりますが、一般的にこちらのページを押さえておくと良いのでしょう、という2つのチャンネルをご紹介します。

  1. ジェトロの展示会情報(https://www.jetro.go.jp/j-messe/

  2. 日刊工業新聞社の展示会情報(https://biz.nikkan.co.jp/brand/eventexpo/expo/

展示会情報をまとめているサイト、ランキングが付けられているサイトなど、様々な情報をまとめているページがありますが、カミナシでは基本上記二つの媒体から情報を探すことが多いです。その上で、まだ日程記載がない展示会の中で気になるものを海外ページから情報を拾ったり、実際主催者にお問い合わせをしたりして、カミナシ用の出展検討リストを作っています。

カミナシはどういう展示会に出ているの?


カミナシは年に10回以上の展示会に出展しております。その回数は徐々に増えてきており、来年には20回を超える出展計画が既に立っているほど、リード獲得チャンネルとしての価値が高まっています。様々なビジネスモデルがあるので、各社に一番適した出展戦略がそれぞれあるかと思いますが、カミナシの場合、いわゆるバーティカルな業界カットの展示会に出展することが多いです。一番綺麗にPMFしている「食品製造業」に関連している展示会が代表的な例となります。こういった業界カット型の展示会に重きをおくのは

  1. カミナシのプロダクトはHorizontal SaaSのような売り方よりVertical SaaSのような売り方がに有利となるな側面がある(他のHorizontal SaaSの様に特定職種の方だけを押さえて成長できるサービスではない)

  2. その分、業界にあった売り方、トークテーマを用意しないといけない

という、「マルチバーティカル」と訴えるだけあってカミナシならではの特徴があるからです。
逆をいうと、特定職種の方々だけを押さえていくとある程度成長が見込めるHorizontalサービス展開の企業様の場合、業界カットではなく職種カットの展示会に出展されることを検討しても良いのでないかと思います。こういった場合、パイは大きくないが、一定需要が見込めるニッチな業界との接点を持つ為に業界カットの展示会にも顔を出してみるなどが適切だと言えるのでしょう。

出展申請のタイミングは?


展示会の主催側によってタイミングはバラバラですが、主催社によっては一年前から(2年に一度開催されるものは1年以上前のケースもあります)申請する展示会もあります。早期申し込み割やお求めのブース位置の融通を聞いてくれる主催社もあるので、出ると決めているものに関しては急いでお申し込みすると良いでしょう。

ブースのサイズはどうしているの?


カミナシは基本4コマ(展示会主催側の区切り方によっては2コマ)のざっくりと6m*6mのブースサイズにて出展することが多いです。大き過ぎず、小さ過ぎずという形ですが、このコマ数より規模を下げていくと名刺獲得数の減少が目立ってきたりターゲットとしている来場者の名刺獲得目標に影響が出るなど、あまり勝ち筋が見えなかったので、現在は枠が空いている限り、4コマでの出展を心がけています。

もし「初めての展示会だし、4コマ程度の大きいブースの出展は考えられない!」という方がいらっしゃいましたら、2コマ程度のサイズは頑張って確保した方が良いと思います。1コマの小規模ブースの場合、来場者とのコミュニケーションを取る場所確保が難しかったり、小規模ブースが集まるエリアなどに配置されることが多く、目立ちにくいという傾向がありますので、あまりオススメできません。
(※参考までに2023年現在を基準としてブースのコマ単価は20万円前後から50万円を超えるまで、幅広くあり、展示会の規模によって単価感が変わることが多いです。尚、出展費用並みに、もしくは出展費用以上のブース造作費用が掛かることがあるので、ブースサイズは慎重にご検討ください。)

最適なブースの位置は?


ブース位置によって最適な戦略が異なると思いますが、基本的に角コマは取れるようにした方が良いです。開放面が多いということは、その分来場者との接点を多く持つ可能性が高いということなので、ブース位置の選択ができる様でしたら、早めに申し込んで角コマを確保することをオススメします。(主催社によっては角コマをオプションとして販売している場合もあります。)

展示会のブース作りが悩ましい!


