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2021開幕戦 セレッソ大阪vs柏レイソル

幕開け

気温は10℃ 数日前に21℃近くまで上がった気温のせいか、寒の戻りを感じざるを得ない二月の最終土曜。
ついに本日は2021シーズンの幕開けです。 

前日に行われた金J、2019王者 横浜Fマリノスを相手に今シーズンも盤石な強さを見せつけたディフェンディングチャンピオン川崎フロンターレ。
対抗馬の第一番手となるのはACL組。 ゼロックスで川崎相手にあと少し及ばずの善戦をしたガンバ大阪、大補強を敢行してきた名古屋グランパス そして本日ここで開幕を迎えるセレッソ大阪。
ロティーナ監督の解任、クラブの象徴と言われた柿谷の放出 守備の要だったヨニッチを急転直下の形で失い迎える新シーズン。


セレッソを深く知るクルピの監督復帰、そして大久保の復帰。 出入り共にセンセーショナルな話題を提供したセレッソ大阪が迎え撃つのは、昨季得点王オルンガを手放し新たな得点スタイル構築を強いられる柏レイソル。
昨季の12月、そのヨニッチとオルンガのマッチアップは記憶に新しいところです。


コロナ下における状況でほとんどのクラブのキャンプ状況が読めないなか迎える新シーズン、先発メンバーの目星さえ立たないという状況に加え、
感染拡大傾向がみられる都府県に発出されている緊急事態宣言による特例措置で、アウェイサポーターを受け入れることができない中での開幕は少し寂しさもありますね。


5000人までしか収容できない状況のおかげで、チケット争奪も例年になく狭き門でした。 セレッソでこういう経験は本当に珍しい…


個人的になんとかセブンイレブンシートを手に入れいざスタジアムへ。 来場者たちの開幕への期待感?の高揚のせいか、5000人しかいないスタジアムとは思えないほどの賑わいを見せてました。

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このバルーン、昨季徳島で見かけたものです。 Jリーグ共通で今年からはどのスタジアムでも見られるようになるんでしょうか。

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帰還

後半途中からでも大久保が見れたらいいなー U23から上がってきた西尾が見れたらいいな でも瀬古とダンクレーなら不動の二枚だよなー なんてことを考えながらスタジアムへ来て見てびっくり。
なんと先発に 大久保嘉人、西尾隆矢がいる。 しかもダンクレーはベンチ外 ついでに言うと西川潤もいない 藤尾もいない チアg…(悪ノリ)


やっぱりキャンプがベールに包まれていると、こういう面白いサプライズが起こります。 大久保が先発。 なんでしょうこのワクワク感。 自分はどちらかというと大久保の加入には懐疑的な立ち位置なのに、やっぱり大久保がいる というだけで違います。


練習が始まります。  おぉ、本当にいるよヨシト… しかも気合の入る引き締まった中にもどことなく柔らかい表情  久々のヤンマースタジアムの光景を懐かしんでいるんでしょうか。

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審判団もアップを開始。  村上さんです。 今のJレフェリー陣の中で一番好き化もしれません。 髪の色、少しブラウンを入れた?日光でそう見えるだけかな?

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導火線として

監督が変わったらやることが全然変わる なんてことがないのは百も承知ですが、それでもセレッソの守備陣形の安定感は相変わらずですね。
西尾がいて、スタメンが普通 っていう状況で初めて開幕を迎える瀬古  この二人の二枚底ならそれなりに柏にも崩せる牙城あんじゃね?と、半ば期待してみてましたが、そんな目論見もなんのその。
後ろから「パステンポ上げろ!」 「フリーだから持っとけ!」 などなど、状況に応じて頼もしいコーチングをするキムジンヒョン。 そうだ セレッソはDF陣どうこうの前に強大な壁がそびえてるんだった。


試合時間が経過する毎に、どことなく自信と余裕を持ち合わせていくように見えたセレッソ仕立てのCBコンビ。 呼応するように両翼も高い位置を狙い始めます。


そして前半29分、セレッソの右コーナーから瀬古が押し込み先制!  も、どうやら柏の選手たちがしきりにハンドをアピール。  すかさず村上レフェリーがピッチ横に併設されたモニターを使ってチェックに入ります。

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VAR発動の瞬間を初めて生で見ました。 感動。  結果は丸橋のハンド。 モニターに映った映像、一目瞭然ですw

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仕切り直し。 流れが柏に向くかな? と思った矢先に落とし穴がありました。上島が推進力のついた大久保を後ろから引っ張り一発レッド。 のちに映像を見ると確かに微妙なところかもですが、あの局面で少しでも手を伸ばして接触したならDOGSO案件ですね。 

