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JASTPRO DXの道 第3話「IT化の着実な取組の具体例」

【初出:月刊JASTPRO 2022年1月号(第513号)】

ITは怖い、難しい、避けたいというのは遠い昔のお話。今のITはとてもフレンドリーで便利なもの。そんな認識で取組みを続けていけば、それがDXへの道となって、新しい価値を皆さまにお届けできる日が来るのではないか。まずはIT化を進めること。それがDXへの道そのものであると理解し、光が見えてきたところという締めくくりで第2話は終わっていました。

新型コロナウイルスの感染拡大防止策として3密の回避が叫ばれると同時に、各種の対策を行ってきました。在宅勤務・時差出勤の導入に加え、会議・打ち合わせは対面での密を避けるため、オンラインでの開催が増えました。当協会でも遅れることなくオンライン会議ツールを導入し、評議員会・理事会の各委員と議題の事前説明を含むテストを繰り返し、本番への移行をしてきました。当初は意図しないミュートや映像表示ができないなど、いろいろなトラブルが発生しました。当時利用者の増えつつあったツールを採用したこともあり、経験を積むことにより割とスムーズに使いこなせるようになっていました。例えば音声をミュートにした参加者に対して当初は電話をかけて状況を確認しておりましたが、慣れるに従い会議を進行しながらチャット機能を使いトラブル回避が可能となってきました。冒頭にも記載したとおり、今のITはとてもフレンドリーで便利なものでした。

しかし、実はフレンドリーで便利なものと気づくまでには少々の紆余曲折がありました。当協会においては、2019年度にいったん無償版のグループチャットツールを導入したのですが、これ単体だけでは本来持つ便利さを活かせないまま、不評(慣れ・不慣れ、使い勝手・不勝手、好き・嫌い等の要因)だったために利用を中止しました。正直なところ、この時点では情報共有の必要性をそこまで重要視していなかったことも一因かもしれません。

そうこうしているうちにコロナ感染が急拡大で、在宅勤務体制を常態化する必要に迫られ、このままでは在宅勤務においては事務所のファイルサーバーにアクセスできずに仕事にならないという声が職員からは挙がって来ました。そこで、手元の端末にオフィスPCのデスクトップ画面を呼び出して操作するリモートアクセスサービスを(予算の都合上)一部の職員向けに導入。外出先や自宅にいても、インターネットにつながるPCやタブレット、スマートフォンを利用してオフィスにいるのと同じような業務が行えるようになり、テレワークに対応する在宅勤務の基礎を作りました。

その後、職員のスケジュール管理のため2020年度に国産グループウェアのスケジュール管理ソフトを導入したものの、一朝一夕には100パーセントの移行には至らず予定表の共有は壁に貼っているホワイトボードも並行して使い続けるという笑えない状況が続きました。

どこからでも仕事をできるようにするための「リモートアクセスサービス」とスケジュールの管理もファイル共有もクラウドで行う「国産グループウェア」を導入して一件落着・・・とはいかず、さらなる費用対効果を検討している時に、かつていったん導入を中止したグループチャットツールがさらに進化していること、さらにこのツールは単体ではなくグループウェアとして導入することで一層効果的に活用できることが分かりました。

この統合グループウェアツールはメール、スケジュール管理、ファイルサーバー、チャットなど、仕事に必要なコミュニケーションが全部できるということだったので、2021年10月より本格導入を開始しました。再度かつて導入を失敗した無償版でコスト増を回避しようと自力で導入に挑戦しましたが、ツールやパソコンの設定が素人には難しく、DX推進には知識とスキルを持った人材が必要であることを実感したところです(幸運にもこのタイミングでITに詳しい職員を採用でき、彼のおかげでこのグループウェアは無事導入されました)。このグループウェアは、アプリ同士の連携が簡単に行えるところや複数のデバイスで使えるところがとても便利。導入後はリアルタイムな情報共有とペーパーレスを目指し、プロジェクト毎にチームを作成し情報共有するという最大のメリットを享受できるようトライ&エラーの毎日です。使って慣れることが一番です。

もう一つ、当協会が昨年4月にリニューアルしたホームページを活用したIT化の具体例を紹介いたします。

それは海上コンテナに搭載する危険物の申告とコンテナ以外のバラ詰み貨物の危険物申告の際に使用する「危険物明細書標準書式用紙」(以下「書式」)の販売に係る手続きをホームページ上での申し込みを可能にしたものです。

以前はお客様がFAXで申込みを実施、当方からは書式と請求書をお送りし、お客様に届いた後に代金を振り込んでいただくと言う流れでした。しかし、今の時代わざわざFAXを送っていただかなくてもワンクリックで注文できる方がお客様に便利なはず。また、FAX受付よりも業務を効率化して迅速に対応できるようにするため、当協会ホームページに申込フォームを作成し、協会内でダミーテストを繰り返し実施。問題なく動作することを確認後、今までFAXを利用し発注いただいていたお客様に発注方法の変更についてご案内し、2021年6月1日より切替を実施。移行はスムーズに行われ現在に至っております。事務所内での注文情報の共有もメールによる方法に変更したことにより、複数の職員で注文の情報共有ができるようになりました。また、かねてから使用していたインターネットバンキングの活用により、速やかな入金確認も可能になるなど、お客様だけでなく、当協会にとってもメリットがありました。今まではお客様へ書式が届いた後に入金していただいていましたが、発注方法の変更に合わせて後払いから先払いに変更させていただき、未収金処理もなくなり事務効率があがりました。

今回はグループウェアの導入と、リニューアルしたホームページを活用した書式販売についてご紹介いたしました。実はこのホームページリニューアル、お客様と当協会をつなぐ大変重要なツールであるとの認識から一大プロジェクトとして敢行したものです。次号では、このホームページ刷新について詳しくご紹介いたします。(つづく)

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