意外と多くの方々に聞かれていることですね。数多くの展示会ブースデザイン・造作会社の中、どの会社を選ぶべきかについて、参考までにカミナシのデザイン会社選定の話をさせていただきます。

初めて展示会に出展する多くの企業が一緒かと思いますが、弊社も最初はスタートアップの先輩方よりご紹介いただき、ブース造作会社を決めました。その後、社内にある程度知見が溜まり、自分たちに今必要なもの、現在足りないもの、もっと極めていきたいものなど、いくつかの軸を設けた上で、コンペを実施する為の企業探しを始めました。業界で有名なデザイン会社から、出展している展示会で会場を見回りながら印象的だったブースにお声がけをし、デザイン会社をご紹介いただいたデザイン会社まで、幅広く情報収集を行い、3-4社程度に候補を絞った形でコンペを実施しています。
基本的に会社のフェーズによってブース内の表現方式に新たな風が欲しいと思うタイミングにコンペを実施する形で、アップデートを継続している感じです。

直近のコンペで一番心がけたことは、今まで多くの来場者の目を引く様なキャッチなデザインに集中した表現方式から、業界カットの展示会にて取れているリードの量は維持しながら、よりホットなリードを集める為の情報設計のし直しを主な軸に変えるためのコンペを行い、とても満足度が高く運営ができています。
(ご紹介が必要な企業様はいつでもお声がけください!)

尚、初めてのご出展の方こそ、デザイン会社を使って様々な知見を吸収することをオススメしますが、どうしても予算がかかるので、悩ましく思われる方々も多いかと思います。そういう時は出展社側が用意しているパッケージプランも一つの選択肢になります。デザインするべき領域が明確に決まっていて、気にすることも少ないので、楽に展示会というチャネルを試せるメリットがあります。その代わり、企業の個性を出すには不向きなところもあるので、予算との兼ね合いで決めると良いでしょう。

その他の選択肢として、主催側指定のデザイン会社を利用することも考えられます。展示会の様なイベントブース設置にかなり長けている大手企業が指定されることが多いので、様々な知見を短期間で得るには有効的な選択肢になると思います。

出展準備段階

実際、展示会を申し込んでから会期までの期間は準備するものも多く、結構悩まれる方が多いと思います。まず出展してみることが何より大事だと思いますが、せっかくの大きいコストをかけて出展する分、展示会を成功させるには細かいところまで気を配った方が良いでしょう。出展準備については外側(ブースデザイン・配るもの等)と内側(シフト・オペレーション等)に分けて説明していきます。

外側

ブースデザインについて


出展検討段階でも軽く言及しておりますが、情報設計の側面でカミナシが意識していることを実際の出展ブースのイメージをお見せしながら紹介していきたいと思います。デザインといっても、私はデザインの専門家ではないので、基本的に社内デザインチームや造作会社の方々と相談しながら、我々の目的にあったブースを作り上げることを心がけています。

上記は、実際2023年に出展しているある展示会のブースデザインです。情報を大きく三つのレイヤーに分けて分類していますが、一つ一つ見ていきますと、
①遠くからでも認知できる様なキャッチコピーやロゴ等、識別を目的とする情報
②中距離(おおよそ3m以内)で具体的なサービス内容やできることが訴求できる情報
③プロダクトの簡略な特徴や実際の顧客ロゴなど、興味を持って近距離に近づいてくれた来場者に提供する情報

となります。
展示会は数多くの出展社が集まり、それ以上に多くの来場者が訪れる場所です。全ての来場者が私たちの潜在顧客となる訳ではないので、来場者様にとっても我々にとってもなるべく無駄が発生しない様、識別可能な距離に合わせて情報の大きさや中身を精査しています。どの会社も当たり前の様に行っていることなので、紹介するまでもない内容かもしれませんが、実際、情報の粒度をしっかり活用することにより、以前より興味関心の高い来場者が多く訪れることになっているので、デザインの段階からしっかり訴求したい情報を分けておくと、読者様の企業にあった素敵なデザインが実現できるのではないかと思います。

動線設計


デザインの話に少し補足した内容となりますが、訴求ポイントをどの方向にセットするかもとても大事にしているポイントの一つで、なるべくメイン動線に合わせて①の向きを配置することは常に意識しています。(反対側から人が多く流れてくると、意図している情報の見せ方ができなくなり、機会損失が発生する為)

