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本当に届けたいのは、見えないもの【Member's Story #10 前編】

ジャパン・メディカル・カンパニーは、最先端の3Dプリント技術を用いて、医療領域で製品開発を行うものづくりベンチャーです。「不可能を、塗りかえろ。」というミッションのもと、さまざまな人たちが働いています。その一人一人をご紹介していきます。第10回目は、代表取締役会長の大野秀則です。前後編の2本立てです。

プロフィール

学習院大学経済学部卒業。三菱商事を経て、大野興業に入社。 関東一の歴史を誇る鉄鋼専門流通問屋の3代目として、 経営の舵取りを行いながら、自社のみならず業界全体の発展に尽力している。 1999年に社内ベンチャーとして医療分野を中心にした3Dプリンター事業を立ち上げ、 現在のジャパン・メディカル・カンパニーの礎を築く。

なぜ、鉄鋼の会社が、メディカルを選んだのか

私たちの会社の使命は、何だろう。そう見つめ直したのが、約30年前。家業である大野興業の経営を私が継いだ時です。大野興業は、元々は、鉄鋼の卸会社。1897年の創業以来、鉄鋼製品の販売を行ってきました。その中で、お客さまのニーズにより応えようと、試作品製造を行う機会が多くありました。自然と、最先端のデータ加工技術に触れることも多かったのです。振り返れば、それがメディカル事業に進む礎となったのですね。冒頭の問い、我が社の使命とは何か、考えて考えて、その先にたどり着いたのが、「お客さまに喜びを届ける。Customer Delight!」でした。鉄鋼と医療は、かけ離れたものに思えますが、感動を届ける過程が異なるにすぎない。私にとって、その根っこは同じなのです。鉄鋼製品の試作品製造過程で学んだ最新のスキャン技術や3Dプリンター技術。この技術を活かして、もっと人の役に立ちたい。そう考えたのがメディカル分野に進んだ原点です。

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支える人を、支える。ものづくりで。

3Dプリンターには、精度の高いデータが必要になります。そのデータが存在する場所に行き着けば、チャンスがあると考えたのです。それが、医療の現場でした。病院は、CTスキャンデータという質の高いデータの宝庫です。それを利用して手術シミュレーション模型「KEZLEX」が生まれました。人間の体は、神様がひとつひとつ設計したようなもの。形も違えば、そこから派生する病気も一人ひとり違います。しかし、日本では、献体を用いた練習は原則として認められていない。だからこそ、お医者さまだけでなく患者さまを助けるために精巧な模型が役立つと考えました。
初めて作った模型のことは、今でもよく覚えています。それは、「小耳症外耳道閉鎖症」という生まれつき耳の穴がないお子さまのためのもの。症例も少なく、難しい手術です。そこで、医師の方が手術前にシミュレーションできるように、スキャンデータをもとに医療模型を製作しました。その甲斐もあってか、手術は無事成功。お医師さまからも感謝の言葉をいただきましたが、何より嬉しかったのは親御さまから、わざわざお電話をいただいたことです。「本当にありがとうございました、手術は成功しました、模型を作ってくださったおかげです」と。
人を救うのは、人しかいません。それを支えるのは、お医者さまや病院でしょう。けれど、私たちのものづくりによって、困難に直面している人を支える人を支えることができる。私は、そう信じたいですね。


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株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーの公式アカウント。最先端の3Dプリント技術を用いて、医療領域で製品開発を行うものづくりベンチャーです。医療用模型等を開発・製造し、全世界の病院や医師、患者様へ提供しています。