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腕に傷をつける

この記事はもしかするとあなたの自傷衝動を強めてしまうかもしれませんし、人によってはグロテスクに感じるかもしれません。
読むときにはお気をつけください。
また、この記事は自傷行為や自殺を推奨するものではありません。


腕に傷をつけた。
人生で3回目だ。

1回目と2回目は、死にたくて死にたくて泣きながらカッターで腕を切った。
怖いから、腕の皮をちょっと切るだけ、数センチの小さな傷をそれぞれ一つずつつけた。

今回、私の頭はすっきりしていた。
腕を切るという行為に及ぶ時点で冷静ではない。でも、頭の中はすごくクリアだった。
泣いてもいないし衝動的でもない。
本を読みたいから本を開くように、腕に傷をつけたいから腕に傷をつけた。

いつも使っている、壊れかけのカッターを用意して、右腕に当てる。
前よりもぐっと中に押し込んだ後、横にスッと引いた。
少し間を置いて、スッとした痛みと共に血が滲む。血が流れるほど大きな傷は怖くてつけられない。
でも少し物足りなかったから、1回目の傷とバッテンを作るように、2回目の傷もつけた。

十字に滲む血を見て、ほっとする。
何も思い通りにいかない私が、自分の腕に傷をつけることだけは思い通りにできるのだ。
愛おしくて愛おしくて、傷口にそっとキスをした。

もう少し、やりたい。
さっきより手首に近いところを狙って、スッとカッターを引く。2、3回、同じところをカッターでなぞった。
さっきより赤黒い血が線を描く。
間接照明に照らされ、傷口が鈍い赤色に光る。

ああ、なんてスッキリするのだろう。
今日つけた3本の傷と、未だ残る2回目の傷跡のミミズ腫れを見ながら、私は恍惚とした表情だったことだろう。

浅い傷だから、もう血は止まっている。
でも、切り傷特有の痛みはまだ私の腕に鮮やかに残っていた。


自傷行為なんて褒められたものじゃないのは百も承知だ。人様に見せられるものでもない。
しかし、死にたさを抱えた私が生きていくには、腕に傷をつけるしかない夜もあるのだ。

自分を傷つけてはいけない。
自ら命を絶ってはいけない。
小さい頃から繰り返し聞かされた言葉だ。
道徳的には正論で、反論の余地なんて全くない。

でも、この言葉は今の私をまるごと否定してくる。
自分を傷つけたくてたまらない、死にたくてたまらない私のことを。

自分を傷つけずに、死にたいと思わずに生きていく方法があるならぜひ実行したい。
それがないから私は困っているのだけれど。

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