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【後編】青ヶ島旅行記【上陸最難関】
青ヶ島滞在も残すところ半分になりました。
「ひんぎゃ」での腹ごしらえを終えたところで後編に入ります。
↓前編はこちらです↓
青ヶ島探索【2日目:後編】
続いていのが丸山遊歩道。
丸山遊歩道は内輪山の河口をぐるりと回る40分のハイキングコースです。
入口付近で警官の方に挨拶しました。恐らくこの島唯一の警察官です。
私服姿に警察帽とラフな格好で巡回していました。
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このような道をしばらく進むと、開けて丸山の内側が見える場所があります。
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だれか中に降りた人はいるのだろうか…
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道を進んでいくと昆布のような植物がチラホラ見られます。
これはオオタニワタリという植物で絶滅危惧種の一つです。
島の特産品である焼酎「青酎」の伝統的な製法ではこのオオタニワタリの葉で蒸した麦をつかって自然麹を作ります。
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丸山の頂上には「御富士様」と呼ばれる神社があります。
この神社は以前は不浄なものとして池之沢への立ち入りを禁じられていた妊婦、喪中の人、月事の人などが入れるようにと名主佐々木初太郎により立てられました。
ここを過ぎると再びスタート地点に戻ります。
ここで丸山を離れて、池之沢へ向かいます。
最初に青ヶ島郵便局に向かいます。
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青ヶ島郵便局は島で唯一の郵便局であり、青ヶ島小中学校の生徒が作った手作り青ヶ島風景ハンコが押せます。
ちなみにここにあるATMは島唯一のものだそうです…
続いて金毘羅神社に向かいます。
金毘羅神社はヘリポート(後で出てくる)の奥、長ノ凸部(ちょうのとんぶ)にあります。
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先ほどの東台所神社と比べれば行くのは簡単です。
しばらく進むと鳥居と社殿が見えてきます。
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金毘羅神社に金毘羅大権現が祀られているのは、天明の大噴火で無人島になった青ヶ島に帰島する際に安全を祈願したところ数十年の間一度も海難がなかったことへの神恩に由来します。
前編でも出てきた『天明の大噴火』と『還住(帰島)』は青ヶ島の歴史を語るうえで欠かせないキーワードです。後々説明しますね
ちなみに金毘羅神社からの帰り道からは大きな建物が見えます。
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これは青ヶ島村立青ヶ島小中学校の校舎です。
生徒数は小中合わせて10人程度の小規模な学校です。
次の目的地に向かう途中で名主屋敷跡に立ち寄りました。
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建物は残っておらず、石垣しか残っていませんでした。
探索しようと思いましたが想像以上に藪が深かったので断念。
この「名主屋敷」というのは佐々木次郎太夫が住んでいた邸宅です。
佐々木次郎太夫は青ヶ島への「還住」に大きな貢献をした人物です。
青ヶ島では江戸時代末1780年から85年にかけて火山活動が活発化しました。
特に1785年の噴火は激しく、噴火が始めってから一か月以上たっても絶え間なく噴石や火山灰が降り注いでいました。これを天明の大噴火と言います。
絶えず降り注ぐ噴石と火山灰により深刻な食糧不足・水不足となった青ヶ島に住み続けるのは困難と判断し、島民は離島を決断します。しかし、この時に八丈島に避難することができたのは202人….島に残された130~140人の島民は亡くなってしまいます。
その後約50年間の間、青ヶ島は無人島となります。(この間には名主三九郎らによって何度も帰島への取り組みがなされています)
1817年に名主佐々木次郎太夫が青ヶ島起し返しの願い書を八丈島に提出。
そして1835年に次郎太夫に率いられて青ヶ島の島民は八丈島から帰島を果たします。これが「還住」です。
以上が非常にざっくりとした還住の説明です。詳しい説明は柳田國男の『青ヶ島還住記』などに記載されています。興味のある方は是非読んでみてください。
二日目の夜は青ヶ島循環線に向かいます。
青ヶ島循環線の正式名称は東京都道236号青ヶ島循環線であり、青ヶ島に存在する唯一の都道。
今回向かう島の西側を通って三宝港に向かう区間は崩落の影響で通行止めになっています。勿論車では入れないので歩いて行きます。
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荒廃しています。外輪山の外側を伝っている道なので海との高低差を感じられます。凄いところに道を通しましたね…
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一応ヘッドライトを持っていきましたが、歩いている途中で真っ暗になったので帰ります。このまま進めば三宝港まで続きます。
あたりに街灯がないので星空観察している人もいました。
宿に帰って夜ご飯です。最後のご飯…早いですね
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二枚目が青ヶ島名物の島寿司です。
島ではわさびが手に入らないのでカラシをつけて食します。
さて、明日は帰るので寝ます…
の前に十一屋商店で買った青酎を飲みます!
