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密集エリアでのポゼッションと適切なタイミングの前進③

まずセッションテーマの本題から最も遠そうな「いつ切るか(ポゼッションも意図のある前進もあきらめて、クリアをするか)」ですが、身も蓋もない話をすれば「危ないときはいつでも(Whenever)」になりますし、ポゼッションも前進もできるだけ自分たちの意図に沿ったものにしたい、そうすることで試合の主導権を握りたいと思っているチームが理想を追求するなら「そんな時は無い(Never)」になります。

少し古い話になりますが、黄金期のバルサはクリアの数が非常に少ないチームでした。

一方、2010年ワールドカップで最もクリア数が多く、最もオンプレーの時間が短かったチームの一つである日本代表は、極めて異例と言われているものの、ベスト16に進んでいます。

勝利に対する執着心を育てるとともに戦い方への執着心も同様に育てたい指導者の方々にとっては非常に約束化の難しいこの線引きですが、あるべき姿はかつてのバルサのような「Never」のチームにとっても、一つ二つ妥協を許せる条件に「スローインのとき」と「GKとDFユニットの高さに段差がないとき」などがあります。

もちろんピリオダイズしたチームデベロップメントにおける自チームの現在地や選手の年齢、目標に鑑みた条件づけでなくてはいけません。

それを心にとどめたうえでまず「スローインのとき」から見ていきましょう。

図3-1はミドルサードでのスローインのシェイプを表しています。

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