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退院後の一週間はあっという間だった#006 一時退院編

夢の退院からの一週間はそれはそれはあっという間でした。。。

それまでの3週間に色々なことが起こりすぎて、何も理解できないままに物事が進んできていたので、お家でNetflixとかHuluを見て過ごす日々がどれだけ幸せだったのかということを感じるようになりました。

家族と取り寄せたねぎしの牛タンを食べてNetflixを見たり、祖父母の家にいき、東急で買ったお惣菜を食べたり 。
それまでの日常と変わらないような過ごし方をできたのが何よりもありがたかった。

放射線治療と抗がん剤も使用するので、「髪の毛があるうちに写真を撮っておこう」とお母様に言われ、ウン年ぶりに家族で集合&彼女も引き連れて、写真を撮影しました。

なんか、このときの気持ちは絶妙なもので、「これが死んだら遺影になるのかな」とかいろんなことを考えてしまいましたが、何よりも帽子を外して写真を撮っているので、前髪のハゲポイントが映らないかどうかが心配で仕方ないって感じでしたね。

この一時退院時に食べたのは寿司、牛タン、中華料理といった感じで、病院食では食えなかったものばかり!
次の入院からは、病院食をやめる+ケトン食というものを始めて治療に役立てるということで、好きなものを好きに食べられるのはこれが最後かもという思いで心から楽しみました。

精子の保存に向かおうかなと思い、病院からの書類を確認しようとするとなかなか見つからない。
彼女に聞いてみると、僕が退院する前に家族と彼女に説明があったとのこと。

「どれくらい長生きができるのかわからないから、精子は保存しない」という結論に家族の中で決まったので、その書類は持っていったと彼女には言われました。
正直、その話を聞いた時に「本当に死ぬのかな」みたいな感情が湧いてしまい、恐ろしくてしょうがなくなってしまい、なかなかその日は寝付けない、、、

家族の気持ちもわかるけど、僕の気持ちや選択は無視されてしまうという現実にもぶち当たるし、今までの自分がどれだけお気楽に治療に臨んでいたのかを実感してしまい、「死にたくない」という気持ちが湧いて来てしまい、なかなか寝られない。

心の中では絶対に大丈夫と思っているのにぐるぐると思考がループしてしまい、その日は朝の5時近くまで寝付けなかったのを今後も忘れることはないと思います。

思考がループしているうちにだんだんと怒りが湧いてきました。
「冗談じゃない。死んでたまるか、絶対に生きてやる」という気持ちに変化してきたのです。
再入院も近づく中、「生きてやる」という気持ちが、僕の中でだんだんと強くなっていくのでした。

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