Matt (Katsunari Matsui)
スタートアップM&Aや資金調達など、スタートアップ・ファイナンスの話題中心
前回の記事(その2)では、「スタートアップM&Aの規模化と質の向上」という課題のうち、スタートアップM&Aの「規模化」について、スタートアップBATNAの有無や強弱という観点で書きました。 今回は、スタートアップM&Aの「質の向上」について少し深堀りしてみます。 スタートアップM&Aの質の向上 前回のスタートアップBATNAの観点では、逆説的かもしれませんが、スタートアップM&Aは、今すぐの必然性が無い(ように多くの買い手候補に見える)状況で交渉・意思決定することが、企業
前回の記事(その1)では、「スタートアップM&Aの規模化と質の向上」という課題に取り組むきっかけとなった複数の原体験のうちの一つについて触れた上で、課題の概観について書きました。 https://note.com/jaws/n/n0333035e0d26 今回は、「スタートアップM&Aの規模化」について少し深堀りしてみます。 スタートアップM&Aの規模化 スタートアップM&Aにおける企業価値のFair Value (公正な時価)は、日本では、PayPalが買収したPaid
自分のスタートアップ・ファイナンス分野でのキャリアの初期において印象的だったスタートアップM&Aは、2008年10月頃に在籍していた日系大手VCにて、米系大手VCなども投資していた中国のとあるテクノロジー業界で、M&Aを繰り返しながら業界3位以内まで上り詰めたスタートアップ(創業者は中国の女性起業家でハーバードMBA卒)でした。 最終的には100億円超で同業に買収されたのですが、その直前に10億円超のVC投資を検討をしたご縁でした。リーマンショック直後だったので、世界中のV
ライブドア事件やリーマンショックのときの経験も踏まえ、今回の新型コロナのように出口がまだ見えない不況のときに、基本に立ち返って検討する項目を整理するプレゼン資料を公開しております。基本に立ち返りたいときの頭の整理に役立てば幸いです。 (プレゼン資料) https://www.dreamincubator.co.jp/wp-content/uploads/2020/04/20200428v1_covid-19_online-consultations.pdf (関連するプ
明治〜昭和初期の後藤新平の言葉をヒントに、人を育てることとM&Aを含めた経営のバトンタッチについて考えてみました。 金儲けありきよりも、人を育てていく重要性などを説く文脈で多方面で引用されている名言です。 (後藤新平の詳細については様々な専門家による研究・文献などがありここでは割愛しますが、“謀反人の子”と蔑まれる逆境からスタートしながらも明治〜昭和初期にかけて医師・官僚・政治家として活躍した人物です。様々な業績の一部としては、科学的・生物学的なアプローチで緻密で
(2022年9月13日 更新) 主なVCといえばJAFCO, SBI, NIF, JAIC, Globisなど5社前後を指していた頃から飛躍的に増えたとは思っていたが、改めて数えてみて、合計500社以上、CVCだけでも400社以上、VCだけでも100社以上あります。 最近では、Web3特化ファンド、セカンダリー特化VCファンドや、ベンチャーデット・ファンドも複数出てきましたので、それらも含めています。 なお、投資家候補へのアプローチや交渉のポイントなどはこちらのファイナ