こちらもとある展示会のレイアウト図をお借りして軽く補足しますと、カミナシがピンクの矢印のある一番奥まった場所にいるとすると、赤い円の入り口から流れてくる多くの人々は青い矢印の方向からカミナシのブースを認知したり訪れたりすることが多いことが予想されます。なので、ピンクの矢印が向かっている方向に①の向きをセットし、カミナシの様なツールをお求めの方や、悩みを抱えている来場者が少しでも多く興味を持ってもらえる様に情報の見せ方を工夫することは効果的展示会に必須不可欠だと考えています。

展示会で配るものの準備


展示会にご参加された方はお分かりかと思いますが、出展社は多くの来場者がブースに立ち寄ってもらえる様にノベルティやイベントを用意したり、自社の認知を高める為にパンフレットなどを用意することが多く、帰り道に両手がいっぱいになることが多いと思います。カミナシの場合、基本的に以下を必ずご用意しております。

  • 展示会用バッグ

  • パンフレット

  • ノベルティ

  • 顧客事例集

展示会用バッグは既製品にロゴを載せるでもオリジナルバッグでも良いですが、カミナシの場合1年以上既製品にロゴを載せる方式を選んでいました。バッグを作ることはそれなりに単価が高くついてしまうので、小規模出展のブースでは用意しないケースも多々あります。ただ、パンフレットをちゃんとオフィスにまで持ち帰っていただき、一度振り返ってもらう確率を少しでも高める為に、そしてバッグ自体を会場内の宣伝手段として活用する為に毎回しっかり用意して参加する様にしています。(バッグは発注から納品まで時間がかかるので、前持って用意することをオススメします)
その反面、ノベルティは小規模ブースで出展される企業様も用意されることが多いです。ノベルティを配ることで来場者の足を止めることは本質とずれていると思う方々も少なくないかと存じます。そして最初は私もその一人でした。
ですが、展示会は数百社が一気に出展する大規模のイベントです。来場者が限られた時間内に全てのブースを回ることはできません。少しでも来場者の興味を引くことが意外と大事になる場の特殊性があるので、一度試してみても良いと思います。
パンフレットや顧客事例集など、自社商品の紹介に活用できる資料については用意されているものを活用しても、展示会用に別途用意しても良いですが、どういう情報を入れると良いか等については、また機会があれば別途書いてみたいと思います。

外部リソースのアサイン


こちらは内部(オペレーション)に記載させていただくべき内容にはなりますが、事前準備領域に当たるので、こちらに描かせていただきます。
カミナシの場合、社員に求める領域と外部リソースに求める領域を明確に分け、「専門領域は専門家に!」というスタンスで運用しております。
展示会には名刺獲得もしくはブース内への誘導を目的とするコンパニオンさんを採用される出展者様が多く存在します。
こちらも結局は費用が掛かる領域となりますので、最初は社員たちで頑張るも良い選択肢だと思いますが、やはりプロの方々にお願いするとパフォーマンスにかなりの差が出ます。ただ、やはり社員の皆さんには一番バリューを出せるところに集中してもらった方が全体的に良い結果に繋がる気がするので、せっかく展示会の出展を決められたのであれば、合わせてご検討いただくといいと思います。

(余裕があれば)主催側が用意している有料セミナーのお申し込み


ブースサイズによっては、事前申請を行い、ブース内でプレゼンテーションを行うことができます(マイクなどの使用申請を行うイメージ)。ただ、来場者様は基本的に移動しながらブースを覗く程度の方々が多く、プレゼンテーション中ずっと足を止めてくださる方々はそう多くないです。ブースのサイズが大きかったり、新技術のデモ・実演会など、セミナーが展示会の主目的であるブース設計であれば、もっと有効活用できる方法があると思いますが、それより手軽にホットリードを集める方法として主催側が用意しているセミナー枠を購入することが考えられます。

内側(オペレーション)


