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2極化するプロテストと混乱の中で in NY

白人警官によるGeorge Floyd氏殺害のヴィデオ拡散によって火がついたプロテストは今日で4日目に入り、NY市エリアは混乱が続いている。

まず、日に日にプロテストそのものは巨大化しているけれども、日中のプロテストのマーチは、ピースフルサイレントに徹している人たちも多いようだ。場所により、非暴力を意味するアクションで、両手を上に上げながら行進している人たちのグループもいる。つまり、あくまでも暴力は正解ではないと言う理解に基づいたシュプレヒコールで、全米でもGeorge Floyd氏の名前を呼びあげたり、生々しくも”I can't breatth!”(息ができない)とFloyd氏が亡くなる前に警官に訴えた言葉を反復している人たちもいるようだ。

ただ、以前もつぶやいたように、そのように真面目に平和を訴える人たちをハイジャックしようとしているアナーキーな集団というのもいて、そういったグループの一部が、夜になると強盗や警察に向けての暴力的行為をするチームに変身していたり、ローカルの憂さ晴らし集団もその中に混じって店舗のガラスを割って強盗を犯している可能性も十分にありえるかもしれないと今日もクオモ氏が言っていた。

そして、今日の会見では、クオモ氏は本当に嘆かわしい表情を隠しきれない様子で、本日の死者数、感染者数などのデータの報告をしながら、ここまで90日以上みんなで自粛してソーシャルデイスタンスやマスク、そしてステイホームを心がける事で頑張ってきて、やっと1日1000人近い死者が出るところから100人以下に、感染者数や患者数も下降してきたにも関わらず、今回のSocial Distance やマスクを軽視した人も多くいる集団プロテストによって、さらなる感染拡大は否めないだろうと言った。

だから、来週に控えた一部のロックダウンオープニングは、我々はある意味最悪の状況で挑まなければいけないことになったと。

真摯に人権のことを考える政治家であるクオモ氏やデブラシオ氏は、人種差別反対のプロテストそのものを反対する理由はどこにもない。ただ、この状況で、明らかにみんなの感情が先走ってエスカレートしてしまい、ウイルスの脅威と戦わなければいけないパンデミックの状況下であることがすっかり忘れ去られていることの影響が、後になって感染拡大によって証明されることになることをコントロールできないことは、二人とも本気で恐れている。

それは、普通に考えても十分に考えられる。だから、その意味でもこの状況は本当にChaosなのだ。

そう考えると、アフリカから黒人の人たちが奴隷としてこの大陸に連れて来られた後、南北戦争で奴隷解放が行われ、黒人の人たちが普通の人権を獲得することを快く思えなかった人たちが、人種差別というシステムを作り始めたことに始まったこの誤った問題の歴史を根本から塗り変えて行くには、一人一人が人種を越えて人間として一つになる為に今何ができるかを本気で考えることは、この国が乗り越えなければいけない最も大きな課題に他ならない。そして、それには十分の、911以降の最大のプロテストが今すでにパンデミックのChaosのこの国の方々で起こっている。







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