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三重県はオーストラリア?

言葉や歴史は「近畿」寄り、経済活動は「東海」寄り。そんな地元、三重県に生まれついてしまった私は度々アイデンティティに悩んだことがあります。

最近ではだいぶ開き直れてきたので、その過程を書き綴ろうかと思いnote初投稿です。

三重は何地方?問題

三重県は「近畿地方」か、「中部地方」か。
三重県は「関西地方」か、「東海地方」か。

この話題は昔から議論になってますよね。

「近畿であり、中部」
「伊賀地域は関西、それ以外は東海」
このような答えで話題を締め括られるようなことが多いように思います。

三重県北勢部にて生まれ育った私からすると三重県は「東海」であり「近畿」であるという感覚が一番しっくりきます。

反対に「関西」と「中部」に括られることには違和感があります。

愛知から見た三重



私は18歳のときに名古屋市内の大学に進学しました。そして現在も愛知県内で働いています。

中部地方および東海地方のボスともいえる愛知県は、三重県に対して非常に友好的で同じ地方として受け入れてもらえている感じがします。

しかし外の世界へ出たことのなかったネイティブ三重県人の私。
愛知県人とのファーストコンタクトをとったときに衝撃を受けました。

「めっちゃ標準語やんけ。」

愛知歴も長くなった今となっては名古屋弁や三河弁ってすごい訛ってるな〜と感じますが、当時は愛知県人の話す言葉全て「標準語」に聞こえていました。

そして、この多様性の現代の中では不適切な表現ではありますが、標準語イントネーションの言葉を話す男友達に対して「女々しい」「カマっぽい」と感じていました。

この感覚に共感する関西弁スピーカーの方は多いのではないでしょうか?

愛知県の言葉は明らかに関西へ旅行したときに感じる言葉の違いより差が大きいのです。

三重北部から名古屋まで大した距離はないのにも関わらず不思議なものです。

関西から見た三重

私は関西に住んだことはないのですが、関西出身の方は周りにいます。

大阪、兵庫、滋賀出身の方から「三重は関西ちゃう」だの「三重弁は似非関西弁」だの言われたこともあります。

もちろん三重のことを同じグループとして受け入れてくれる関西の方もいらっしゃいます。
しかし上記のような発言をされることは多々あるので正直、関西人の前で三重弁を話したくなくなります。

この経験が三重県人としてのアイデンティティを考え、悩むきっかけになりました。

三重弁といっても伊勢弁、伊賀弁、志摩弁などといろいろ種類はあります。いわゆる「三重弁」の代表格である「伊勢弁」は言語学上、近畿方言の「京言葉圏」に分類されるそうです。

たしかに祖父母の世代の人が話す伊勢弁はどことなくはんなりとした「京言葉」に通ずるものがあるような気がします。

それなら「大阪弁圏」の河内弁や摂津弁の人からしたら「京言葉」も似非関西弁と感じるのかどうかは興味深いです。

ただ三重と同じく「中部地方」にも「近畿地方」にも入る滋賀県に関西マウントを取られるのは少しイラッときたりします(笑)

こう思ってしまうあたり多少、関西に憧れはあるのかもしれません。

ハブられるのも仕方ない?

中部に行っても関西に行っても若干の疎外感を感じる三重県民。
しかし三重県民側にもハブられる要因があるのではないか?と勝手に思っています。

日本三大商人の中には「伊勢商人」が入っています。なんだかんだで社交的で口がうまい県民性なのです。

実際の私の経験なのですが、
静岡の人と仲良くなりたいときは「愛知」の隣であることをアピールして同じ東海地方感を出します。

反対に大阪の人と仲良くなりたいときは「奈良」や「和歌山」の隣であり近畿の地名に多少馴染みのあることをアピールします。

私の性格のせいかもしれませんが、いい顔してしまうんですよね〜。

やったことはないですが、おそらく長野の人と話す時は「愛知」「岐阜」の隣であり中部に縁のあるアピールをしてしまうことでしょう。

まるで、かつて三枚舌外交を行ったイギリスのよう。

同じような会話をしたことのある三重県民は実はそこそこいらっしゃるのでは?

あらゆる方面に愛想振りまいてるのを見てしまうと関西人が「三重は関西ちゃう」と言いたくなるのもわかる気がします。

オーストラリアに似ている?

私は地図を見るのが好きで、いろんな国の情報を調べるのが趣味です。その延長線上でオーストラリアを調べたことがあります。

そしてオーストラリアという国には親近感を覚えました。オーストラリアの特徴というと下記の①〜③のことが言えるのではないでしょうか。

①アジアに圧倒的に近く経済的繋がりが強い。
②ヨーロッパ系の人種がマジョリティであり、クセのあるオージーイングリッシュを話す。文化も西洋色が強い。
③地理的に離れたパラオやキリバス等と同じオセアニアに属する。

この3つのエリアの交差地点のような感じが三重に近しく思えます。

①経済的に東海地方との繋がりが強い。
②文化や歴史は近畿地方との繋がりが強く、クセのある近畿方言を話す。
③地理的に離れた新潟や長野と同じ中部地方にも属する。

少し強引な気もしますが、共通点が多いのではないでしょうか。三枚舌外交で有名なイギリス移民が多い国ということにさえも親近感を覚えてしまいます。

多様性のよる衝突や問題点はあるかと思いますが、この多様性こそがオーストラリアの魅力でもあります。

だとすれば多様性に溢れた三重県もまた魅力的なのではないかと思いました。

別にどこかひとつの地域に固執する必要もないし、三重は三重で素晴らしい。

最近ではもういっそ開き直って中部地方と近畿地方の府県は地元の範疇だと思ってます。

三重には魅力がいっぱい

三重県には魅力がたくさんあります。
ナガシマスパーランド、なばなの里、鈴鹿サーキット、パルケエスパーニャ、松阪牛、伊勢エビ、牡蠣、赤福、伊勢茶、伊勢神宮、熊野古道などなど。

意外とテーマパークも多いし、
美味しいものも多いし、
神社好きや歴史好きにはたまらない遺産も多いです。

何より伊勢神宮は日本人のアイデンティティの一つと言っても過言ではないでしょう。

神宮に祀られる日本神話の主神「天照大御神」は太陽神です。まさに日の本の国。また天皇家の祖先とも言われています。

こんなにも魅力的な三重県なのですから、「三重は関西ちゃう」と言った関西人も三重を同じ地方に入れたくなってきたのではないでしょうか?

そんなこんなで、オーストラリアがきっかけで三重県人としてのアイデンティティを自覚できたというお話でした。

いつかオーストラリアにも行ってみたいですね。

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