密集エリアでのポゼッションと適切なタイミングの前進⑮
・角
サッカー経験のある方ならおそらく一度は聞いたことや使ったことがあるだろう言葉に「三人目の動き」というものがあります。
指導経験もプレー経験もどちらもない方でも、テレビでプレー観戦をするサッカーファンの方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
形自体は必ずしも三角になる必要はありませんが、相手の守備ベクトルを操作して別の場所でボールを受ける、という考えはこれと同じです。
言い換えれば、「三角形」とは形そのものを作ることが目標ではなく、それを作ることによって相手の守備ベクトルを操作する、あるいは相手に守備の的を絞らせなくすることを目的としていて、それが具象化されたものにすぎません。
この「相手の守備を操作する」「的を絞らせなくする」をもっと視野を広げてピッチ全体で包括的に見たときに、その一つとして「センタライズとフランク攻略」や「ワイド攻撃とサイドチェンジ」など、「密集エリアを意図して作ること」と「排出先を用意すること」のセットの考えがあるわけです。
そしてこのプレースタイルは人を選びます。
選手の力量を選ぶということです。
例えば図8-1のようにシェイプしているチームがあるとします。(この手のチームはこの十数年で非常に増えました。)
パッと見3-5-2(3-4-1-2)のように見えますが、3-4-3フラットのCFが下りてきたところかもしれません。
以前(こちら)にも書きましたが、いつぞやのクロアチアのようにDMがCB間に下りてFWが一段下がることを標準フォーマット(システム)にした4-3-3(4-1-2-3)かもしれません。
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