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置いていく日常

なにかあるかも知れないし、なんにもないかも知れないし。そんな日常の中でふと見つけた出来事や思い浮かびを、ゆるりとここに置いていきます。
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2024年2月の記事一覧

それでも電車を乗り継いで

古本屋でギャルを見掛けた事が無い。ブックオフのような大衆的な古本屋なら話は別だけど、例えば神保町にあるような、はたまた吉祥寺の路地裏にあるような、店員さんが一人だけの、レジの向こうで静かに座って本を読んでいるような古本屋には、いわゆるイケイケのギャルはやって来ない。小説や漫画が好きなギャルだっているはずなのに、写真やアートが好きなギャルだっているはずなのに、そう言う本のバックナンバーや掘り出し物が眠っている、ブックオフよりも渋くてマニアックな品揃えが期待できるあの古本屋には、

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男があって、女があって、それ以外にも色々あって

「女優」と言う言葉がめっきり姿を消してしまった。男だから、女だから、男たるもの、女たるもの、みたいな事を言い切ることが憚られる世の中になって来てしまって、バラエティー番組に番宣でやって来た女性の役者の名前には、もうどこを見ても「俳優」の文字が添えられている。本人の意向を反映しての場合もあるだろうし、多分その場合はその言葉を選んだ本人のしっかりとした意思がそこにある。性別が理由で降りかかる理不尽や不幸は男だろうが女だろうが決して有ってはならないけど、言葉に対する意思も何もない所

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この渦に飲み込まれていたのか

柿ピーが止まらない。四年間の歯列矯正がようやく終わり、ご法度だった固い食べ物も遂に解禁され、満を持して酒のつまみ不動のNO.1だった柿ピーを食べたら止められない、止まらない。この四年ですっかり乾ききっていた体は与えたら与えた分だげ柿ピーを飲み込んで、あの味、あの食感、これはもうリバウンドを通り越して中毒の域に及んでいるような気がする。なるほど、いけない悪魔のお薬に手を出して戻ってこれなくなる人達はこの渦に飲み込まれていたのか。(たぶん全然違う)

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それはそれはそれは

遂に、遂に遂に、遂にとうとう遂に遂に、とうとう遂にやっとこさ遂に、遂に遂に遂に遂に、これぐらい重ねれば足りるだろうか、とにかく遂にようやくとうとう、矯正器具が外れたのである。部分的にでもなく、取り外し可能なマウスピース型でもなく、歯の裏側の上と下の全部にがっしりと装着されていた矯正器具が、四年の歳月を経て、今、正に取り外されたのである。この開放感、この身軽さ、このノンストレス。ようやくやっとこさ遂に遂に遂になのである。

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