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バルセロナの何がそんなに特別なんだろう

実はバルセロナには行くつもりがなかった。
直前でキャンセルしても返金額が多いCostcoの旅行会社から、ローマとセビリヤの航空券とホテルのセットを買ったら、バルセロナもついてきた。

バルセロナへは別に行かなくてもいいんだけどな。
期待はまったくしていなかった。
ところが、行ってみたらすぐに大好きになってしまった。
そして絶対にまた戻ってこよう、と誓った。

バルセロナの何がそんなにいいの?
バルセロナでの印象深い出来事を思い出してみる。

前日夜遅くホテルに着いてその翌朝、ホテルのカーテンを開けたら鮮やかな緑色のインコの群れがさえずりながら飛んでいた。
ピッピッと鳴きながら街路樹の木から木へ、やがて海の方へ去っていく。
思いがけなくかわいい絵本を見たような気がして、なんだかうれしかった。

それがバルセロナの滞在の始まりだった。

朝食後、タクシーに乗って街へでかける。
泊まっているホテルが街の中心からずいぶん離れたところにあった(だから安かったのだ)。
私たちがアメリカから来たこと、つれあいが少しスペイン語を話せることを知ると、タクシーの運転手さんはすごくおしゃべりになった。
「なんでアメリカって食事がおいしくないの?」
「少なくともスペインはおいしいハムとワインがたくさんあるよ。」
そう言って、♪ハムとワイン、ハムとワイン♪と歌い始めた。

ゴシック地区とよばれる古い町並みが残る場所に到着。
かつてバルセロナのユダヤ人たちが住んでいた地区。
「ゴシック地区はスリに注意だよ」タクシーの運転手さんに言われた。

そうそうスリに注意。
私が今回のローマとスペインの旅で一番恐れていたのはそれ。
イタリアとスペインってヨーロッパで一番スリが多い地域なのではないだろうか。

<つづく>



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