【アンチモン】医薬品摂取やタバコ副流煙などから摂取されるアンチモン（Sb）の毒性

アンチモンは化学的特性が砒素と類似しており
地殻にほとんど含まれていないレアメタルのひとつである。

プラスチック・ゴム・繊維などの難燃剤、 クーラーや冷蔵庫の冷媒材料、 半導体材料の添加物として利用されている身近な金属元素である。

幅広く利用されているため、様々な発生源から大気粉塵として排出され、健康上の懸念があるが、 大気中での動態については十分に解明されているとはいえない。

アンチモンの毒性は細胞内の酵素や補助因子と反応することで毒性を発現するとされる。汚染源は工場排水や鉱山排水などで、 天然水中には殆ど存在しない。

【毒性】
アンチモンの毒性は中程度で、 化学形態により大きく異なる。
100mgの摂取で中毒症状を示し、日常の食事から0.002～1.3mgのアンチモンが摂取されている。

毒性は有機アンチモン化合物より無機アンチモン化合物の毒性が強く、無機アンチモン化合物では5価よりも3価の毒性が強いとされている。

アンチモンやその化合物の利用としては、プラスチック・ゴム・繊維・塗料などの難燃剤として三酸化ニアンチモンが90%を占めている。

アンチモンは3価、5価ともに尿と便から排出されるが、 3価は尿中に、 5価は便中に多く排出される。