出展検討や出展準備の外側は主にどういう風に「費用」をかけるかの話だとすると、ここからはどうやって「成果」を上げていくかの領域になります。展示会を主催する事務局の方々からの説明会や定期的なメールなどの案内でマイページの方で確認できるものが多々ありますので、しっかりご確認いただきながら、主催社の方では手伝ってもらえない、社内の展示会準備に関してご参考いただきますと嬉しいです。
実際、展示会を担当してこの辺りの改善を繰り返しながら成果を少しずつよくしていくことがとても楽しかった部分でもあります。

シフトの作成


企業によると思いますが、展示会はそれなりに人員が必要となる施策です。そして社内に展示会に参加する為だけの採用ができている企業はそういないと思います(少なくともスタートアップだと)。社員の皆さんのリソースを借りて参加する訳なので、カミナシの場合、2ヶ月前〜遅くとも1ヶ月以上前にはシフトを確定する様にしています。その際に、展示会の属性に合わせてどの職種の方々がどれくらいいると上手く周りそうかを試算、展示会別に参加メンバーを変えています。(4コマ基準で7~10名のメンバーを毎日参加してもらっています。)
その中でも、結構心がけていることがあるとしますと、(PMFできている展示会に限り)参加するメンバーたちは結構大変に思うことも多いと思いますが、社内の全部門から一人ずつ参加してもらうようにシフトを組むことです。
カミナシは「現場ドリブン」というバリューがあり、常に自分たちが日々向き合っている現場から課題を見つけ、解決していくことをとても大事にしていますが、顧客になりうる方々が本当に「現場」で働かれている方々だからこそ、職種によってはリアルで接点を持つことが難しい側面があります。直接プロダクトを売り込むことや課題を聞き出すことができなかったとしても、自分たちの業務に直接的な関連性が見つからなかったとしても、「現場」の方々との会話はとても学びになり、刺激が得られる貴重な場であると思っており、個人的には展示会を「全社的祭り」にしたいという心を込めて、なるべく全職種の方々が参加できる様な場としてシフトをセットしています。

来場者分析


展示会出展を検討する際にご確認いただいているとは思いますが、出展案内資料には前年度の来場者数の属性や役職構成など、統計データが載っています。こういった統計データが業種・職種・役職別にマトリックス型で提供される訳ではないですが、ざっくりとこういう方々がいらっしゃるんだなーということを理解することには役立つと思います。それに、会期が近づくと主催側から来場者パスというものを公開します。来場者パスは出展社が自分たちの商品を適切なターゲットに紹介するのに役立つ業界分類の様なもので、色と番号で別れることが一般的です。もちろん会期当日にも確認できますが、事前に来場者パスを把握しておくことで、どういう来場者にどういうテーマで話すと良さそうかを考えてみたり、コンパニオンさんにどういう来場者を多くブースに誘導してほしいかを指定するなど、分析が様々なところに活きると思うので、出展社マイページ等のアップデートをこまめに確認すると良いでしょう。
カミナシの場合、来場者分析を元に当日の名刺の振り分け基準も合わせて設定するので、来場者分析は何より大事にしています。

出展社分析


売上を伸ばしていく為の攻めの戦略の一つだとすると、出展社分析は競合分析及び自社の貴重な資産を守る戦略の一つといえます。出展社の中にお客さんになり得る方々がいらっしゃる可能性もあるので、攻めの戦略としても活用ができます。
出展社数が非常に多い展示会の特性上、同じ目的を持つ出展社も存在するわけです。その中には読者様の企業の情報を求め、ブースに情報を掘りにくる企業もあります。実際、カミナシの場合、社員の引き抜きまで試みる企業があるほど、失礼なことをされる出展社さんも中にはありました。展示会で企業機密に当たる情報を外に出すことはそこまでないかもしれませんが、提供しているコンテンツなどを真似してきたりすると、自社のコンテンツアップデートに手間が増えるなど、無駄なリソースを使ってしまうこともあり得ます。
出展社リストは主催側で公開してくれることが多いですが、出展社数が多い分、当日の確認だけでは抜け漏れが発生しやすい為、事前に分析を行い、参加メンバーに共有しておくことが良いと思います。

目標設定


展示会に出展する際の目標設定について、KPIをどこにおくべきなのか、どれくらいの数値感が現実的なのか等を決めるのに苦労される方々が多くいらっしゃるかと思います。実際私も結構多くの方々に質問をいただいております。一番精度の高い目標設定はもちろん過去実績を元に設定した方が良いものになりますが、初出展の展示会での目標設定についてお話したいと思います。

