企業理念・クレドが浸透しない原因②

前号では、「管理職の参画」がコロナ時代の理念浸透には不可欠であることを述べました(下図)。しかし現実には管理職である部門長たちは多忙で、参画と言ってもそう簡単には行きません。そこで「心情と制度」の両面を整備することが必要であり、「心情」について解説をしました。

理念推進の要素(管理職)

今回は「制度」面での巻き込み方について解説します。私たちは目標管理(MBO:Management by Objectives )という言葉を知っていて、実際に活用しています。

ドラッカーが唱えたと言われるこのMBOは、大手企業など多くの企業で導入されています。が、その割には私が直接、企業の現場での活用方法を見ると、上手く使えていない現状を目の当たりにします。最も顕著な事例は「部門長である上司が作成して、部下に実践を任せる」という従来のマネジメント手法の延長でMBOを導入しているケースです。

これでは、管理側面だけが強調され、本来ドラッカーが目指した「動機を持って自律的に動く人材」の育成には繋がりません。

この非常にシンプルな本来のMBO(「部下一人ひとりも目標をつくり、部門長とすり合わせて、コミットする」)を改めて、このコロナ禍では取り入れる必要があります。

なんだ、そんな簡単なこと?いまはMBOではなくてOKRじゃない?など、少し勉強した方なら仰るでしょう。しかし繰り返しますが大手企業を含め、我が国の多くの会社は残念ながらMBOすらきちんと出来ていないのです。

理念推進の原動力たる「部門長」に理念浸透をサポートして頂くための「制度面」は、このMBOにしっかりと「理念浸透」のための目標、つまり(ビジョンやミッション)の具体的な達成法を記載してもらい、コミットすることなのです。

その際に、必ず失敗する要因があります。それを次回に示します。

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