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【前編】青ヶ島旅行記【上陸最難関】

2022年の夏に高校以来の友人二人と日本一上陸が難しい(とされている)「青ヶ島」に行きました。
伊豆諸島の有人島最南端である青ヶ島では世界的珍しい二重式カルデラ、満点の星空が見られます。また青ヶ島村は日本で一番人口の少ない自治体としても知られています。
そんな魅力のたっぷりつまった青ヶ島の旅行記です。

■橘丸

初日は竹芝ふ頭ターミナルからのスタートです。
余談ですが本社巡りも趣味なのでソフトバンク新本社屋を撮影。竹芝近辺の再開発は勢いが凄いですね。

ソフバン新社屋


話を戻しまして、、青ヶ島に行くにはまず八丈島に行かなければならないので、東海汽船の「橘丸」にのりこみます。

乗船券
夏休みなんで人が多いですね


大体10時間で竹芝客船ターミナルから八丈島・底土港まで行くことができます。
初船でしたが、なんとか酔わずに堪えました。。
当初は2等室を予約していましたが、乗船後に特2等室に変更しました。
結果的に半個室にして良かったと思います。
というのも8月上旬なので団体旅行の大学生が非常に多い。場所によってはうるさくて寝られなかったかもしれない。と考えるとやはり半個室の方が安心だと思います。

特二等。東海汽船サイトよりお借りしました

受付横のドアに伊豆諸島の地図を発見。
青ヶ島はどこかと探してもなかなか見つからずに、下を見たらありました。目的地は遠いですね。

どこだろな…
発見

とりあえず疲れたので寝ます。

■八丈島着。運航状況やいかに

おはようございます。船はあまり眠れないと聞いていましたが、普通によく眠れました。これが特二等の効果…

デカい海

大体八丈島につく30分前に起床しました。
天気も快晴だったので、くろしお丸(八丈島-青ヶ島の船)が運航するのではないかと期待。
デッキに上がると八丈島が見えていました

デカい島

起床してあたふた荷物整理している間に底土港に着きました。
下船したら一休み…とはならずにダッシュで待合所に駆け込みます!!

運命の運行状況やいかに….



?条件付き?まあよく分からないけど就航らしいうえーい。ということで乗船券購入。

遂にゲット

運が良い。
家には大量に宗教グッズがあり、一体どの神様のご利益なのかはよく分からないが全ての神様に感謝。
(くろしお丸の就航率は64.5%(2022年)です。
この就航率の低さが青ヶ島が上陸困難と言われる一因になっています。)

■八丈島→🚢→青ヶ島

そして遂に念願のくろしお丸に乗り込みました。
中も外もピカピカです。それもそのはず7か月前(2022年1月)に作られたばかりの船です!
この船はこの先数十年荒波の中働き続けることになるんですね。

ピカピカの船

出港後、綺麗な八丈島と乗ってきた橘丸が見えました。
八丈島には1時間も居られなかったけど、後で来るので我慢

八丈島と八丈小島
橘丸。ありがとう

船に乗っていたのは私たち3人を含めて5人ほどでした。意外と少ないですな。まあとりあえず難所は突破したので良かった…

■青ヶ島探索【1日目】

2時間ほど船に揺られると青ヶ島が目の前に迫っていました。
おぉ…これがあの青ヶ島か。結構小さいですね。
遠巻きに見ても分かる急峻さ。どこに住んでるんだこれ…

ごっつい島やなあ

しばらくすると島唯一の港、三宝港が見えてきます。

ゆらゆら定刻

入港の際は大きく船が大きく揺れていました。
下船してすぐに港から急いで離れます。

さよなら~


くろしお丸は島民の生活物資を運ぶ大切なライフライン。邪魔をしてはいけません。

港から離れると車に乗ります。
港と池之沢を結ぶ青宝トンネルを通ると、カヌレの内側(?)に行くことができます。

青宝トンネル


まずは青ヶ島村役場に行き観光案内や地図をもらいに行きます。
道に迷いながらもなんとかして到着。

青ヶ島村役場。青ヶ島村は日本一人口が少ない自治体

ところで、市役所の近くには島唯一の信号機があります。
ほぼ車が通らないのに信号機いるの…?と思うかもしれませんが、これは子供が島外に行ったときに信号機の使い方が分かるように設置された「教育用」の信号機です。

ボタン式信号機

もう13時か…
おなかがすいたので島唯一の商店「十一屋商店」でジャガイモと卵を購入。

十一屋商店。倉庫にドラムが置いてある


もちろんこのまま食べるのではなく「ひんぎゃ」で調理します。
ひんぎゃがある丸山まで移動します。

丸山。ウネウネの理由は後で説明します


大体15分で丸山に到着。
丸山は天明の大噴火で誕生した二重式カルデラ火山の内輪山。
遠くから見ると丸山の側面はウネウネしています。
西側斜面にはいくつもの噴気孔があります。

噴気孔。熱い


この噴気孔を活かしたのがこの地熱窯、「ひんぎゃ」です!
温かいのでだいたい猫が上にいます(かわいい)

猫(かわいい)


この窯の中に卵とジャガイモをぶち込んで待機します

ジャガイモ


近くには町営の「ふれあいサウナ」がありますが、新型コロナウイルスの影響で営業していませんでした。通常時は300円で噴気を利用したサウナを利用することができるそう。

入りたかった。。結構いいらしい


10分ほどして戻るといい感じに調理できていました


ゆで卵は十一屋商店で頂いた「ひんぎゃの塩」をかけていただきます。

ひんぎゃの塩


この「ひんぎゃの塩」は近くの製塩所で地熱を利用して精製される青ヶ島名物の塩です。うまい
腹ごしらえを終えると再び港に向かいます。
堤防に向かうと海底ケーブルの工事が行われていました。

