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続・デンタルフォビアな日々・NY歯科事情   その2

さて、前回の投稿で、緊急の歯科治療が必要な状態になり、NYU(ニューヨーク大学)の歯学部エマージェンシーに飛び込んでから、2回目のエマージェンシー訪問に至るまでのの諸々の経緯は説明した。

2回目のNYUエマージェンシー

そんなわけで、色々な手続きで時間がかかり、歯だけでなく、歯神経、歯茎などの痛みが前以上にひどくなってしまった私は、結局2回目のNYUエマージェンシーを訪れることになった。

前回の事もあり、レントゲンの資料も事前に用意してあったので、2回目のエマージェンシーで私を担当した歯科大生は、初回の担当の学生よりはもう少しプロっぽい雰囲気だったので、多分何がしかの専門の勉強を始めているシニアの生徒なのだろうと思った。

その日は彼女にもう一度局部のレントゲンを撮られた。
流石に彼女はシニアだけあるせいか、レントゲン準備の諸作業は痛かったけど、キレイな写真が撮影できていたようだった。

そして、彼女がデイレクター(教授)を呼んでレントゲンを見せながら判断を仰いだところ、最終処置は ”すぐに神経治療が必要”とのことだった。「あなたの歯は、根っこの神経が感染してひどい炎症を起こしてしまっているから、治すにはそれしか方法がないのよ、、、。」とデイレクターに言われた後、そのシニア歯科大生は、私を他の階の神経治療専門の窓口に連れて行き、予約状況を聞いてくれたのだけれど。。。

神経治療の予約は3ヶ月後まで一杯。。

カチャカチャと1分以上長いネイルでパソコンを打ちながら、受け付けの女性が最後に言った一言は「そうね、次の治療予約が取れるのは、一番早くて9月ね。それまでは完全に一杯だは。」とのこと。。。。
(エマージェンシーに行ったのは6月)

痛みを抱えて途方に暮れる私に、その生徒さんは、「とにかく予約だけして、もっと早い時期にキャンセル待ちが出ないか電話で何回か聞いてみて。そうすれば、空きが出ることはあるから。」と言い、最後に「痛みがひどくなったらタイレノールとアドビルを4時間おきにね。自然療法だとかホメオパシーのことは忘れるのよ。」とだけ言い残したまま、帰宅時間が近いのか、さっさとその場を立ち去ってエレベーターで上の階に上がってしまった。。

キャンセル待ちは全く発生しないとは言えないけど、すでにウエイテイングリストまであるみたいだし、その上で、このひどい痛みと腫れを抱えながら、毎日なかなか電話が繋がらない神経治療のデパートメントに電話して可能性薄のキャンセル待ちがあるかどうか聞くだけでもしんどい。。。

さすがにこの状況には絶望感が倍になってしまった。。。

ただでさえ「緊急に処置が必要」と言われているし、連日痛くてものが食べれなくて、ほっぺたも腫れ上がってずっと流動食が続いているぐらいなのに、3ヶ月なんてとても待てないのはどう考えても一目瞭然だった。

そして、NYUではない外部の歯科医に神経治療を任せるとすると、その値段は最低でも2500ドルから4500ドルはかかる。。(もっと高く取る歯科医もここには普通にいる)しかも、初診料やレントゲンは別料金だ。

この事実を考えるだけでも、目の前が真っ暗になった。

しかし、このまま放置できるような状況ではない。。

ただ、以前の投稿でも少し書いたけど、私はただでさえ口が普通に開かないので、歯科治療は人一倍辛く、ガチにデンタルフォビアだし、日本では過去に何回か緊張からパニックアタックになったことすらある(ザ・HSP)。
そして、過激な化学薬品系は出来るだけ避けたいと常日頃から思っている。

とにかく緊急なので外部の歯科で治療を受けるしかないけど。。。

となると、外部で歯科治療を受けるならば、せめて自然派の治療に理解がある歯医者を探せないだろうか、という儚い希望もあった。
(はっきり言って、一つ覚えのように、痛み止めにはタイレノールとアドビルをゴリ押しする歯医者にはあまりかかりたくはなかったのだ。NYUでも、私が自主的に色々と勉強しながら使って来たハーブオイルやホメオパシーの痛み止めに関しては、若い歯科大生たちは全く何のアイデアもなく、ただただ懐疑的だった。。)

そんなわけで、とりあえず、相談するだけならせめてホリステイックな考えの歯科がいいと思い、パソコンで探してみたところ、「Holistic Density」のあまりの少なさに驚く。

マンハッタンで検索してヒットしたのはわずか3件だ。。
そのうち一つはハーレムを超えたワシントンハイツ方面なので、遠すぎる。

となると、残り二つから選ぶしか選択肢はない。
一つは、専門家が沢山いる感じの歯科で、それなりにオーガナイズされている雰囲気だった。でも、サイトを見ている限り、これってHolisticといいつつも、普通の歯医者では?という雰囲気もあったので、どうしようかともう一つの歯科のサイトページを見たところ、デザインセンスはともかく、それなりにニューエイジ系が入った雰囲気が感じられた。
歯科治療にとって大事なのは、まずは呼吸によるリラックスである、と言うような事も書かれている。

少ない選択肢から選んだHolistic Density

え?こんな歯医者あるんだ?っていう驚きとともに、さすがヒッピー文化発祥の地アメリカという訳のわからない感動も湧いて来た。

そして、その歯科が気に入ったのは、かつては虫歯治療の主流だったアマルガム(合成金属)が明らかに体にとって悪影響を与えるということを謳っていて、それをセラミックに変える治療も熱心に行っていたところだった。

この話は最近になって結構広がりつつあるけれども、そこまで取り上げて気にしない歯科医も少なくない。

*ちょっと専門的な話になるけど、水銀が50%の合金アマルガムは、過去には虫歯の進行を防ぐってことで重宝されてたんだけど、実は口内で溶け出して、体の内部に入ってアレルギーやアトピー、頭痛などの原因になることの危険性があることがわかってからは、日本でも保険診療は禁止になっているのです。

そんなわけで、取り敢えずこの歯医者で相談しようと決めたのだけど、やはりプライベートの歯科で特別な趣旨のせいか、治療費が普通よりも高めなだけでなく、予約段階でデポジットも取られるということが分かった。
しかも、48時間以内のキャンセルだとキャンセルフィーを200ドルも取られてしまう。

そして、そこまで厳しいコンデイションにしているのは、実はわけがあったのだ。
それについては次回のnoteで書きます。(続く)












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