内田順子(なおこ)

英日翻訳者。カナダのバンクーバーに住んでいます。

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マガジン

  • 書評講座 Vol. 2

    • 6本

    課題書: 1)『掃除婦のための手引き書』- アメリカ、ルシア・ベルリン著、岸本佐知子訳、講談社、2)『ハムネット』- イギリス、マギー・オファーレル著、小竹由美子訳、新潮社

  • 書評講座 Vol. 1

    • 11本

    課題書: 1)『エルサレム』- ポルトガル、ゴンサロ・M・タヴァレス著、木下真穂訳、河出書房新社、2)『キャビネット』- 韓国、キム・オンス著、加来順子訳、論創社、3)『クィーンズ・ギャンビット』- アメリカ、W・テヴィス著、小澤身和子訳、新潮文庫

最近の記事

加害者と被害者の境界 ―― ゴンサロ・M・タヴァレス『エルサレム』書評

 去年くらいから、アジア系住民が道端やバスの車内でいきなり突き飛ばされたり殴られたりする事件をしばしば目にするようになったせいで、カナダで生活している私は、自分が外国にいて異質な存在であり、脆くて危うい弱者になり得るのだということを意識するようになった。レイシズムは不正義だ、けしからんと怒っていられるうちは、まだ他人事だったけれども、いま被害に遭っているのは私と似たような人。被害者と自分を隔てるものが何もないところで起きる暴力には、もう恐怖しかない。  ゴンサロ・M・タヴァ

    加害者と被害者の境界 ―― ゴンサロ・M・タヴァレス『エルサレム』書評

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