踊れる曲からみる音楽史

・はじめに

 「前回の音楽史シリーズから一体どんだけ経ったんだ、もう興味ねぇよ!」
 と言われてもしゃあねぇなと思いながら書いております第5回音楽史シリーズ。
 今回は節目の5回ですのでスペシャルにいこうと思います。(失いしフォロワーよ、甦れ!!)
 テーマはJimi Hendrixからみる音楽史から引っ張りに引っ張った"踊り"は鑑賞に入るのか?でございます。
 小生、いろいろとウィキペディアやら解説やらを見たのですが結局何もわからんになってしまいました。
 そこで今回は古今東西の踊れそうな音楽をまとめてみて俯瞰的に見る(聴く)ことで結論を出そうかと思います。(今回の文では、紹介する楽曲は踊れる音楽であるということを前提にしています。)
 また、スペシャル回なのでYoutubeの動画も貼りつつ、動画を見なくてもわかるように書いて行けたら良いなと思います。
 また、”意識的な踊り”(踊ろうという意識が前提としてある)と”無意識的な踊り”(踊ろうという意識が前提としてない)という視点を軸に考えていこうと思います。
※以下の文章の見出しは 曲名/バンド で書いていこうと思います。
 洋楽を調べている最中にこの辺りの表記ゆれのせいでいたずらに同じ曲ばかりを聴く現象が起きるため、曲を紹介する際には今後もこの形式で行いたいと思います。

1. I was a Fool / Sunflower Bean

 本特集の一発目として、2017年に発表されたSunflowerBean の I was a Foolをお届けします。 
 2010年代後半から2020年代にかけての音楽の特徴として、R&Bへの傾倒と、リズムの見直し、ベースラインに比重を置いたポップソングが多いということが言えると思います。
 この曲のイントロはドラムのフィルからの重くリズミカルなベースで始まります。そして基本的にはひたすら続くエイトビートの中でネオアコースティック的なギターが左右で鳴っています。後半部のギターソロではロングトーンとディストーションを用いた情緒的なフレーズではなく、50sのブルースやジャズなどに影響を受けた初期のロックンロールを参考にしたクリーンなギターソロが添えられています。
 例えば、このドラムとベースラインにナイルロジャースのようなファンキーに攻めていくギターが入っていたとしたら、この楽曲のもつリラックスした雰囲気(空間)は生まれなかったのではないかと思います。
 このリラックスした空間に我々人間が踊る隙が生まれるのではないでしょうか?
 逆説的に言えば、この楽曲は古典的なR&Bが要求するような激しい踊りを求めていません。つまり”体を動かす踊り”というよりも、プリミティブ(原始的)な現象としての、”体が動いてしまう踊り”を引き起こすのではないでしょうか?
 
 

2. Le Freak / CHIC

 二曲目として、前の曲で引用されたCHICの名曲、Le Freakをお送りします。
 先ほどの曲とはうって変わって、複雑なリズムを刻んでいくドラム、そして土台として完成されたベースを聴くことができます。その上に乗るのは繰り返し同じフレーズを刻むギターと発音のはっきりとした短いパッセージでまとめられたリズミカルな歌唱です。
 これぞポリリズムの美学と言わんばかりのリズムの応酬を聴くことができます。
 端々に挟まれるストリングスとピアノが生み出す緊張感は、ある種の置いていかれそう空間を生み出しているように思えます。
 例えばサッカーのようなスポーツを観戦している際のハラハラ感と言いますでしょうか、体に訴えかけてくるものがあるように感じます。
 このような音楽は先ほどのSunflowerBeanのI Was a Foolと比較すると緊張感をコントールすることに重きを置いており、ともすればこの空間に乗っかろうという意識が無ければ踊ることは難しいのではないのかと思います。
 踊ることを目的としたときに、この曲は最高の音楽の一つなのではないでしょうか?

3. Blitzing Bop / Ramones

 さて、次の曲はパンクです。
 おいおい、パンクかよ、と思いますでしょうが、ポゴダンスといういうなればひたすらジャンプをして暴れるというダンスも概念としては存在していますので、踊りに詳しくない私でも論じられるだろうという態度でご紹介いたします。
 とてつもないスピードで進んでいく音楽と熱狂する観客、つまるところ、踊りというのは肉体と精神の共同作業なのではないでしょうか?
 このRamonesのパフォーマンスを見て、いわゆる芸術としての踊り、音楽を必要としない踊りとは、ある種の芝居として観るのが正しいのではないかと思う。それは第2者である観客を必要とするという前提から見ても明らかである。一方で、音楽のある踊りというのは第2者を必要としていない。
 つまり、誰かに見せることを必要とせず、感情の赴くままに、体の赴くままに動くというのが、踊りなのではないでしょうか。

4. Virtual Insanity / Jamiroquai

 ジャミロクアイと言えばへんてこな帽子にジャージ、アディダスのスニーカーというイメージです。この現代的(2000年代的?)なファッションと近年のサイバーっぽいイメージがあります。しかし、その実、楽曲はモータウンなどの古典的なファンクを踏襲しており、特に1stアルバムにおけるキーボード(エレピ)の音色とフレージングは非常にモータウン的です。
 先に紹介した3曲と比べるとよりマイナー感というか落ちつた雰囲気があり、大人っぽい印象を受け、クラブよりもボールルーム的と言ったらいいのでしょうか?上がることよりも前へ前へと進んでいくイメージがあります。
 ちょうど意識的な踊りと無意識的な踊りの中間に位置するような楽曲だと思います。


・さいごに

 さて、スペシャルという言葉でけむに巻いてやっつけ回を何とかしのぐというテレビ業界の裏技を真似してみたのですがいかがだったでしょうか?
 正直”踊り”についての素養は全くなく最後に踊ったのは中学校のソーラン節ぐらいなものでして、テーマにすると掲げたときから正直やめとけばよかったなと思いました。
 酔った勢いで友達の家で書いちまったのが運の尽き、ってことでこまったぜ~となりそこから仕事が忙しくなりあれよあれよという間に年末です。
 踊りについては長い間いろいろと疑問を持ちつつもよくわかんねぇなとスルーしていましたが僕の中で腑に落ちることが多かったのでいい経験になったのかなと思います。
 踊れるか踊れないかという観点は今までもってこなかったのでお読みの方で踊れる音楽を知っていたらコメントなどで教えていただけると幸いです。
 
 ここから先は個人的な今年の総括になっていくのでここで読み終えた気になっても大丈夫です。
 さて、noteを始めてからちょうど半年がたちまして、最初に立てた目標は週に1記事というものでしたが気づけば月に1記事ペースとなっていました。
 そもそもnoteを始めた理由としては一番初めの夢が小説家だったのを思い出し、何か書いてみようと思ったからでした。
 やってみれば結構面白く結果もついてきたのでいいなぁなんて思っております。
 それではみなさん、よいお年を
 もしかしたら年内にもう一回なにか動きがあるかもしれません。
 それではバイバイ


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