飛び込んでる。危ない(カナヅチ並感)


近づいてみるとマリコンの帝王「五洋建設」の文字が…

かろうじて読める「五洋建設」の文字。。本社は飯田橋駅近くです


この海底ケーブルのおかげでスタートアップ経営者が次々と移住しているそう。気になる人は「DAOヶ島」で調べてみよう

後ろを振り返るとコンクリートで補強された急斜面が見えます
三宝港は島唯一の港。島の南東部には小型船のための「大千代港」が整備されていましたが、アクセス道路が崩壊してしまい今では放置されています。
そのため三宝港は正真正銘の「ライフライン」。何としても守り抜くという情熱を感じます。

すごい迫力。上の方に見える道路は崩落で通行止めです


また、右側に目を向けるとロープウェイのようなものが見えます。
これは船を陸に揚げるためのもので、島民の漁船が利用しています。
タイミングが合えば宙を舞う船を見ることができます

宙を舞う船…見たかった


その後しばらく港付近を散策していました

切り立った崖
船の安全を見守る鳥居


一度宿に戻って荷物をおいて、夜ご飯を食べました。

島そば
実家のような安心感


日が暮れてきたので、次は「ジョウマン共同牧場」に向かいます。
この牧場は島の北端に位置し、黒毛和牛が放牧されています。

右下に牛がいます
結構いて驚く


周囲が開けているのできれいな夕日を見ることができました。
街灯もないので星空観察にも向いているそうです。

エモい


夜になったので今度は尾山展望公園に向かいます。
尾山展望公園は標高400メートルに位置し、二重カルデラを一望することができます。今回はここで星空観察をします。
青ヶ島は星空観察スポットとしても有名であり、北海道の陸別町に次いで多くの星を見ることができる場所。
スマホで撮影しても大量の星を見ることができます。

スマホのアプリで撮影
スマホのアプリで撮影


満天の星空に感動したところで宿に帰ります。
今回宿泊したのは「民宿  杉の沢」。島の中心部の岡部地区にあります。
一泊二食付きで8,800円でした。非常にきれいな宿でした

部屋はまあまあ広かった!

■青ヶ島探索【2日目】

おはようございます。
朝起きてすぐに港に向かいましたが、昨日より少し荒れてますねえ。。

白波が立ってた


さて、本日最初にやることは青ヶ島最高峰・大凸部(おおとんぶ)から青ヶ島全景を展望することです。
登山口から東台所神社の鳥居の横の道を進んでいきます

鳥居の奥の道を進む


登山道は「もののけ姫」っぽい神々しさを醸し出しています。
標高が高く比較的涼しい気候とはいえ、湿度が高く、なかなか辛い登山です。

神々しい
精霊がいそうな雰囲気


鬱蒼とした茂みの中を15分ほど歩くと、、



全員が「おお~」とうなるほどの絶景が目の前に広がります。
天気は青天ではありませんでしたが、青い海、白い雲、青々しい自然のコントラストが非常に美しい…
果てしない海に浮かぶ青ヶ島を見下ろすと不思議な感覚になりました

スマホのパノラマ撮影

写真の中央に移るのは「ひんぎゃ」のある丸山です。
先ほどは説明を省きましたが、側面がウネウネしているのは元々あった樹木を防風林として利用しているためです。ウネウネの凹の部分には椿が植えられています。

一度下山して、今度は先ほどの鳥居をくぐって東台所神社に向かいます。
しばらくすると玉石の階段が見えます。当然これを登れば東台所神社に到着します

よーし。登るぞ


分かりますかね。。この階段が異常なほど急です。
上に行くほど急になり、山頂(?)直前では45度を超えていると思われます。
ポケットから落ちたペットボトルが異常な速度で落ちてゆく光景に恐怖しながら三点支持を意識して登ってゆきます。
恐らく三点支持を意識しながら階段を上ることは今後ないだろう…

修験道…?


やっとの思いで東台所神社につきました。

ギリギリ通れた鳥居
ビビッドな社殿


御祭神は書かれていませんでしたが、後で調べると「新神様」「乙神様」「テンニハヤムシャ」の三神だそう。
「新神様」と「乙神様」は260年前の殺人事件に起因するそうで….
この辺の事情は以下に貼ってある幣束さんの一連のツイートに詳しく記載されているので興味のある方は是非覗いてもらいたい

(https://twitter.com/i/events/1045957857668096000?s=20


平成11年度の東台所神社改修工事の看板を発見。
協力欄に書いてある「佐々木ベジ」さんは青ヶ島出身の実業家の方です。
彼が取締役会長をつとめるフリージア・マクロス株式会社は東証スタンダードに上場しています。ちなみに弟の奥山一寸法師さんは同社の社長を務めています。

ここにも五洋が…


色々発見があったところで、帰ります。
はい。そうです。あの階段を下らなければならないのです。
石に苔が生えていたので滑り台スタイルで下山。
下から降りる友人を撮影。やばいなこれ

下からのアングル


この辺でおなかがすいたので。昨日と同じようにひんぎゃでゆで卵を作って昼ごはんとしました。

少し慣れた。猫が居なくて残念


前編はここまでです。
分量が多いと読みづらいかなと思い前後編に分けることにしました。
後編では丸山のお鉢巡り、廃道、初酒で青酎、ヘリでの帰還など色々あります。
近々公開するのでしばらくお待ちください。
ここまで読んでくださってありがとうございました!




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