カミナシが展示会で目標として置いているものは大きく三つあります。

  • 会期中の名刺獲得数

  • ターゲットとしている来場者の名刺獲得数

  • 商談獲得数

商談獲得数自体は後追いの領域になりますし、マーケティング主導で数字をコントロールできる領域ではないので一旦置いておき、名刺獲得数から話しますと、二つの要素で目標設定を行っております。それは出展案内資料に載っている昨年の来場者数(コロナ禍で来場者数の変動が激しかったりするので、一番コロナの影響が少なかった同展示会の違う地域版の変動などを参考にすることもあります)とブースの位置です。
来場者総数に対して何%くらいの来場者をブースに訪れてもらえそうなのか、そのラインに達するほどのブース位置が確保できているかを結構見ています。限られた人員で展示会を運営しないといけないので、とても細かいですが、計算ができなくはないと思います。幸いにも私の場合、初めての展示会出展ではなかったので、社内にデータがある程度溜まっており、自分が実際経験しながら蓄積した知見と社内のデータを掛け合わせて、結構早い段階から展示会別に総来場者数の何%くらいの名刺獲得を行うべきかの計算と、目標を引き上げる為の戦略策定に頭を回せることができました。
ターゲットとしている来場者の名刺獲得数については、どうしてもボラティリティは出るものの、獲得名刺枚数目標からして、コミットしないといけないラインを決めて展示会に挑むことが多いです。その際にも出展案内資料に書いてある来場者属性などを参考にして、割合を調整しながら、目標をここまで引き上げるには次にどういう施策を打つべきなのかなどを考えています。(余談ですが、基本的に最低コミットラインと頑張ってここまではいきたいラインを自分の中で分けて管理、徐々にストレッチ目標がデフォルトになる為のオペレーション改善のPDCAでかなり伸ばしています。)

ヒアリングシート用意


いきなりヒアリングシートの話ですが、人間の記憶力は有限です。来場者とどういう話をしたのか、どういう課題を抱えていたのか、後追い時に参考にするべき内容はないのか等、インサイドセールスチームが後追い活動をするのに必要となる情報をしっかり蓄積しておく必要があります(例え来場者対応した本人が後追いをする仕組みで運営したとしても)。ヒアリングシートをform形式で用意しておくことで後追いを容易にする、次回の展示会のヒントを得る、パフォーマンスの良いメンバーの知見を横展開する等、会社の資産としてとても活用価値が高いので、自社に合うヒアリングシートを用意してみましょう。

参加者のロールを明確にしておく


シフト作成のパートでも軽く触れていますが、どの部門の方に何を求めるべきかは明確であればあるほど良いです。メンバーによって強みとされる領域が違いますし、個々の強みを最大限に活かすにはそれに合ったロールを提示しておくことがとても有効的だと思います。顧客のペインを言語化することが得意なメンバーにはなるべく多くの来場者と会話できる様なロールを、既存顧客のリテンションを担当しているメンバーには来場予定の顧客対応をお任せするなど、強みを最大限に活かすロールの指定とバランスを考えたシフトを組んでおくと良い結果を残す確率もその分増えると思います。
合わせて、新しく入社された新人の方やビジネスサイドではないメンバーの参加は成果にコミットする為のヘッドカウントとは別で管理することによって、展示会参加に対する不安を少しでも軽減させながら展示会での「経験」に意義を感じてもらうともっと良いでしょう。

