「明日の食卓」を読んで、、まさに自分と重なった話

28日から公開される菅野美穂主演の映画、

「明日の食卓」の原作を読んでみた。

感想は、、めっちゃ私の話しだ、、と思いました。

母親が最愛の息子を殺してしまう、悲しい話しなのですが、

そこに至るまでのありふれた日常、子育ての中での思い通りにいかない毎日と思ってもみないことが突然起こり、自分を失って、思ってもみなかった自分に出会ってしまう。

今まさに、自分もこのお話にでてくる母親達のように、子供を守り、育て、怒り、笑い、苦悩する。

そして子供は成長していく。その中で、子供は、少しずつ自分の思うようにならなくなる。

そう、8、9歳あたりから子供も反抗を覚えるから。

その時、自分の感情をどうコントロールするか、どこで諦め、どこで子供に寄り添うのか、、。

私も日々自分と息子と戦っています。

話の最後に出てくる、息子を殺してしまった母親は、めちゃくちゃ後悔します。

あんなに大好きだった息子なのに。。

でも、わかるんですその気持ちが。痛いほどわかります。いっときの感情で子供に強い衝撃を与えてしまうこと。

うちの息子も癇癪持ちで、神経を逆撫でするような、暴言や私に向かってきたり、叩いたり、泣き叫んだり、喚いたり、その瞬間、私も掴みかかる時があります。叩いたこともあります。その瞬間は、我を忘れてしまうのです。

あまりに私が大声で腕を掴んで怒鳴るので、息子がしばらくして、泣き止み、ぐったりすると我に返って、急に血の気がひいて、息子がどうにかなってしまったのではないかと必死に名前を呼んでごめんねごめんね。を繰り返す。

まさに小説の中の母親と同じでした。

息子とは、母親にとっては特別な存在で、自分の分身で、理想や期待をかけて育て、夫からも友達からも命をかけて守る。自分の生き甲斐。


こんなに大切にしてるのに、こんなに命をかけて守っているのに、死ねだの汚いだの、言われ、うるさく喚きたてられ、叩いてくる息子を時には許せなくなる時がある。

せっかく苦労して、敷いたレールを外れようとする。ゲームに依存して、言うことをきかなかったり、習い事をサボったり、、

そのくせ、怖がりで自分の要求だけを通そうとする。

他の子は、ちゃんと塾に行ったり、挨拶をきちんとできたり、親の言うことを素直に聞くのにうちの子はなぜ、何もできないのだろう。

心も折れやすいし細かいことを気にしすぎる。


時々、自分だけが世の中で損をしてるような貧乏くじをひいたような、ものすごい焦燥感と、これは試練なのだと自分に言い聞かせてなんとか耐える毎日。。

そんな日々に疲れ、気持ちの線が切れてしまう。

子供に当たってしまったり、自分で自分をコントロールできなくなる時がある。

うまく気持ちのバランスがとれていたり、子供への期待もほどほどに、自分のできる容量をよく理解している人だったり、子供も親の気持ちを受け止めるのが上手い性質だったりと親子のバランスがとれていれば、ぶつかることもなく、波風たたずに過ごしていけるのだろう。


この小説を読んで、自分は絶対に後悔したくないから子供が健康でいてくれればそれでいいんだと、他の子供と比べたり、高望みしないでその子の生き方を尊重しようと思いました。

自分の理想やルールをおしつけたりしないで。

そうすれば子供の一言でいちいち自分を見失なったりすることもないだろう。

子供だって泣きたくなるほど必死で生きてる。

大好きなお母さんに分かって欲しいと願っている。

小説の内容は、いろんな共感できる部分がたくさんあり、子育てに迷ったり苦労したりは人それぞれでその人なりの大変さがみんな違う。だから自分は不幸でもないし、運が悪いわけでもない。

努力次第で幸せは掴める、努力しないでも、たった少しの気持ちの切り替え方で毎日の過ごし方も変わる。

そんなふうに考えさせられた小説でした。

ラストは衝撃もありましたが、どの母親も前向きに進む母親としての強さを持ち乗り越えていく、読んだ後は、スッキリとするおはなしだったので、ぜひ映画も見てみたいと思いました。


我が息子は10歳を過ぎ、だいぶ変わりました。

まず、私を叩かなくなりました。泣いたりわめいたりもめっきりなくなりました。

やはりこの小説と同じ小学3年の時に、学校の支援の先生への相談、療育センター、心療内科へ行き、発達障害、アスペルガー、今は自閉スペクトラム障害と言いますが、を指摘されました。

でも結局、療育も病院も学校の先生との面談も、途中で行かなくても良いかと思えるほど、普通なんだと思え、今はただの個性だと思い、癇癪もわがままも気にしなくなりました。

まだまだ他の小学5年生に比べると不器用で気分屋でできないこともたくさんですが、

気持ちのコントロールもできるようになってきました。

朝ゆっくりと2人で過ごす散歩は、続けています。

早朝はお布団からでるのが面倒な時もありますが、息子との唯一の時間。

朝日が登って、静かな朝、今日も鳥の声を聞きながら、2人でゆっくり公園のベンチに座り、こんな時期にもう蝉のぬけがらがあるねと話せました。

貴重な時間です。

そして、何気ない日々や時間を大切にしていきたいと改めて思いました。

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