その辺はやはりさすが百戦錬磨の大久保、一枚も二枚も上手(うわて)です。 ちなみにその瞬間撮れてました。んー ほんとに掴み切れず手が当たったレベル。もったいない。

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上島、初のJ1の舞台は30分持たずしてピッチを去ることに。 気合は相当入っていたでしょうし、それは表情からも伝わってきていました。 出停明け3節以降の巻き返しに期待です。

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上島が空けたCBに染谷がスクランブル、その煽りを受ける形で呉屋が下がります。 柏はプランを一気に変えざるをえない状況になりました。

基本生観戦の試合はカメラがメインなので、戦術面だったり細かいことはテレビで見ている以上にわからないものなのですが、明らかこのあたりからセレッソの両ウィングが活性したような気がします。


それを裏付けるかのように、松田陸からの鋭いクロスを大久保が頭で決めて先制! スンギュも鋭く曲がって逃げていく弾道に、飛び出す判断を一瞬躊躇したようにも見えます。


なんとなんと今季セレッソの初弾はかつての金髪エースが背負っていた20を付けた大久保でした。しかもその20が一番得意としていた頭で。 いやはや恐れ入った。
やはりこの男は大舞台に強い。 それまでも裏抜け(実際、上島の退場は裏抜けに半歩遅れた結果)、カットインに加え自陣まで降りて楔を打ったり と、その凄みの片鱗を随所で見せてはいましたが、まさか先制点までとは。
セレッソというクラブを語るうえで欠かせない三人 現社長として彼の獲得にGOサインを出した森島、かつて20を背負いセレッソをけん引した生粋のストライカー西澤、そして不屈の闘志をいまだ燃やし続ける大久保 というセレッソ大阪の象徴・エッセンスがまさか2021年の長居でまた垣間見られるとは。

柏の抵抗

後半からヒシャルジソン、三原を投入し おそらくネルシーニョ監督はインサイドハーフから中央に対して活性化を図ったものだと思います。
言い方を変えたら、もうそれしかないし、もっといえばセレッソからしてもよしきた! な展開だったと思います。
この布陣のために大谷も代えないといけなくなったのはもうほとんど言葉通りの万事休す。 セレッソの4-4ブロックにがっちりはめ込まれてしまい、いたずらに時間だけがすぎていきます。
そんな状態でも気を吐いたのは瀬川。 幾度となくセレッソPAへ突進しては決定機へのお膳立てを試み、中盤ではボール奪取に奔走 底まで降りてはビルドにも参加します。 右からのクロスにこんなきれいなバイシクルも披露。

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それでもセレッソの守備網を破るのはどのクラブであっても至難の業。 J1デビュー西尾は、もうその肩書が不要なほどにどっしりとタスクをこなし、クリスティアーノとの空中戦もほぼ制圧。

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チームとして隙がありません。

「これまで」と「未来」の融合

瀬川に光明を託す柏に対し、虎視眈々と追加点を狙っていたセレッソ。 この空気感が昨年との一番の違いかもしれません。
ゴール前の混戦から坂元が右足一閃 試合を決定づけるゴール。 これからのセレッソを間違いなく背負って立つ選手が決め、5000人弱しかいないはずのヤンマースタジアムが地鳴りします。

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クラブ編成のゴタゴタから一転降格候補になるのでは?とまで言われた先月までのあの状況が嘘のような盛り上がり。
フロントどうこう云々はまたサポのみなさんから言わせれば別の話なのかもしれませんが、今日のこのスタジアムの雰囲気を見ていると全く悲観するような面が見えてきません。
坂元が決めたことでなんというか、これまでの功労者がその存在感を見せつけ、

そしてまた新しいセレッソの歴史が彼らと共に構築されるんだ というような、少しできすぎた脚本めいたものも感じるくらい、この日観戦したサポーターはみんな"幸せな"気分だったのでは? と思います。

リーグとしての「これから」

昨年のリーグ進行となんら変わらない観客数制限事態。 クラスター発生の際の勝ち点の取り決めなんて、なんなら昨季より厳しくも感じる状況ながら、「光明」もあるのが去年と今年の一番の違いだと思います。

ワクチンの話もどんどんと実生活レベルで投入されだしているし、きっとこのままいけば・・・というのは、スタジアムに今いるファンみんなが思っているところだと思います。

坂元のゴールに沸騰したあの最大瞬間風速とあの熱量、きっと近いうちにどこのスタジアムでもチャントや歓声がこだまするなかで、たくさんの人たちの笑っている口元が見える状態で、またサッカーが見れる日はきっと取り返せると思うし、早くそんな光景をまた見たい!という思いが強くなった開幕戦でした。

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