展示会の説明資料を用意する


会場のブース造作を最終確認しにいくと、たまに大手企業の超大型ブースにて数十人の参加者がオリエンテーションを受けることを見かけることがあります。かなり早い時間から遅い時間までオリエンテーションに時間を使い、実際とても良い成果を残しているとのお話を伺うこともあるほど、実際参加するメンバーの展示会オペレーション理解はとても大事であるといえます。
その際にターゲットとしている業界や職種、展示会の目標やブースでの役割分担など、できるだけ細かい説明を加えると本番での混乱を最小限に抑えることができます。そして、会を繰り返すことにより、どんどんこちらに使う時間も節約できる様になるので、一度しっかり用意しておくと、マイナチェンジで繰り返し活用できるので、とてもオススメです。カミナシの場合、スライドショーを活用した資料及び録画ももちろん用意しますが、別途Documentを残すなど、メンバーによって使いやすいチャンネルで情報収集ができる様にしています。
特に、新しい業界の展示会に出る時に、私たちが考えている仮説とこの仮説がどう活きるのかというシナリオをセールスの皆さんと作り上げて参加すると、普段新業界にそこまで明るくないメンバーでも早く慣れたりするので、まだ参加経験がそこまで多くない方々、新しく展示会に出ようとしてる方々など、経験が浅い方々は是非ご活用ください。
カミナシでは展示会によりますが、新しい造作のテストの際に、メンバーが混乱しないようにフォーメーションまで決めてパフォーマンスを最大化することに注力しています。

運営関連


いよいよ最後です。今回の内容で獲得できるリード数が大きく変わるかというと、ほとんどの内容が「そうではない」になるでしょう。ただ、一つ一つの施策が積み重なりパフォーマンスが良くなることにはカミナシでの経験を通じて確信が持てていますし、何よりその中身が変わることが何より実感できると思いますので、最後までお付き合いください。

毎日朝礼を行う


会期に際して朝礼を行う企業様の方が多いかと思いますが、朝礼ではどういう話をされていますでしょうか?「張り切って一日を過ごしましょう!」というのももちろん大事ですが、みんなで以下の内容を擦り合わせることを試してみるのはいかがでしょう。

  • ターゲットの再確認

  • 本日の目標

  • 簡略な展示会の攻略法の再喝

  • その他注意事項

  • (来場予定の既存顧客様や商談中のお客様がご来場予定の場合、その情報共有)

事前説明会などをしっかり用意しておいても、展示会参加者全員が説明会に参加できないこともあるかと思います。もしくは忙しくて細かい内容まで熟知できないことも考えられるのでしょう。その為、必要最低限の情報をコンパクトにまとめて5分〜10分程度で共有しておくだけでも当日のパフォーマンスにかなり響くと思います。

遅くとも初日中に狙いを定める


事前準備をいくら徹底しても、いざ展示会に参加してみると、展示会によって細かい調整が必要な部分が出てくると思います。オペレーションを担当するマーケターの皆さんはヒアリングシートを定点観測しながら、事前に立てていた仮説と合致した内容で会話ができているか、みんなにもっと共有しておくとパフォーマンスが上がりそうな領域はないかキャッチし、参加者の皆さんに共有してください。多くの展示会は三日間の会期しかないので、初日の早い段階で軌道修正をしておくことが成功的な展示会に繋がるので、綿密に確認しましょう。

獲得名刺の振り分けはリアルタイムに


企業によって名刺管理方法はそれぞれだと思いますが、カミナシの場合、インサイドセールスチームがスピーディーに後追いに当たれる様に、振り分け作業をリアルタイムに行っています。実際来場者の傾向がどうなのか、来場者パスの先にある新たな振り分け基準などはありそうなのかなど、当日中に改善できる要素を見つけ、参加者の皆さんに情報共有を行うことで、更にパフォーマンスを加速させることができます。業界別・ターゲット別等、自社において最適な分け方で分類法を見つけ、是非お試しください。

ブース内プレゼンテーションの積極活用


出展準備段階編で軽く触れたことのある、ブース内プレゼンテーションですが、出展規定に違反する形でなければ(大きい音を出し続ける等)、何度実施しても良いものとなります。通りかかっている来場者様の足を引き止める役割にも、サービスの紹介を軽くするにも、商品の実演にも活用できる万能なものなので、皆さんならではの活用法を模索してみてください。
カミナシの場合、主に業界共通の課題に軽く触れた上で、プロダクトの説明をメインテーマにしております。ただ、展示会に参加するいろんなメンバーが実際セミナー登壇者としても活躍でき、それぞれ異なる強みを持っていたりするので、ブース内プレゼンをメインで担当する固定メンバーに加え、シチュエーションに一番合ったメンバーに1-2度ほど、プレゼンテーションをお願いしたりします。