青酎はサツマイモを原料に麦麴を利用して作られる青ヶ島の焼酎です。
巷では「幻の酒」なんて呼ばれているらしい。
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実は青ヶ島に行ったのは8月で、その一か月前に20歳の誕生日を迎えました。
旅行計画時から初酒は青酎にすると決めて、アルコールを一滴も口に入れたいなかったので初酒です。
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飲んでみましたが非常に匂いが強いお酒でした。
「他の酒を飲んだことが無いので分からん」というのが正直な感想。
同行した友人は美味しくないと言っていましたが、部活の先輩は美味しいと言っていました。人によって好みが分かれるのかもしれません。
ネットや竹芝客船ターミナルの売店でも売っていたので気になる方は是非。
青ヶ島探索【3日目:最終日】
早くも最終日です。
9時45分発のヘリコプターに乗るので町周辺を軽く探索しました。
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昨日遠くから見えた青ヶ島小中学校です。
近くで見ると綺麗で大きな校舎。全校生徒10人とは思えない。
2020東京五輪の聖火リレーではここも通ったみたいです。
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もう少しブラブラします
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こちらは佐々木卯之助氏の墓です。佐々木卯之助氏は江戸幕府の大筒役の要職を務めた人物でした。彼は茅ケ崎にあった射撃場の管理にあたっていましたが、飢饉困窮にあえぐ農民をみかねて射撃場での耕作を黙認した罪で青ヶ島へ流罪となりました。
この向かいに次郎太夫の墓があります。
あっというまに出発の時間になりました。。
帰りは東京愛らんどシャトルを使って八丈島まで帰ります。
東京愛らんどシャトルは東邦航空が運航しているヘリコミューター便です(日本で唯一らしい)。青ヶ島-八丈島間を20分で結んでいます。
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非常に素晴らしい交通機関なのですが、一日一往復、定員九名なので予約は困難です。友人曰く予約開始日(搭乗一か月前)に電話に張り付いてやっと予約できたそう…
では人生初ヘリコプターにのって八丈島に戻ります。さよなら青ヶ島~~
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ヘリコプター内はスマホ使用禁止なので撮影できませんでした。
騒音、振動は想像を絶するものでしたが飛行機とはまた違った飛行体験で楽しかったです。絶叫アトラクション的楽しさですかね。
すぐに八丈島空港に着きました。
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というわけで青ヶ島旅行記は以上になります。
下に青ヶ島マップを張っておきます。場所の確認にお使いください
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おわりに
青ヶ島旅行記を最後まで読んでいただきありがとうございました。
大学1年生の夏、私にとって初めての離島旅行でした。
青ヶ島に行ってから早半年以上が経ちますが、尾山で見た満天の星空、大凸部から見た雄大な青ヶ島の景色、ひんぎゃで作ったゆで卵の味などの感動は今でも鮮明に憶えています。本当に魅力にあふれた島でした。
なるべく魅力が多く伝わるように写真を多く用いたつもりですが、やはり行かないと分からない部分もあると思います。
少しでも魅力を感じた方は是非足を運んでみてください。
重ねてにはなりますが、このnoteを読んでくださって本当にありがとうございました。旅行記を書くのは楽しかったのでまた書くと思います。
さよならー
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