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うつ病人、コロナ患者を看病する ③

前回はこちら↓

夫との隔離生活、そして私が家事を担う生活を始めてから2、3日経った頃。

だめだ、やっぱり家事ができない…。

私はリビングの布団でほぼ寝たきりの生活をしていた。コロナになっていたのは夫なのだが。
だらだらしていたという側面ももちろんある。
けれど一番は「やらなきゃいけないのにできない」というジレンマに苦しんでいたのである。

夫からのご飯の催促を受けてやっと動く。
それもレトルトカレーとレトルトご飯をあっためて出すのが精一杯。
食器を洗う気力もなく、元気になるまで、もしくは箸が足りなくなるまで放っておく。

洗濯は珍しく調子がいいときに1回やれたかどうか。

掃除は元々お互いそんなに綺麗好きでもないのでそもそもやろうなんて思わなかった。

私自身も家に引き篭もっていたのでだんだん気分が滅入ってくる。
つらいのは夫なんだよなぁ、と思いつつ、じぶんのつらさから目を背けることもできない。
ゲームをしたり、どうしてもやらなきゃいけないレポートを書いたり、眠ったりしながらどうにか毎日をやり過ごしていた。

環境が変われば家事が出来るようになるだなんて、私もまだまだうつ病への理解が甘かった。
どんな状況でもできないものはできない。
やはり気の持ちようなんかじゃなく病気なんだと思い知らされた。

雑な食事と献身的とはいえない看病で見事復活してくれた夫には頭が上がらない。
「こんなご飯でごめんね」
と言うと、
「用意してくれるだけでありがたいし、何でも美味しいよ」
と返してくれる夫。なんでこの人はこんなに優しいんだろう。

御用納めの頃完治した夫は、私が溜め込みまくった家事をがんがん片付けてくれた。
本当に申し訳なく、そしてありがたく思った。

「今度」はあってほしくないけれど、もしまた夫はがダウンしたら今度こそ私が頑張りたい。

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