1日が終わったら必ず振り返りを行う


未経験から1年以上展示会を担当させていただきながら、展示会こそ集団的知性を活かせる最適な場所なのではないかと強く思う様になっているのですが、その根拠となるのがこの毎日の振り返りにあります。最初は自分の中で知見を蓄積する為に、セールスの経験がないので、同じ立場の人に役立てるポイントを見つける為に、参加メンバーがより快適な環境で働いてもらう為にと、どちらかというとオペレーション起点での振り返りをしてみたいと思ったのがそのきっかけでした。ですが、1日感じたことをまだ記憶が新しいうちに話し合いながら、明日の参加者により強い武器を与える為の工夫の場にどんどん進化していって、今となっては初日の雰囲気のままだと、失敗に終わってしまう可能性が高い展示会がKPIを軽く超えてくる展示会にまで発展したり、まだ経験が浅いメンバーが輝かしい成果を出してくれる様になる等、当初の期待以上の取り組みとして活用されています。
とはいえ、どういう話をすればいいのか、最初は混乱もあるかと思いますので、

  • 一日通しての感想をヒアリング

  • こういう話はこういう方々に刺さったよ〜など手応えのある話

  • 全く新しい視点で学びになったこと

  • オペレーション面で改善して欲しいこと

などから聞いてみるのは如何でしょう。
展示会を運営する側からすると既に全体を俯瞰してみないといけないので、即座に改善したい要素があちこち見えてくるかと思いますが、実際展示会の1日は目まぐるしいほど忙しくすぎていくことが多いので、ブースに立って来場者対応をしているメンバーにとってはそれどころではないことが多いです。ただ、こうやって1日を振り返るという意味で互いに感じたことを共有しながら、頭の中を整理する時間を設けることにより、その翌日の動きに変化が出ることもそうですが、振り返りがあるから良かった話はしっかり覚えておいてみんなに共有しよう!という意識も芽生えてくるので、本当に良いことしかない取り組みだと思っています。
展示会に多く参加し、キャッチが既に早くなっているメンバーも増え、最初ほどの改善やヒントが得られる場ではなくなっているのが、カミナシの現在ですが、今でも振り返りで改善できる要素が見つけられたりするので、まずチャレンジしてみてください。

1日の結果報告、翌日以後のオペレーションアップデートを毎日告知していく


振り返りをしっかり行って満足してはその場の価値が半分しか発揮できなくなるもったいなさを感じられると思います。毎日同じメンバーが参加できる展示会もあれば、そうでない時もあります。基本的に毎日得られた知見が翌日参加メンバーにインストールされた状態で戦える様、振り返りの内容をしっかり言語化し、その日中に他のメンバーに共有する習慣をつけると良いと思います。その日の結果はみんなとても気になるものだったりするので、初速の結果報告と共に、翌日の皆さんにはこういうところを意識しましょう、展示会場の雰囲気はこうでした、会期前説明会で話した内容とこういうオペレーションの変更点がありますなど、告知の場として共有しておくと、みんなも確認しやすいと思いますし、翌日、最終日どんどんパフォーマンスが変わってくることが実感できると思います。

最後に

はい、以上でございます。
ここまで完読してくださった皆様、本当にお疲れ様でした。
いかがでしたでしょうか。少しは役に立ったと思う方々がいらっしゃると嬉しいですね。
実はこのコンテンツを最初に書き出した時は文字量がちょうど2倍くらいありまして。。。現時点でもまだまだ改善しないといけない内容が山ほどありますし、まだまだ語れることも色々ありますが、自分なりに参考にできるのではないかと思うものをまとめてみました。

これからカミナシの展示会は次のステップに向けて更なるアップデートをしていきます。いわゆる「イケてる」企業様の様な華麗さは足りないかもしれないですが、カミナシなりのやり方で一歩ずつ、愚直に成長していきたいと思います。
またこういうまとめ版が作れる日がくる様に引き続き頑張っていきます。

最後に!
とっっっっっっっても発信が苦手なきむでございますが、今更ながら発信を頑張っていこうと、X(Twitter)を初めてみました!これからはnoteもSNSも少し頑張っていきたいと思いますので、カミナシに、カミナシの展示会にご興味をお持ちの方々は気軽にお声がけください!(絶賛採用中でございます。)

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では、また!

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