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置いていく日常

なにかあるかも知れないし、なんにもないかも知れないし。そんな日常の中でふと見つけた出来事や思い浮かびを、ゆるりとここに置いていきます。
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2024年3月の記事一覧

未だに「パンツ」も馴染まなくて

お笑い番組を見ていると、「凄い」とか「上手い」とか「高い」とか「出来る」みたいな事が「おもしろ」になる事がある。その逆が「おもしろ」になるのは何となく合点がいくけど、ただただ凄いだけの事や、ただただ高いだけの物がどうしたって面白くなるのはなんでだろう。いかつい高級時計や車が面白かったり、ここぞという場面でバシッと決めたチップインが面白かったり、見事な料理の腕前が面白かったり、誰かの家の玄関に鎮座した大きなオブジェが面白かったり。それ自体は何一つふざけていないのに、人だったり状

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今でもササッと空で描ける

二十代後半だったろうか、深夜バイトを終えて帰って来た朝方のニュースを何気なく見ていたら赤塚不二夫さんの訃報を伝えるニュースが流れて来て、天才バカボンを見て育ち、おそ松くんを見て育ち、もーれつア太郎を見て育った私の心と脳みそは、その知らせを聞くなりすっかりぽかんとしてしまって、「えー」とか「まじかぁ」とか時々ぽつりと言ったり思ったりしながら、距離感の掴めないままふわふわと、でも一つも聞き逃さないようにじっとテレビを見つめていた。ご本人とは会ったこともなければ見かけたこともなかっ

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例えばチップ初期世代

「昔は良かった」と昔を生きて今も生きてる世代が言う。それを聞いた今とその先を生きていく世代は「知ったこっちゃない」と撥ね退ける。便利と豊さは必ずしも一緒の所にあるとは限らないという声は何時の時代にもあって、多分この先もずっと言われ続けていくのだろうけど、いよいよ本当に科学技術が進歩して全てが体に埋め込んだチップ一枚で完結するような時代になった時、その時代の若い頃を生きた大人たちは、一体どんな瞬間に「昔は良かった」と思うのだろう。

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一生恨んでやると心に強く誓うのだ

私の住んでいる街はファミリー層が多い事もあって、駅周りのそう遠くない距離に保育園が何軒もある。午前中に家を出て駅に向かうとその各々の保育園の園児たちが保育士さん達に連れられて散歩をしていて、隣のお友達君と手を繋ぎながらちょこちょこと歩いているその姿が何とも微笑ましい。純粋な興味に身を任せてあっちを指差したりこっちを指差したり、それでも横断報道に差し掛かると先生のお知らせをしっかり聞いて手を上げて渡っていく。中には時々ぐずっている子や、お母さんが恋しくなったのか突然泣き出す子な

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